102_度胸がつくドリンク・臆病になるドリンク【リスクコントロール】 #性格 #行動

「アンドレ・ジッドはこんなことを言っていました、『あえて馬鹿に見せるということは大きな知恵である。だが、そのためには私にはいつも欠けていた、ある種の勇気を必要とする』とね」


「やっほー、賢明なる読者様。読むだけで人生よくなる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『度胸がつくドリンク・臆病になるドリンク』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様はリスクとリターンが天秤に乗っかっている時、危険を恐れず大胆に行動できますか? それとも、危険を恐れて尻込みしてしまいますか?」


「難しいですよね。どちらのパターンでも成功もしますし、失敗もします」


「読者様も大胆に踏み込みすぎて失敗した経験や、慎重になりすぎて獲物を逃した経験があると思います」


「『どうして慎重に行動しなかったんだ』『もっと踏み込むべきだった』と後悔した経験もあるでしょう」


「そんなリスクをコントロールする方法があるとするなら、知りたくないですか?」


「しかも、お手軽にできるのです」


「ある飲み物でリスクに慎重になり、ある飲み物でリスクに大胆になれるのです」


「どうですか、知りたくないですか?」


「今回のお話はイギリスのサセックス大学の研究です」


「研究者はイギリスとベトナムで被験者をそれぞれで集めました。合計で169人です」


「どんな実験を行ったのかと言いますと、苦い、酸っぱい、塩辛い、甘い、旨味のあるドリンクの中から一つ飲んでもらい。その上でゲームをしてもらいました。量は20mlと多くはありません」


「ゲームの内容はシンプルです。コンピューターの画面に風船が表示され、マウスでクリックするだけです」


「クリックすると風船が膨らむか、風船が破裂するか、どちらかがランダムで発生します」


「ゲームの参加者は、クリックするたびにお金がもらえます。ただし、風船を破裂されると、そこまでに貯まっていたお金は没収されます」


「風船が破裂する前にゲームをやめれば、参加者は貯まったお金がもらえる仕組みです」


「要は、味の違うドリンクを飲んで、リスクに対して人の行動が変化するのか調べたのです」


「面白いですよね。どうですか? 飲み物によって人の行動が変わると思いますか?」


「え? 『人の考えなんて、飲み物くらいで変わらない』ですか。確かにそうかもしれません」


「ですが、甘いです。砂糖水くらい甘いです。この研究の結果、ドリンクの違いでリスクの取り方が大いに変化していたのです!」


「実験の結果、酸っぱいドリンクは危険だったのです」


「酸っぱいドリンクを飲んだ被験者は、甘いものより39%、苦いものより20%、塩辛いものより16%、旨味のものより40%も多くクリックの回数が増えたのです」


「リスクを恐れず、どんどんクリックしたのです。勇気に満ち溢れた行動をしていたのです」


「風船を破裂させた回数は多いですが、お金を一番獲得していました」


「逆に甘いものと旨味のドリンクを飲んだ被験者はリスクを取らなくなりました。クリックする回数が減って、風船を破裂させる回数も減っていました」


「ただし、リスクを取らなかったので、もらえるお金は少なかったです」


「苦いものと塩辛いドリンクを飲んだ被験者に行動の変化はなかったそうです」


「いやー、ドリンク一杯でこうも人間の行動が変化するとは驚きです」


「甘いものと酸っぱいドリンクで40%も違いがあるのです。驚き以外の言葉はありません」


「読者様も大胆になりたい時、勇気が欲しい時は酸っぱいドリンクを飲んでみてはどうでしょうか?」


「実験ではクエン酸を使用していました。クエン酸入りのドリンクを鞄に仕込んでおきましょう」


「いつも、リスクを省みずに走って突っ走る読者様は甘いドリンクを飲みましょう。慎重になって、リスクを軽減することができます」


「これって別に、自分に使う必要はありませんよね」


「商談相手にも使えますし、同僚にも使えます」


「同僚に差し入れと称して、酸っぱいドリンクか甘いドリンクを渡してください。普段とは違った行動を取ってくれるかもしれません」


「突っ走るリーダーには甘いドリンクを差し入れて、引っ込み思案な部下には酸っぱいドリンクを差し入れしましょう」


「商談相手にドリンクを渡すのは難しいです。自販機で当たりが出た、などと言って、それとなく飲んでもらうように仕向けましょう」


「相手の背中を少し押して、商談を成功させてください。目指せ、成約!」


「そうそう、今回の実験ではクリックするまでの時間も計測しています」


「結果ですね、甘いドリンクを飲んだ被験者が一番クリックする間隔が長かったです」


「甘いドリンクは人を慎重にさせます。そのため、考える時間が長くなったと考えられます」


「次にクリックの感覚が長かったのは、酸っぱいドリンクを飲んだ被験者でした。酸っぱいドリンクには人を大胆にさせる効果があるようですが、考える時間も長くなるみたいです」


「酸っぱいドリンクを飲ませても、すぐに結論を急がせない方がいいかもしれません」


「じっくり考えた結果、大胆な行動に出るようです」


「読者様も焦ってしくじらないようにしてください」


「それでは、今回のまとめです。被験者を集めて五つのドリンクを飲んでもらい、その後のリスクの取り方を調べたよ」


「五つのドリンクとは、苦い、酸っぱい、塩辛い、甘い、旨味だよ」


「すると、酸っぱいドリンクを飲んだら、人は大胆になったよ」


「逆に、甘いドリンクか旨味のドリンクを飲んだら、人は慎重になったよ」


「ドリンクの味で人の行動が変化することがわかったよ」


「読者様も大胆になりたい時、慎重になりたい時は是非、有効活用してね」


「それに、不安症やうつ病、ストレス由来の精神障害にはレモンが有効とする研究があります」


「不安を感じやすい読者様も、レモンを鞄に忍ばせたらどうでしょうか?」


「ただ、鞄に入れすぎて、レモンの香りを撒き散らさないでね」


「読者様の鞄が、レモンの入れもん、になるのは私も望んでいません。20mlと少量で効果を発揮します。くれぐれも、過剰な摂取はお止めください」


「世界一の美女である私との約束ですよ」


「ということで、今回は『度胸がつくドリンク・臆病になるドリンク』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」


「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」


「次回の『砂糖ばっかり食べていると甘味をどんどん感じにくくなっていくぞ』で、お会いしましょう」


「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」



参考文献

Sour Promotes Risk-Taking: An Investigation into the Effect of Taste on Risk-Taking Behaviour in Humans

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