150_口が悪い奴は正直者だぜ #言葉 #性格

「荀子は『荀子』の中で『小人之学也入乎耳、出乎口』と語っています。要約すると『小物は、学んだことをそのまま口にする。聞いた知識を口にする奴は、信用できない』読者様も聞いた知識には、自分の意見をプラスして話してくださいね」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『口が悪い奴は正直者だぜ』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「こんな所で油を売っている暇な読者様、全然利口になれていない読者様に告げる。もっと他にやることないの?」


「え? 『いきなり、どうした?』ですか。そうですね、確かに唐突でした。ですが、この言葉は今回のお話と関係があるのです」


「というのもですね、オランダのマーストリヒト大学が面白い研究を行ってくれたからです」


「どんなものかと言いますと、『口が悪い奴は、実は正直者である』というものです。なので今回は、口悪く始めてみました。いかがでしたでしょうか?」


「え? 『100点満点中5点』ですか。手厳しいですね。これは一本取られました。さすが読者様!」


「一般的に口が悪いのはよくないこととされています。たとえば、口が悪いとルールに従わない印象を与えたり、暴力的であると思われたりします」


「ですが、そんな表面的なものにとらわれていたら、本質を見逃してしまうのが今回の研究です」


「読者様に質問です、言葉は丁寧だけど、騙す人。言葉遣いは悪いけど嘘をつかない人。どっちのほうがいいと思いますか?」


「答えは簡単ですよね?」


「ここではあえて私の口からは答えは申しません」


「それでは具体的な研究内容の紹介に移りたいと思います。研究者はまず、276人を集めて罵詈雑言が書かれたリストを見せて、それぞれにどのような感情を抱くか、答えてもらいました」


「その後にアイゼンク性格検査という性格診断を受けてもらい、被験者の性格を調査しました。これによって、嘘をついているかがわかります」


「続いて二つ目の研究では、SNSを使って73789人の投稿から口が悪い言葉を使っているか調べました」


「集められた投稿を分析して、汚い言葉と正直者の関係を割り出しました」


「これら二つの研究の結果、口が汚い人は正直者である、という結論が出ました!」


「いやー、面白い結果です。一般的に口が悪い人は卑怯者であったり、犯罪者のようなイメージを持たれます」


「ですが、研究では正直者である、と直感に反した答えを出しています」


「もしかすると、正直者であるから言葉を取り繕わない。言葉を取り繕わないから言葉が悪くなる、と言いたいのかもしれません」


「さて、読者様は口が悪いですか? それとも、綺麗な言葉を心がけていますか?」


「ここで『汚い言葉を使うのはよくないですよ』と丁寧な返しをしていたら、読者様は正直者ではありませんよ」


「対して、『お前なんかに言われるまでもねえ』とでも返していたら、読者様は正直者かもしれませんね」


「ふふっ、読者様はどちら側だったのでしょうか?」


「研究はまだ行われてます。先の二つの研究は個人を対象にしたものでしたが、三つ目の研究は社会を対象にしたものです」


「2012年にセンター・フォー・パブリック・インテグリティがアメリカ本土の48州に行った調査を使用しました」


「CPIという組織でして、力のある公的期間や私的組織による権力の濫用や義務の怠慢を暴き、誠実な言動をして公益第一を求めている、組織です」


「要は、清廉潔白な人を増やしましょう、ということです」


「それと、SNSのユーザー29701人を集めて、口が悪い言葉が多い州と口が悪くない州を調べて、先のデータと比較しました」


「その結果ですね、口が悪い人が多い場所ほど、誠実性のスコアも高かったのです」


「口の悪い人が多い地域では社会全体としても正直者が多いことが明らかとなったのです」


「具体的には、コネチカット州とニュージャージー州では口が悪い人が多かったですが、誠実性のスコアで最高得点を叩き出しました」


「逆に、サウスカロライナ州では口汚い言葉を避ける傾向があり、政府の誠実性と開放性のスコアが低い結果となりました」


「誠実性と開放性が低いのは、端的に言ってヤバイです。誠実性は真面目、開放性は好奇心、とそれぞれ言い換えられます」


「つまり、不真面目なのに新しいことには挑戦しないのです。州の全土に蔓延していたら、成長が望めません」


「いやはや、恐ろしい結果となりました。読者様も引っ越しの歳には、口の悪さもきにした方がいいかもしれません」


「読者様も口が悪いからと言って、簡単に相手を遠ざけたらダメですよ。その人は正直者ですよ」


「もし、読者様が正直村か嘘つき村に続く二股の道に差し掛かって村人がいたなら、質問ではなく口が悪いかどうかで判断してはいかがでしょうか?」


「口が悪い人が正直者、と知っていても気を付けないといけないことがあります」


「それは、口が悪い人が犯罪を犯さないかどうかは関係がない、ということです」


「今回の研究では倫理面からのアプローチはしていません。あくまでも口が悪い=正直者であって、口が悪い=ルールを守る、の等式は証明されていませんのであしからず」


「そりゃそうだよね、という所で今回のまとめです。口が悪い人を調査したら、正直者である、ということが判明したよ」


「場合によっては、口の悪さが信頼に繋がることもあるよ。覚えておいてね」


「本当に面白い結果を研究者は提供してくれました。直感に反する事実に私も目から鱗が落ちる気分でした」


「え? 『言葉が嘘っぽい』ですか。あれま?」


「読者様に私が正直者であるとわかってもらうために、今後は私も口を悪くするべきでしょうか?」


「うーん、でも、口が悪い人が正直者だと知っている人にしか通用しませんよね。どうすべきか難しいです」


「まあ、時間がある時にでも考えましょう」


「ということで、今回は『口が悪い奴は正直者だぜ』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、読者様が知りたい情報のリクエストも待ってまーす!」


「次回の『バレない嘘』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Frankly, we do give a damn: The relationship between profanity and honesty

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