143_思い出せそうで思い出せないを防ぐ方法【言葉が出ない】 #言葉 #頭脳

「インドで生まれた宗教的哲人ジッドゥ・クリシュナムルティは『知恵は本の中に見出すことはできません。それは蓄積したり、記憶したり、貯めこむことができないものです。知恵は自己の放棄とともにやってきます。オープンな精神を持つことは学習より重要です』と考えていたようです。引きこもるな、ってことですね」


「やっほー、人生よくなってる読者様。使える知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『思い出せそうで思い出せないを防ぐ方法【言葉が出ない】』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は言葉が思い出せそうで、思い出せない経験はよくありますか?」


「喉まで出かかっているのに、出ない。思い出すのに30分も1時間もかかった、そんなもどかしい経験がありますか?」


「え? 『よくある。年かな?』ですか。そうですね。年を取ると言葉が出なくなる、と言いますよね」


「言葉が出なくなるのは一種の老化のサインかもしれません」


「2000年以降に生まれた若い世代は、100歳まで生きるのが当たり前の時代です。年を取って老化したら、言葉が出ない人生を長く送らなければならなくなります」


「それは、とっても嫌です」


「ですが、年を取っても言葉に苦労しない高齢者もいます。特につっかえることなく、スラスラ喋れる人がいます。ならば、このような人を真似したら言葉が思い出せそうで思い出せない、という現象は防げるのではないか?」


「ということで、イギリスのバーミンガム大学の研究者が、言葉をスラスラ思い出せる高齢者の特徴を調べてくれました」


「まず、平均年齢70歳の28人の高齢者と平均年齢23歳の若者を集めて、電動バイクを漕いでもらいました。心肺機能がどれくらいか調べました」


「その後に、有名な政治家や俳優などに関する質問を行って、言葉を正確に思い出せているかテストしました」


「テストの問題は、モハメド・アリの本名は何? ダイアナ妃の旧姓は何? エジプト王のための墓の名前は何? リスが食べる木の実は何? などです」


「ちなみにそれぞれの答えは、カシアス・マーセラス・クレイ・ジュニア、スペンサー、ピラミッド、どんぐり、です。読者様は答えられましたか?」


「つまり、研究者は普段から運動している人が、言葉を思い出す能力が高いのではないか、と考えたのです」


「まあ、運動で頭がよくなるのは科学の世界では常識です。それが、言葉を思い出す能力にも当てはまるのか調べたのです」


「読者様はどうお考えですか? やはり運動している高齢者は言葉を思い出す能力が高いと思いますか? それとも、運動と思い出す能力に関連はないと思いますか?」


「結果ですが、高齢者のほうが言葉が出ないという現象が多くなるのが確認されました。やはり、言葉が出てこないのは老化のサインと言えるでしょう」


「高齢者の中でも言葉をスラスラ思い出せる人はいました。それは、電動バイクの成績がよかった高齢者です」


「普段から有酸素運動をしていて、心肺機能が高い高齢者は言葉を思い出せていたのです!」


「運動をすることは記憶にも関係してたのです」


「具体的には、運動をしていると言葉を思い出せなくなる確率が28%減少していました」


「さらに、有酸素運動を増やすごとに言葉を思い出せない可能性が7.75%ずづ減っていくそうです」


「限界はあるのでしょうが、運動はすればするだけプラスの影響があるのです。読者様も言葉が思い出せなくなる前に運動をしましょう。思い出せなくなってから運動するのは遅いですよ」


「他にも興味深いデータが出てまして、ボキャブラリーが豊富なほうが言葉を思い出せない経験が減るそうです」


「運動するのなんて嫌だぁ、という読者様は読書などをして語彙を増やすしかありませんね。運動か勉強かの二つに一つです」


「ちなみに若者より高齢者のほうがボキャブラリーは多い傾向があるそうです。やはり、長く生きている分、ボキャブラリーが増えているのでしょう」


「言うまでもありませんが、二つともこなすのが言葉が思い出せない対策に一番効果的です。こうやって、平凡な人と優秀な人は差がついていくのでしょうね……」


「それとですね、教育レベルは言葉を思い出す能力に関係はありませんでした。いい大学を出ていようが、高卒だろうが言葉が思い出せるかには関係ありません」


「高卒でも諦めないでください。大卒だからと油断していると痛い目を見ますよ」


「研究者によると、言葉が思い出せないのは記憶力とは関連がないそうです。言葉そのものは記憶に残っているのですが、情報そのものにアクセスできないせいで、音にできないみたいです」


「まあ、頭の中がごちゃごちゃになっていて、探し物が見つからない、って感じです。物はあるけど、ごちゃごちゃしているから見つけられない、みたいな感じです」


「先行研究では脳の灰白質が萎縮しているため言葉が出なくなると結論を出しています。灰白質は情報処理をする機能があります。灰白質が萎縮すると、情報を探す能力もおちるので、言葉が出なくなると考えられます」


「まだまだ研究段階なので、詳しいことは専門の研究者が今後明らかにしてくれるでしょう」


「脳の解明を丸投げした所で、今回のまとめです」


「高齢者と若者を集めて、心肺機能を計ってから言葉が思い出せるかのテストを受けてもらったよ」


「高齢者ほど、やっぱり言葉が思い出せなくなる。でも、普段から運動をしていて心肺機能の高い高齢者は言葉が思い出せていたよ」


「運動は大事!」


「とはいえ、今回の研究ではどのくらいの運動をしたらいいかの目安はありません」


「よく言われているのは、毎日30分以上の有酸素運動がいい、とされています」


「読者様も老後に苦労しないためにも今から運動を始めてみてはいかがでしょうか?」


「運動が健康にいいのは常識です。輝かしい未来のためにも、今から準備を始めましょう」


「人生は長いです。ちょっとした積み重ねが大きな結果を生むのは当然です」


「最終的に人生の勝ち組にいけるかは、今の行動にかかっていると言っても過言ではありません」


「読者様の輝かしい未来に乾杯!」


「ということで、今回は『思い出せそうで思い出せないを防ぐ方法【言葉が出ない】』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価や応援コメント、読者様が知りたい情報のリクエストも待ってまーす!」


「次回の『思い出せそうで思い出せない時、ギャンブルをしたくなる』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Higher physical fitness levels are associated with less language decline in healthy ageing

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