025_【嘘を見破る】嘘つきが無意識にしてしまう所作 #人間関係 #行動

「やっほー、読者様の役に立つ知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『嘘つきが無意識にしてしまう所作』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は嘘をつきますか? もしくは嘘をつかれますか?」


「嘘つきを見抜きたい、または嘘がばれたくないことってありますよね」


「え? 『ない』ですか。誠実な読者様ですね」


「嘘を見破ると言えば、嘘発見器と呼ばれるポリグラフは聞いたこともあるでしょう。もしくはチオペンタールという自白剤を耳にしたことがあるかもしれません」


「残念ながら、ポリグラフは芳しい成果を上げていません。チオペンタールに自白させる効果はないです。テクノロジーにも限界があります」


「では、人が人の嘘を見破ることができるのか、ということですが、基本的に人が人の嘘を見破れるかはおよそ50%、半々となります。これを高いと取るか、低いと取るかは意見の別れるところですね」


「そんな嘘を見破る確率を上げる方法があるなら、知りたくないですか? 知りたいと言ってくれると嬉しいな」


「嘘つきには、ある特有の行動が増えることがわかったのです」


「しかも、無意識です。いやはや、知らない内にやっている可能性大ですね。そもそも嘘をつかなければいいのですが、それも難しいですよね。人生は大変です」


「え? 『ご託はいいから、早く教えて』ですか。せっかちですね。まあ、いいでしょう。嘘つきが無意識でする行動、それはーー」


「ーー相手の行動を真似する!」


「そうなんです。嘘つきは相手の行動を知らずに真似していることが研究で判明しました。驚き桃の木ですね」


「嘘を見抜くのは警察組織や諜報機関にとっては死活問題です。そのため長年研究が進められています。そんな中、イギリスのランカスター大学とオープン大学、オランダのエラスム大学による合同研究チームが、嘘つきは相手の行動を無意識で真似することを発見しました」


「どのような実験が行われたのかと言いますと、まず被験者の体の動きを分析するために加速度計を取り付けました。当然ですね」


「ちなみにデバイスはBluetooth送信機がついていてマッチ箱サイズの大きさだそうです。技術の進歩が感じられます」


「そんな被験者にですね。パズルを解いてもらいました。ただし、研究者は『簡単に解けるパズルです』と言いながら、実は難しいパズルを渡したのです。意地悪だねぇ」


「その他にもですね、パズルの答えをテーブルの端っこに残して被験者に偶然見えるようにしました。そして、その答えのカンニングを進めました」


「実験の前と実験中に質問を投げかけていて、カンニングをしたかどう答えるかも調べています。いやー、嘘をつかせるためとはいえ、悪趣味ですね」


「さらにですね、研究者は答えを見せたことを内緒にするように被験者に伝えています。嫌らしいことに、カンニングしても研究には影響がないとも伝えているのです」


「あの手この手で嘘をつかせる状況を研究者は作っているのです。この努力に脱帽です」


「実際のところ、このくらいしないと、嘘に関する実験はできないのでしょうね。ひどいと思うかもしれませんが、この実験はランカスター大学の倫理委員会の承認を得ています。世界医師会のヘルシンキ宣言に則った研究ですので、ご安心ください」


「ヘルシンキ宣言とは、世界医師会(WMA)によって作成された人体実験に関する倫理の原則です。安心安全の実験ですので、非道な人体実験ではありませんよ」


「とまあ、被験者に嘘をつくように促して、嘘をついている際の被験者の動きを解析した結果、嘘をついている被験者は質問している相手の動きを真似する傾向が判明しました」


「研究者の嘘にはいくつか種類がありまして、簡単な嘘から難しい嘘、非常に難しい嘘までありました」


「嘘が難しいほどに被験者は相手の動きを真似する傾向が強くなりました」


「なぜ、このような結果が出たのか、研究者の主張は『嘘をつく行為は脳の認知機能のリソースを使うことになる。そのため自主的に体を動かすリソースが減ってしまい、相手の動きを模倣するようになった』と、しています」


「嘘をつくのは非常にエネルギーが必要です。脳のリソースが限られている以上、嘘をついていると、必然的に他の活動が疎かになります」


「しかも、嘘が難しいほど脳のリソースがたくさん使われるので、どんどん動きを真似する傾向が強くなります」


「嘘をつくのは重労働なんです。どのように嘘をつくか、嘘がバレないために何をするか、嘘に気を取られてしまうのです。そのため他の動きが疎かになるのです」


「読者様も相手の嘘を見破りたいなら、動きが真似されていないかチェックしてはいかがでしょうか」


「逆に嘘がバレたくないなら、相手の行動は真似しないように気をつけましょう。問題なのは、相手がこの理屈を知っている場合に限ります」


「嘘をバレないように動きが変になると、別の意味で疑われてしまいます。嘘がバレない代わりに、変人のレッテルを貼られても私は責任を取れません。悪しからず」


「では、今回のまとめです。嘘をついている人は質問している人の行動を無意識で真似をしてしまう。嘘が難しいほど真似する傾向は強くなる」


「この結果を読者様はどう思いますか? 実際に自分で試したと思いましたか?」


「知識は溜め込んでいるだけでは意味がありません。ですが、相手の嘘を見破らないといけない状況も大変です」


「最善は自分も相手も嘘をつかなくていいようにすることです。しっかり話し合って、考えや気持ちを伝えましょう」


「私、最後に余計なことを言いましたかね?」


「ということで、今回は『嘘つきが無意識にしてしまう所作』のお話でした。読者様の参考になれば、私はとても嬉しいです」


「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。高評価や応援コメントはどんどんお願いします。待ってまーす」


「それでは、次回の『お金持ちってどんな人?』で、またお会いしましょう。バイバーイ」



参考文献

A liar and a copycat: nonverbal coordination increases with lie difficulty | Royal Society Open Science

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