140_頭の良し悪しを決める腸内細菌が見つかった……かもしれない件 #頭脳 #肉体
「ピーター・ドラッカーは仕事を成功させる要素について語っています。『知識は本のうちに求めることはできない。本には情報がのっているにすぎない。知識は情報を特定の仕事の達成に応用する能力だ。それは人間の頭脳や手技からのみ発現する』」
「やっほー、賢明なる読者様。読むだけで人生よくなる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『頭の良し悪しを決める腸内細菌が見つかった……かもしれない件』のお話をしたいと思います」
「では、よろしくお願いします」
「読者様は頭の良し悪しは何が決めていると思いますか?」
「え? 『勉強するかどうか』ですか。そうですね、その通りだと思います」
「ですが、昔から腸と脳は繋がっている、と言われています。いわゆる腸脳相関です」
「何が言いたいのかと言いますと、『賢さだって腸が関係しているんじゃね』ということです」
「そんなわけでノースカロライナ大学のチャペルヒル校の研究者が、腸内細菌と頭の良し悪しについて研究してくれました」
「研究者はCARDIAという、アメリカの4つの大都市圏の住人のデータを分析しました。3000人以上を30年以上にわたって調査しているデータセットです」
「被験者に6つの認知テストを行ってもらい、賢さを調べました。表れる記号に対応した数字を選ぶテスト、記憶力を試すテスト、文字を上手に使う能力、などを調べました」
「さらにですね、便を調べて腸内細菌をチェックする徹底ぶりです」
「最終的に597人のデータを分析して、結論を出しました。教育レベルや運動量、食事の質、喫煙状況、病気などの様々な要因を調整した上の結論です」
「最終的なデータの被験者は、平均年齢は55.2歳、男性は268人で全体の44.7%です。黒人が45.2%、白人が44.8%でした」
「さて、読者様は本当に腸内細菌によって賢さが上下すると思いますか?」
「もし、賢さを決める腸内細菌があるとするなら、読者様はその腸内細菌を育てたいと思いますか?」
「腸内細菌で賢さをアップできるなら、これほど簡単なことはありません。是非、いい結果が出てほしいものです。……まあ、私は結論を知っているのですが」
「それでは、結果発表です。腸内細菌と賢さの間には、関連が…………ありま…………したっ!」
「そうなんです。賢い人特有の腸内細菌が発見されたのです!」
「しかも、人種や性別は関係ありませんでした。読者様が今からでも腸内細菌を育てたら、頭がよくなる可能性があるのです」
「いやー、いい結果でよかったです。読者様が頭が悪いと思っているなら、それは腸内細菌が悪さをしているからかもしれません」
「それでは具体的に、どのような腸内細菌が関係していたのかお話しします」
「バルネシエラ、ラクノスピラ、アッケルマンシアの3つでは正の相関が見られました」
「サテレラでは逆に負の相関が見られました」
「正の相関があるということは、3つの腸内細菌が多いと頭がよくなるということです」
「負の相関があるということは、逆なのでサテレラが多いと頭の働きが鈍くなります」
「それで、正の相関がある3つの腸内細菌についてですが、どれもが短鎖脂肪酸を作る物質である、ということです」
「なので、酪酸を含む食品やサプリなどが有効です。他にもイヌリンもいい感じです」
「ヨーグルトなどには、これらの物質が入っていると謳っているものが多くあります。まずは身近なヨーグルトから摂取してもいいでしょう」
「もちろん、最初からサプリに手を出してもいいです。そこら辺は読者様の好みに任せます」
「ああ、そうそう負の相関を示したサテレラですが、認知症のリスクと関係がありました」
「サテレラが多い人には内向的で社交性が低い傾向があるそうです。人の幸福は人間関係が大きなウエイトを占めます」
「内向的で社会との繋がりが減ることで幸せを感じなくなり、不安や不幸から認知症を発症するというのは十分考えられます」
「内向的で社会性がない読者様は、もしかしたらサテレラが多いかもしれません」
「読者様の不安を煽った所で、今回のまとめです」
「アメリカに住む成人に認知テストを行ってもらい、便に含まれる腸内細菌を調べたよ」
「そして、賢さに影響を与える腸内細菌を発見したよ」
「バルネシエラ、ラクノスピラ、アッケルマンシアでは正の相関を示して、サテレラでは負の相関を示したよ」
「短鎖脂肪酸を生み出してくれるのが大事みたいだよ」
「いやー、本当に面白い結果でした。これからの人類は機械に支配されるのではなく、腸内細菌に支配されるかもしれませんね」
「これからのSF作品は機械ではなく、腸内細菌が活躍する…………」
「うーん、あんまり面白くなさそうです。ちょっと期待外れ感があります」
「まあ、私の妄想は横に置いておいて、話を戻します」
「腸内細菌で賢さが決まるかも、と言いましたが、今回の実験では比較するにはサンプルサイズが小さかったです」
「それに、便のサンプルを取ったのも一回だけです。研究途中で健康状態に変化していた場合もあります」
「何より、健康状態は自己申告です。実は病気だった可能性なども考慮しなくてはなりません」
「なので、バルネシエラ、ラクノスピラ、アッケルマンシアの腸内細菌については気休め程度に考えてください」
「腸内細菌で大事なのはバリエーションです。特定の腸内細菌が多いより、色々な種類の腸内細菌がいることのほうが大事です」
「あまり、特定の食品ばかりを食べ過ぎて、腸内細菌が偏らないようにしてください。バリエーション豊かな食事を心がけてください」
「最終的には読者様の頭で考えて実行してくださいね」
「ということで、今回は『頭の良し悪しを決める腸内細菌が見つかった……かもしれない件』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」
「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」
「次回の『トイレットペーパーを買いだめする人の性格が判明』で、お会いしましょう」
「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」
参考文献
The Smell of Healthy Choices: Cross-Modal Sensory Compensation Effects of Ambient Scent on Food Purchases
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