164_集中力を発揮するには隣の人が超重要 #集中力

「聖書の中の『マタイによる福音書』には『You shall love your neighbor as yourself』という言葉があり、日本語では『隣人を汝自身のごとく愛せ』と訳されます。隣の人も大事にしましょうね、ということです」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『集中力を発揮するには隣の人が超重要』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「人というのはよくも悪くも他人の影響を受けます」


「読者様も成功した人、尊敬する人、先輩、上司などの影響を受けたことが少なからずあると思います」


「え? 『読書が趣味な人と仲良くなりたくて、本を読み始めた』ですか。それはとてもいい影響だと思います。一度身に付いた知識はなくなりませんから」


「では読者様、集中力も影響を与えることを知っていますか?」


「実はですね、隣の人が集中していると自分の集中力も上がることが判明したのです!」


「どうですか? すごいと思いませんか?」


「だって、自分のやる気がなくても、隣の人が集中していたら、自分も引っ張られて集中しちゃうんですよ。これほど、ありがたいことはありません」


「このことについて調べてくれたのがブリュッセル自由大学です」


「研究者は38人の学生を集めて、ペアを組んでもらい簡単な課題に取り組んでもらいました」


「どんな課題かと言いますと、サイモン課題というものです」


「画面に『右』や『左』もしくは『→』『←』というのが表示されます。その表示に従って対応したキーを押す、という課題です」


「サイモン課題では、画面の右端に『左』と表示されると『右』に対応するキーを押してしまいます。正しいキーを押すにしても数倍の時間がかかったりします」


「右にあるのに『左』と表示するので、頭が混乱するのです」


「反応速度やエラー率によって、集中力を計測することができます」


「課題の際に、ペアの二人は隣り合って座っていて、一つの画面を二人で見て取り組みました」


「ですが、課題の内容は共通ではありません。二人にはそれぞれの課題が与えられました」


「隣り合って座っているけど、別々の作業をしている状況を作り出したのです」


「自分の成績と隣の人の成績とは関係ない、ということです」


「二人にはそれぞれ、自分の課題とは関係ない作業をしてもらうのですから、隣の人が集中しているかは関係ありません」


「ですが、結果は先に述べた通りでした、そう隣の人が集中していると、自分の集中力も上がったのです!」


「集中力は伝染するのです!」


「いやはや、とても参考になる結果です。全集中、隣の人の型、ってことですね。他力本願ここに極まれり」


「だって、自分が集中できないなら集中している人の隣に行けばオッケーです。それに、集中することで、作業も早く終わります」


「仕事を早く終わらせる秘訣は、集中している人の隣に行くことだったのです!」


「読者様も図書館で勉強をしたら捗った経験はありませんか? それは、他の人が集中していたからです」


「集中力が伝染したことによって、自分も集中できていたのです」


「逆に言えば、自分が集中していると隣の人も集中できる、ということです」


「チームの仕事が遅れているようなら、積極的に自分が集中しましょう。仲間も連られて集中してくれるの間違いなし!」


「是非、試してみてください」


「しかも、面白いことに、隣の人の姿が見えなくても集中力が伝染する効果はあるのです」


「というのもですね、研究者は同じ実験をペアの間に仕切りを置いた状態で行ったのです」


「仕切りによって隣の人と分断され、様子が窺えなくなりました」


「つまり、視覚的には隣の人が集中しているのか、怠けているのか分からない状態にしました」


「人が集中しているのって、見たらなんとく分かりますよね。隣の人が集中しているから、『自分も集中しなきゃいけない』みたいな考えが生じるのかもしれません」


「ですが、今回の実験では仕切りによって視覚で隣の人が集中しているかは判断できません」


「それでも、集中力は伝染していたのです」


「面白いですよね」


「研究者いわく、微妙な体の動きの違いを感じ取って、影響を受けているのだろう、と語っています」


「視覚以外の情報を無意識に感じ取っているみたいです」


「研究者はさらに大胆な仮説を語っていまして、集中力を発揮している時の体臭を感じ取って、影響を受けている可能性もある、とのこと」


「詳しいことは分かりませんが、何かしら隣の人のサインを感じ取って、影響を受けているようです」


「他にもミラーニューロンの可能性を考えているようですが、説明するのは難しいそうです」


「まあ、理屈が不明でも、集中力が伝染するのが分かれば十分ですね」


「仕事をするなら集中している人の隣の席を確保しましょう!」


「カフェでもオフィスでも、どこでも集中している人はいるはずです。見逃さないようにしましょう。もちろん、勉強でも有効ですよ」


「仕事には席選びも大事という所で、今回のまとめです」


「学生を集めて、ペアを組んでもらい課題を与えたよ。その課題は、隣の人と協力する必要のないものだけど、隣の人が集中しているともう一人も集中することが分かったよ」


「しかも、仕切りを置いて隣の人が見えない状態にしても、集中力の伝染現象は起こったよ」


「とにもかくにも、隣に集中している人がいたらお得だよ」


「それに、伝染するのは何も集中力だけではありません。幸福感なども影響を受けます」


「幸せな人が近くいたら、自分もなんだか心が温まる、なんて経験をした読者様もいるでしょう」


「ですが、気を付けたいのはマイナスの影響も伝染するということです」


「ネガティブな感情や不安感なども周りの影響を受けます」


「ですので、できる限り幸せな人や真面目な人の近くにいるのが、人生を楽しく生きるコツです」


「もし読者様が人生を楽しく感じていないのなら、一度周りの人に目を向けてはどうでしょうか?」


「マイナス思考な人に囲まれていたら、幸せになれませんよ」


「郷に入っては郷に従え、という言葉があるように、人は周りに適応していきます」


「よくも悪くも影響を受けることを忘れないでください」


「…………朱に交われば赤くなる、のほうがよかったですかね? まあ、いっか」


「ということで、今回は『集中力を発揮するには隣の人が超重要』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、お願いします」


「読者様が『こんなことが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『料理は見た目で健康的がどうか判断される』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Is mental effort exertion contagious?

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