101_暴力的なゲームをプレイすると本当に暴力的になるのか? #ゲーム #性格

「かの喜劇王の言葉、『必要なのは知識でなく思いやりである。思いやりがなければ残るのは暴力だけである。心に愛を知らぬものだけが憎しみ合うのだ。人生はもっと美しく、もっと素晴らしいはずだ』と。チャールズ・チャップリンより」


「やっほー、人生負け組の読者様。読まないと人生損する知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『暴力的なゲームをプレイすると本当に暴力的になるのか?』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様はゲームをしますか?」


「ゲームの中でも特に暴力的なゲームはしませんか?」


「襲ってくる敵を武器で攻撃したり、ゾンビを排除したりするのが暴力的なゲームです」


「私も何度かプレイしたことがあります。スカッとして気持ちいいですよね」


「でも、読者様はこんな話を聞いたことがありませんか? 『暴力的なゲームをすると、プレイヤーも暴力的になる』というものです」


「ゲームに影響されて、現実でも歩暴力を振るうようになる、という主張です。危険だから規制や禁止を呼び掛ける声を聞いたことがある読者様もいらっしゃるでしょう」


「え? 『親がそうだった』ですか。大変ですね。ゲームも自由に選べないなんて、人生損してます」


「実際に暴力的なゲームと攻撃性の関連があるなら、怖いです。か弱い私は、おちおちゲーマーの近くを歩けなくなります」


「え? 『誰がか弱いって』ですか。そこっ、うるさいですよ! まったく失礼な読者様です。ぷんぷん」


「失礼な読者様は横に置いて、本当に影響が出るのかダートマス大学の研究者がメタ分析を行ってくれました」


「研究者は、過去に行われた暴力的なゲームと実際の攻撃性に関する研究を24件ピックアップしました。述べ17000人を越える被験者を調査しました。対象の国には日本も含まれています。他に、オーストリア、カナダ、ドイル、マレーシア、オランダ、シンガポール、アメリカです」


「しかも、被験者の平均年齢は8.9歳から19.3歳と、比較的若い人を対象にしています。特に外部からの影響を受けやすい時期の子供を対象にしています」


「さらに、この分析では、攻撃性の定義を実際に攻撃したものに限っています」


「つまり、殴る、蹴るなどの実際に手や足が出るような関連性を調べたのです。相手を傷つけるなんて、怖いですね」


「なので、相手の悪口を言った、生活態度が悪くなったなどの要素は排除しています。本当に暴力的になるのかを調べました」


「読者様はどう思いますか? 本当に暴力的なゲームをプレイすると攻撃性が増すと思いますか?」


「人は生きている限りすべての影響を受ける派ですか? それとも、ゲームはゲーム、現実は現実ですか?」


「もったいぶっても仕方ありません、結論を述べますね」


「メタ分析の結果、暴力的なゲームをプレイすると確かに攻撃性が増す!」


「なんと、びっくり! 関連が認められたのです! 恐ろしい結果となりました」


「ですが、話はここでは終わりません。研究者は効果量も出しています」


「効果量というのは、一言で述べるなら関連性です。つまり、暴力的なゲームと攻撃性の関連度を数値で表してくれたのです」


「その効果量はなんと、0.08でした!」


「多いの? 少ないの? とい疑問をお持ちの読者様に解説しますと、効果量は0~1の間で表されます」


「効果量が0.5を越えると関連がある、と判断されます。0.8を越えるようなら、かなりの関連がある、ことになります」


「では効果量0.08とは、どのくらいかと言いますとーー誤差です」


「はっきり言って、無視していいレベルです!」


「確かに関連性はあるが、暴力的なゲームが悪、と言うのは強引な結果です」


「私の感想は、気にしなくていい、です」


「もちろん、読者様は私の意見を受け入れる必要はありません。危険だとお考えなら、ゲームをプレイしなくていいです」


「この分析では、年齢や人種によって違いが出るのかも調べています」


「まず年齢ですが、12歳以下より、13歳以上の方が若干効果量が高かったみたいです。まあ、誤差の範疇を越えることはありませんでした」


「人種による違いですが、アジア人、白人、ヒスパニックで分析しました」


「結果、中でも影響が大きかったのは白人でした。アジア人は中程度の影響で、ヒスパニックは一番小さかったようです」


「とはいえ、この結果も気にするほどの差ではありません」


「年齢や人種による違いで暴力的なゲームから受ける影響に違いはありません」


「ただ、暴力的なゲームのプレイ時間が増えると、影響は増えるようです」


「節度を守ってプレイする分には問題ありません。度を越してプレイしなければいいのです」


「廃人、と呼ばれるレベルだとちょっとヤバそうです。そもそも普通の人は廃人になれません」


「普通じゃないから、廃人になれるのです。利口な読者様は気にしなくていいと思います」


「ゲームは遊びです。楽しく遊ぶためのものです」


「真剣にプレイするのは構いませんが、のめり込まないように注意してください」


「ゲームは何より、みんなで仲良くプレイするのが一番です」


「それでは今回のまとめです。暴力的なゲームをプレイすると攻撃性が増すか、メタ分析したぞ」


「すると、確かに関連性があることが認められたぞ。だが、効果量が0.08ととんでもなく小さいぞ」


「誤差なので、無視して構わないぞ」


「暴力的なゲームを危険と取るか、関係ないと取るか、読者様はどっちなんでしょうか?」


「私はどちらでも構いません、読者様ご自身が考えて出した結論なら」


「ですが、長時間プレイはやめましょう。適度な時間で切り上げてください。同じ姿勢で居続けるのは体に悪いですから」


「長時間プレイをして家族に諌められたら素直にゲームをやめましょう。ここで『だが断る』なんて返しはしないでくださいね」


「ゲームは楽しむためのもの、ということを忘れないでください」


「読者様がゲームで人生を豊かにしてくれることを願っています」


「ということで、今回は『暴力的なゲームをプレイすると本当に暴力的になるのか?』のお話でした。読者様の参考になれば、私はとても嬉しいです」


「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。高評価や応援コメントはどんどんお願いします。質問やリクエストも待ってまーす」


「それでは、次回の『度胸がつくドリンク・臆病になるドリンク』で、またお会いしましょう。バイバーイ」



参考文献

Metaanalysis of the relationship between violent video game play and physical aggression over time

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