113_暑さ対策は、色を変えること【猛暑を吹っ飛ばせ】 #環境 #社会

「ジッドゥ・クリシュナムルティはこんなことを言っています。『意見というものはどれほどよいもので、筋道立っていても、それは真実ではない。意見は常にその当人の属している文化や受けた教育、知識によって偏り、色づけられている』とね」


「やっほー、読者様のプラスになる知識を提供するかもしれなくもない世界一の美女サクラです! 今回は『暑さ対策は、色を変えること』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は暑さに悩まされていませんか?」


「近年は地球温暖化の影響で暑くなる一方です」


「今後、平均気温はこれから1.5℃~2℃増えるとされています。ますます暑くなっていくのは避けられません」


「ですが読者様に朗報です。色を変えると気温が低下することが判明したのです」


「ありがたや、ありがたや。これで暑い夏も乗り切れます」


「今回の研究はマサチューセッツ工科大学のものです」


「そもそもですね、都市部が暑いのはヒートアイランド現象が起こるからです」


「ヒートアイランド現象とは、都市部の産業活動や社会活動に伴って排出される熱によって高温になる現象です」


「このヒートアイランド現象の大部分は、舗装された道路から放出される熱が関係しています」


「舗装された道路は日光を吸収して、どんどん熱を放出します。その結果、都市部が暑くなるのです」


「しかも、都市部の大地の40%がアスファルトで塗装されているというのですから、暑いのも仕方ないのです。堪ったものじゃありません」


「ですが、研究者は道路の色によって保存される熱に影響を与えることを突き止めました」


「単純な話、道路の色によって暑さが変わるのです!」


「色とは、道路の色だったのです」


「通常のアスファルトの道路では光の反射は5%~10%しか起こりません。90%も光を吸収しちゃうのです。まあ、黒に近い色ですから、納得です」


「読者様も、夏の日にアスファルトに触れて暑い思いをした経験があるでしょう」


「そのアスファルトを明るい色にコーティングすると、光を反射する量が3倍以上になるのです」


「おお! 素晴らしい」


「仮に、すべての道路を明るい色に変更すると、1.4℃~2.1℃も最高気温が低下するとのこと」


「明るい色に塗るだけで気温が下がるなら、今すぐやりたいですね」


「しかも熱波も41%軽減されます。風がちゃんと涼しく感じられます。もわっとした空気を浴びなくていいのです」


「え? 『アスファルトを塗るのは現実的ではない』ですか。その通りですね」


「道路を管轄しているのは国や自治体です。個人がどうこうするのは難しいです。仕方ありません、道路の色塗りは諦めましょう」


「道路の代わりに、できる範囲で塗装を施しましょう」


「そう! 自宅です!」


「自宅の庭の色を明るくしましょう。それなら文句を言われる筋合いはありません」


「庭だけでなく、家の外壁を明るくするのもありです。ノーベル物理学賞を受賞したスティーブン・チュー氏は『屋根を白くするべき』と主張しています」


「実行すれば、なんと、びっくり! 読者様の家だけ涼しいではありませんか」


「これで読者様は夏も快適に過ごせますね。…………と、言えたらよかったのですが、そうは問屋が卸しません。現実は厳しいのです」


「やれやれです」


「明るい塗装をすると、光が多く反射します。近隣の住宅やビルを余計に暖めてしまう可能性があります。高い建物がなければ、そのままお空に帰ってくれるのですが……」


「町全体、国全体で塗装を施さないと意味がありません。一部分だけ温度を下げても、周囲が暑ければ焼け石に水です。光がどこにも吸収されずに、空に帰る環境が必要なんです」


「ままなりません。がっくし」


「追い討ちをかけるようで申し訳ないのですが、明るい塗装をした場合、塗装された地面は約6℃ほど温度が低下しますが、高さ1mの位置では反射した光で暖められ、気温が上がってしまいます」


「厳密な計算をした上でないと、気温を下げる効果は得られないのです。残念!」


「逆に言えば、一丸となって取り組めば気温を下げることができるのです」


「地球温暖化なんだと言ってますが、二酸化炭素を減らす以外にも対抗はできるのです」


「それに、気温が下がればクーラーの使用率が減ります。二酸化炭素の排出量は減ります。それに節電にも繋がります」


「地球温暖化を救う一手は道路を明るい色に塗装するのがベストだったのです」


「え? 『道路を塗装したらコストがかかる』ですか。いいえ、そんなことはありません」


「研究者はですね、『塗装の原料に粉砕したコンクリートを使えば、コストは抑えられる』とコメントしています。他にも砂利や砕石も利用可能です」


「実は明るい塗装は優秀な選択肢なのです」


「是非、読者様も頭の片隅に留めておいてください」


「ちなみに、ロサンゼルスなどのいくつかの都市では既に道路を白くする試みが行われています。平均気温を3℃下げるのが目的です」


「どんどん取り組みが進んで、世界の平均気温が下がるといいですね」


「まあ、私は都市部に住んでいませんので関係ありません。自然の近くで快適に過ごしています。悠々自適にして晴耕雨読な人生です」


「読者様との格の違いを見せつけた所で、今回のまとめです。アスファルトの色を今の黒色から明るい色に変更すると、気温が1.4℃~2.1℃も減るそうだ」


「ただ、場所を考えないと余計に暑くなるかもしれないので、気を付けてね」


「とはいえ、自宅に明るい色を施すと他の家より、光を反射するのは間違いありません。他の家より気温が下がる可能性は十分に考えられます」


「焼け石に水かもしれませんが、好奇心旺盛な読者様は試してみてはいかがでしょうか? ……効果の保証はできませんが」


「ということで、今回は『暑さ対策は、色を変えること』のお話でした。読者様の参考になれば、私はとても嬉しいです」


「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。高評価や応援コメントはどしどしお願いします。待ってるーん」


「それでは、次回の『プレゼントはラッピング次第でより喜ばれる』で、またお会いしましょう。べ、別に待ってるわけはないんだからね」



参考文献

Mitigating Climate Change with Reflective Pavements

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