024_目標を教えると目標から遠ざかる #目標

「ハロー、読者様のプラスになる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『目標を教えると目標から遠ざかる』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくでーす」


「読者様は目標達成のテクニックで目標を公言すると達成率が上がる、と聞いたことはありますか?」


「この行動はパブリックコミットメントと言います。目標を公言することで、周りの目を気にかけるようになります。失敗すると『目標を達成でkないと恥ずかしい』という感情が湧いてきます。恥をかかないためにも、努力する。なので目標達成に近づくのです」


「体重マイナス5kgを掲げて、できなかったら、『やっぱり無理だと思った』『口だけね』と言われてしまいます。これは屈辱です」


「こんな辱しめを回避するために、奮起するのです。そのため、目標達成に近づくのです」


「一定の成果があるのは間違いないみたいです。ですが、使い方を間違えたら、逆効果かもしれないのです」


「驚きですよね。なので、読者様もパブリックコミットメントが害を成す事例を知って、目標達成に活かしてください」


「それではお話ししたいと思います」


「今回紹介するのはニューヨーク大学のピーター・ゴルヴィッツァ博士の実験となります。博士は長年、目標の公言と実現へのモチベーションを研究しています」


「どのような実験を行ったのかと言いますと、法学部の学生に募集をかけて、『法学の勉強のチャンスを最大限に活用しますか?』などの質問をして、学生にモチベーションがあるかを確認しました」


「質問に答えた学生には匿名の学生もいれば、研究チームと直接会話した学生もいました。目標を公言した学生と目標を公言しなかった学生がいたのです」


「次に、学生たちに『20件の非常に困難な刑事事件の分析を手伝って欲しい』と協力を求めました」


「研究者は手伝ってくれる学生たちにベストを尽くすように求めました。一方で『いつでも好きな時に辞めていい』とも伝えられました」


「どっちやねーん!」


「ごほん、目標を公言しているかどうかで、最後まで協力してくれるか、途中で離脱するかを比較したのです」


「あくまで、手伝いです。研究者も好きな時に辞めていいと伝えているので、目標の公言の有無で完遂する人と離脱する人の割合は同じくらいになりそうなものです」


「ですが、蓋を開けてびっくり! なんと、目標を公言していなかった学生が最後まで協力してくれる人が多かったのです。しかも、ハードワークにも熱心に取り組んでいたのです」


「この結果には私も驚きです。先行研究では目標の公言が達成率を上げるとされていましたが、今回の研究では真逆の結果です」


「本当に不思議です。ちなみに協力してくれた学生たちは、いずれも『法学の勉強のチャンスを最大限に活用しますか?』の質問にベストを尽くしたいとも回答しています」


「やる気のある学生が集まっていたに関わらず、目標を公言すると途中離脱が増えたのです」


「博士は、『目標を公言することはアイデンティティと関係している』と語っています。目標を公言すると、何も努力しなくても、目標に近づいた気がします。そのため満足してしまって、最後まで成し遂げるモチベーションがなくなったみたいです」


「自己陶酔してしまったんですね。『努力してる俺、かっこいい』ってことですね。口だけで終わる人はこういうことだったんですね。納得です」


「博士は別の実験で、追加の確認をしました。同じく法学部の学生に『弁護士になるために何をしているのか?』と質問して、答えを三つ出してもらいました」


「学生には以前の実験と同様にするため、何をしているのか他の学生と共有するグループと共有しないグループに別けました」


「その後、珍しいテストを受けてもらいました。学生たちは、非常に大きいものから非常に小さいものまで、サイズの異なる最高裁判所の判事の写真を5枚見てもらいました」


「そして『あなたは今、どのくらい自分が法律家だと感じますか』と質問して、5枚の写真の中から1枚を選んでもらいました」


「『これで何がわかるの?』とお思いでしょうが、このテストで無意識に自己評価が計れるのです」


「選択する写真が大きいほど、自分がより完全だと思うのです。今回の場合は弁護士ですね。大きい写真を選ぶことは、自分はもう弁護士であると宣言しているに等しいのです」


「無意識とはいえ、恐ろしいテストですね」


「学生たちの結果は予想通りですね。何をしているかを共有しているグループは大きい写真を選ぶ傾向が確認されました。弁護士になるための戦略を述べることで、本物の弁護士であるかのように錯覚していたのです」


「既に目標を達成している気になった学生は、勉強する意欲を失うことになるのです」


「この結果は少し悲しいですね。目標を公言した人ほど、目標から遠ざかる。目標を心の内に秘めた人が目標に近づく」


「いやー、人の心理とはとても面白いですね」


「今回の研究から、何かになりたい場合は目標は公言しない方が吉ですね。ただパブリックコミットメントで成功率が高まる研究があるのも事実です」


「読者様も目標を公言するかしないかは、ご一考ください」


「では、今回のまとめです。目標を公言すると、目標達成のモチベーションが減るっぽいです」


「最初の実験では手伝いをお願いしているので、自分が立てた目標じゃない点は気にした方がよさそうです」


「目標の公言が必ずしも達成を手助けしてくれるわけではない。読者様も心の片隅に置いておいてください」


「ということで、今回は『目標を教えると目標から遠ざかる』のお話でした。読者様の参考になれば、私はとても嬉しいです」


「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとう。高評価や応援コメントはバシバシお願いします。待ってるよー」


「それでは、次回の『嘘つきが無意識にしてしまう所作』で、また会おうね。さようなら~」



参考文献

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