076_財布に○○をすると、落としても返ってくる確率が上がる #お金 #社会

「ベンジャミン・フランクリンは言ったそうな、『もし財布の中身を頭につぎこんだら、誰も盗むことはできない。知識への投資がいつの世でも最高の利子を生む』と」


「やっほー、賢明なる読者様。読むと人生が変わる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『財布に○○をすると、落としても返ってくる確率が上がる』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様はどのようなお財布を使っていますか?」


「近年ではキャッシュレス化が進んで財布を持たない人も多いかもしれません」


「もしくは、お札を挟めるマネークリップを使用している読者様もいるかもしれませんね」


「需要が減っているお財布ですが、落としたことはありますか?」


「え? 『何度もある』ですか。それは大変です。落とした財布は無事に戻ってきましたか?」


「え? 『戻ってきたためしがない』ですか。それは、ご愁傷さまです」


「戻ってこなかった理由は、お金が少なかったから、かもしれません」


「というのもですね、アムステルダム大学らの研究で、どのような財布が持ち主に戻ってくる判明したのです」


「面白いですよね。落とした財布によって、戻ってくる確率が違ったのです。今回のお話を押さえておけば、今後財布を落としても怖いものなしです」


「是非、有効活用してください」


「それでは本題です。アムステルダム大学の経済学者は、世界40ヶ国の355都市に17303個の財布をわざと放置して、持ち主に戻ってくるか実験しました」


「実験で使われた財布は透明なプラスチック製のものでした。これは中身を開けずに確認してもらうための処置です」


「で、肝心の中身ですが、お金が入っていない財布と、13.45ドル入っている財布でした。お金以外には、鍵、食品の買い物メモ、名刺が入っていました」


「実験を行った場所は、銀行やホテルでした。一般道で行われるケースはなかったみたいです」


「読者様はどう思いますか? お金が入っていない財布とお金が入った財布、どちらが持ち主の元により戻ってきたと思いますか?」


「お金が入っているとネコババされると思いますか? それとも親切な人が多くて、お金の多寡に関わらず財布は持ち主に戻ってきたでしょうか?」


「是非、読者様のお考えをお聞かせください」


「この研究でも、実験の趣旨を説明して、財布が戻ってくるかを一般人に予想してもらいました。その結果、お金が入っている財布の方が、ネコババする人が増える、という予想が多かったようです」


「予測を経済学者にしてもらっても、同じ予測をしていました。性善説は不利なようです」


「それで実際の結果はですね、40ヶ国の内、38ヶ国ではお金が入っている財布の方が持ち主に戻ってきていたのです」


「素晴らしい結果です。世界には親切な人が多いのですね。事前予想を大きく覆しました!」


「40ヶ国の内、38ヶ国ですので、世界共通のパターンと言っても過言ではないでしょう」


「お金の入っていない財布が持ち主の元に戻ってくる確率は、平均して40%でした」


「お金が入っている財布が持ち主に戻ってくる確率は、平均して51%まで上がりました」


「つまり、財布を落としても、お金が入っていた方が戻ってくる確率が高いのです」


「お金が入っていなければ、財布を拾っても持ち主がそこまで困っているとは思えないのかもしれません。


「対して、お金が入っていたら、持ち主が困っていると想像できます。助けてあげたい気持ちが湧いたのでしょう」


「読者様も財布を持ち歩く際は現金を少しでもいいので、入れておきましょう。万が一の時の保険になります」


「もちろん、財布をなくさないのが一番ですが……」


「国別に財布が戻ってくる割合は、一番高いのがスイスで76%です。逆に一番低いのは中国で、14%でした」


「いやはや、この差の開きはいかんともしがたいです。国によって、ここまで差があるとは驚きでしかありません」


「スイスの場合、4人に3人は財布が戻ってくるのに、中国では6人に1人しか財布は戻ってきません」


「読者様も中国で財布を落とした場合は、覚悟を決めましょう。幸運の女神は微笑んでくれません」


「他にも面白いのは、インドやイギリス、ニュージーランドではお金の入っていない財布とお金の入っている財布では、20%近くも戻ってくる確率が違っていました」


「ケニア、ガーナ、イスラエル、アルジェリア、セルビア、ポーランド等の国ではお金が入っていても戻ってくる確率は大きくありませんでした」


「特にチリではほとんど差は見受けられませんでした」


「こうして見ると、各国の国民性が見えてきますね」


「私は先程、『40ヶ国の内、38ヶ国ではお金が入っている財布の方が持ち主に戻ってきていたのです』と述べました。ほとんどの国ではお金が入っていた方が戻ってきやすいですが、例外がありました」


「その例外とは、ペルーとメキシコでした」


「お国柄なのか、実験した場所が悪かったのか不明ですが、お金が入っていても不利になるケースがあるのは覚えておいてください」


「研究者はですね、お金が入っている方が財布が戻ってくる確率は高くなる。ならば、もっと金額を増やしたらどうなるだろうか? と考えました」


「検証するためにですね、3ヶ国で財布の中身を94.14ドルに増やして実験しました」


「日本円にして約一万円です。読者様なら、財布を拾ったら"拾得者の権利"を期待して届けますか? それともネコババしますか?」


「結果はですね、持ち主に戻ってくる確率が72%まで跳ね上がりました」


「驚きです。金額が増えると、戻ってくる確率も高くなるのです」


「読者様も財布の中身はケチケチせずに、大金を忍ばせましょう。万が一落としても、戻ってきますよ」


「謝礼が目当ての可能性も捨てきれませんが……。戻ってくるだけありがたい、と思いましょう」


「それでは今回のまとめです。世界40ヶ国で財布を落としてみたら、お金が入っている方が財布が戻ってくる確率が高かったぞ」


「金額が多い方がより戻ってくる確率が高くなるそうだ」


「最近は財布がなくても、スマホで完結できます。そもそも持ち歩かなければ落とすことはありません」


「え? 『日本の結果はどうなんだ?』ですか。確かにそうですね。日本は比較的財布が戻ってくる、と言われてますよね」


「読者様も気になるのですね。では、日本の結果はどうだったのかと言いますとーー」


「今回の実験では日本は含まれていませんでした。てへっ」


「つまり、わかりません!」


「ということで、今回は『財布に○○をすると、落としても返ってくる確率が上がる』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」


「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」


「次回の『飼い犬の問題行動の原因は飼い主のストレス』で、お会いしましょう」


「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」



参考文献

Financial temptation increases civic honesty

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