057_芸術はストレス解消だ!【紙とペンで始める】 #ストレス #芸術

「やっほー、賢明なる読者様。読むと人生が変わる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『芸術はストレス解消だ!』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様はストレスの多い人生を送っていますか?」


「え? 『毎日ストレスばっかり』ですか。それは大変ですね。対策が必要です」


「現代には様々なストレスがありますよね。たとえば、人間関係です。嫌な上司や仕事のできる後輩、人間関係の悩みは尽きません」


「他にも、大事な取引先との会議やプレゼンで、神経をすり減らしたりしていることでしょう」


「新しいことに挑戦するのもストレスがかかります」


「生きていくだけでストレスは溜まってしまいます。そこで読者様に質問です、どんなストレス解消法を試していますか?」


「日々のストレスを溜める一方では、いつか爆発しまう。恐らく、何らかの対策を講じていることでしょう」


「ショッピングですか? やけ食いですか? カラオケですか? それとも寝ることですか?」


「世間には様々なストレス対策がはびこっています。そんな中で今回お話したいのは、アートを作るとストレスが激減する、ということです」


「知っていましたか? アートを製作すると、なんとストレスが激減するのです。面白い発見でしょう」


「それではお話しします」


「今回の研究はドレクセル大学が行ったものです。被験者の数は男女合わせて39人。女性が33人と圧倒的に女性が多いです」


「年齢は18歳~59歳です。大学の学生や教職員が含まれていました」


「被験者にアートの経験を確認しています。被験者の18人はほとんど芸術の経験がない素人でした」


「13人が中レベル、そこそこの経験者でした。残りの8人は芸術の経験が豊富でした」


「要は、芸術の素人から経験の豊富な人まで集めたのです」


「これで、素人と経験者で違いが出るのか調べることができます」


「特に素人を調べるのは大事です。素人で効果を証明できれば、読者様も明日から、いえ、今から使えます。ありがたい研究です」


「さて、被験者ですが、まずストレスレベルを調べられました。唾液を採取してストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの値を調べました」


「ストレスレベルを調べる際に唾液を採取するのは一般的です。知ってましたか?」


「ストレスレベルを調べた後はアートの製作に励んでもらいました。用意されていたのはコラージュ素材、粘土、マーカーを渡して自由に作成してもらいました」


「時間は45分です」


「アート制作が終わったら、もう一度唾液を採取して、ストレスレベルを調べて実験は終了です」


「実験は至ってシンプルな内容です」


「ここで、被験者の作品の一例を紹介したいと思います」


「被験者の一人の男性は『アイデアの種の進化』というタイトルの作品を制作しました」


「女性の被験者は、通勤の際に毎日目にする市庁舎を粘土で作りました」


「他にも、ホームレスについて考える作品を制作した被験者もいました」


「いやー、面白い作品ばかりで、私の創造性が刺激されました」


「さて、研究者はですね、集まったデータを分析しました」


「まず、判明したのが主観的なストレスレベルの低下は感じなかった、ということです」


「研究者は被験者に実験前と実験後でストレスが減っているかアンケートを取っていました。その結果、ストレスが減ったと答えた人がいた一方で、特に変化はなかったと答えた人がいました」


「気持ちの上ではストレス対策になっているかどうか、微妙な結果でした」


「この結果は残念です。アートで気分爽快、リフレッシュ! は無理のようです」


「ですが、安心してください。ここからすごいデータが出ますよ。……自分でハードルを上げてしまった。不覚」


「ごほん。研究者は唾液に含まれるコルチゾールをアートを制作する前と後で比較したのです。その結果、」


「アート制作後は有意にストレスレベルが下がっていたのです!」


「被験者の75%はストレスが軽減していました。コルチゾールの値が減っていたのです」


「残念ですが、25%の人はストレスレベルが変わらなかった、もしくは少し上昇していました」


「万人に効く最高の方法ではないのです。こればかりは仕方ありません。必ず例外は出ます」


「さらに研究者はアートの経験で結果に違いが出ていないか調べました。結果、関係ありませんでした」


「素人でも玄人でもストレスレベルは下がります」


「さらにさらに、研究者はアートに使用した道具での違いも調べました。結果、関係ありませんでした」


「道具は関係ないのです。何かしら、芸術作品を作れば、道具は問わないのです」


「読者様も紙とペンを用意して、絵を描いてみてはいかがですか? ストレス解消になりますよ」


「研究者は人種、性別、年齢でも比較しました。結果、人種と性別は、関係ありませんでした」


「年齢だけは少し結果が違いました。若い被験者ほど、ストレスレベルの低下が大きかったようです」


「ただ、関係は非常に弱かったそうです。あまり、気にする必要はないです」


「他にも時間でも確認しました。一般的に人は朝にコルチゾールのレベルが最も高くなります。時間の経過とともに減少していくのが基本です」


「実験の最中に時間が経過して、ストレスレベルが減少したのではないか、と疑ったのです」


「結果、中程度の関係が見られたそうです。関係がなくはない、ということです」


「いやー、興味深い結果でした」


「アート作品を作るとストレスが軽減されるのです。新発見と言っても過言ではないでしょう。いえ、過言ですね」


「ただ、体内では確実に変化してますが、ストレス解消になっていると自覚できないのは、ちょっと残念です」


「では今回のまとめです。アート作品を制作するとストレスレベルが有意に減少するぞ」


「しかも、道具の種類、芸術の経験、人種、性別、年齢は関係ないぞ」


「是非、読者様もストレスを感じた際には芸術に没頭してはいかがでしょうか?」


「紙とペンがあれば、いつでも、どこでも始められます!」


「さぁ、始めましょう」


「ただ、作品がどのように見られるか気にする人は注意です。評価されると思うとストレスになります。そんな人は、誰の目にも触れない場所で制作してください」


「自分だけで楽しんでください」


「今回の実験ですが、対照群がいないのがネックです。そのため、実際はどの要素がストレスレベルの低下に寄与したか判別できません」


「女性が多かったのも懸念すべきポイントです」


「とはいえ、芸術活動がストレスを軽減させるのは間違いなさそうです」


「昔から、アートを見るとストレスが軽減されることが確認されています。アートを作りたくないよ、という読者様は鑑賞を趣味にしてはいかがでしょうか?」


「ということで、今回は『芸術はストレス解消だ!』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」


「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」


「それでは、次回の『視線が合うのは気のせいじゃない?』で、またお会いしましょう」


「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」



参考文献

Reduction of Cortisol Levels and Participants' Responses Following Art Making

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