142_何でもいいからルーティンを決めておけ!【パフォーマンスアップ】 #習慣 #生産性
「虚弱だったイギリスの詩人アレキサンダー・ポープは『自然が人間の母なら、習慣はその乳母で、知恵も勇気も才能も、それを悪くするばかりである』という言葉を『人間論』にて記しています」
「やっほー、賢明なる読者様。読むだけで人生よくなる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『何でもいいからルーティンを決めておけ!』のお話をしたいと思います」
「では、よろしくお願いします」
「読者様は本番前に一定の行動をしますか? いわゆるルーティンと呼ばれる行動を持っていますか?」
「え? 『名前は知ってるけど、わざわざしていない』ですか。それはそれはーー」
「とてももったいないです!」
「今からでもいいので、ルーティンをしたほうがいいですよ」
「というのもですね、ルーティンをすることでパフォーマンスが向上することが明らかになったのです!」
「それで、ここまでなら『そうなんだね。ルーティンに効果があって、よかったね』で、終わってしまいます」
「今回ご紹介する研究のすごい所は、ルーティンは何でもいい、という点です」
「とにかくルーティンをしているとパフォーマンスがアップしていたのです!」
「すごいです! 素晴らしいです! 超ありがたいです!」
「ということで、研究の内容を具体的にお話ししたいと思います」
「今回の研究はウィーン大学が行った、メタ分析となっております。メタ分析とは、たくさんの論文を集めて分析して、総合的に判断する手法です」
「研究者は1600本以上の論文から33本を厳選して、分析しました。どのようなスポーツのルーティンが対象になったかと言いますと、ゴルフ、バスケットボール、テニス、ボウリング、フットボール、サッカー、ビーチバレー、バレーボール、体操、空手などの15種類から分析されました」
「結果は先にも述べました通り、ルーティンをしている選手のパフォーマンスが向上していました。しかもルーティンの種類は問いません」
「え? 『ルーティンがいいのは分かったけど、そんなに種類があるの?』ですか。そこそこの数の種類のルーティンが存在することが、この研究で判明していますよ」
「まずは、身体的ルーティンです。これは本番前に特定の行動をすることです。たとえば、テニスやバスケットボールの選手が試合開始前にボールをバウンドさせたり、ドリブルすることです」
「スポーツ番組で多く目にする機会があるので、ルーティンといえば、これ! みたいに思っているかもしれませんね」
「次に紹介するルーティンは視覚化です。これは成功する姿をイメージするルーティンです」
「本番前に成功するイメージを頭の中で思い描くのはもちろん、成功した時の画像や動画を見返すことも含まれます」
「続いて、セルフトークです。これは自分に語りかける方法です。『私ならできる』や『次の試合ではミスはしない』と言い聞かせて鼓舞する方法です。それにやる気も上がります」
「読者様ならルーティンを作れます! 頑張って!」
「続いては、リラクゼーションです。これはとても簡単です。いわゆる深呼吸です。本番前に落ち着く動作をすることです」
「必ずしも深呼吸でなければならない理由はありません。リラックスできるなら瞑想でもいいでしょう」
「紹介するルーティンはまだ残ってますよ。続いては近年新たに注目されているルーティンです。その名を、ダイナミックハンドグリップです」
「本番前に左手を握ります。1秒間に2回のペースで30秒~45秒続けます」
「ボールをニギニギするのもいいそうです」
「研究者によると、左手を動かすことで脳の興奮が抑えられるそうです。そのためパフォーマンス改善に役立つとのこと」
「ちなみに私はこのルーティンを今回の研究で初めて知りました。簡単そうなので一度くらいはやってみたいです。……むしろ、今やるべきでは?」
「次が最後のルーティンでして、静かな目です。本番前に一点を見つめる方法です」
「ボールなどに視点を固定して、一定時間見続けるルーティンです」
「これも簡単です。大体のスポーツは道具を使います。道具を見つめるのでも効果があると思います」
「という具合にですねルーティンには、身体的ルーティン、視覚化、セルフトーク、リラクゼーション、ダイナミックハンドグリップ、静かな目、の6種類があるそうです」
「読者様もできそうなことから始めてください」
「それとですね、単独の要素のルーティンより複数の要素が入っているルーティンのほうがパフォーマンスに強い影響を与えるそうです」
「なので、ルーティンを組み合わせるのもありですよ」
「ルーティンには、注意力の向上、自己効力感の増加、不安を減らしたり、計画性を改善する効果があるので、パフォーマンスアップに繋がるそうです」
「本番前って緊張して、いろんなことが気になりますよね。それがルーティンによって、気にならなくなります」
「余計な情報をシャットアウトして、本番に挑めます」
「うーん、素晴らしい!」
「それに、ルーティンが与えるパフォーマンスの向上は、プレッシャーが強くても弱くても変わりませんでした」
「ストレスで胃が苦しくなるような場合でも、適度な緊張具合の時でも、等しく効果が期待できました。ありがたい」
「さらに言うなら、性別や年齢、スキルレベルも関係ありませんでした。どんな人にも等しくルーティンの効果が期待できます。またしても、ありがたい」
「ルーティンは万人に効く、パフォーマンスアップ技術というのを説明した所で、今回のまとめです」
「スポーツの本番前に行うルーティンをメタ分析したら、どんなルーティンでもパフォーマンスを上げてくれることが判明しました」
「ルーティンには、身体的ルーティン、視覚化、セルフトーク、リラクゼーション、ダイナミックハンドグリップ、静かな目とたくさんの種類があります」
「読者様も試せるものは試してください。決して損はしないでしょう」
「とはいえ、どのスポーツにどのルーティンが最も効果的は不明です。ルーティンが一緒くたに研究されているので、組み合わせについては未知数です」
「また、本番前と本番中も考慮しないといけません。試合開始前なら時間が取れますが、バスケットボールのフリースローやサッカーのPKでは長い時間は取れません」
「タイムオーバーにならないルーティンをかる考える必要もありそうです」
「できることから、やっていくしかありませんね」
「今回の研究はスポーツのルーティンを対象にしていますが、スポーツ以外のシーンでも有効でしょう」
「ルーティンには注意力の向上や自己効力感の増加が期待できます。プレゼンの前や試験の前に行っても、効果は期待できるでしょう」
「つまり、ルーティンは万能…………かも?」
「ということで、今回は『何でもいいからルーティンを決めておけ!』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」
「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」
「次回の『思い出せそうで思い出せないを防ぐ方法【言葉が出ない】』で、お会いしましょう」
「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」
参考文献
The effectiveness of pre-performance routines in sports: a meta-analysis
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