009_初対面でも会話が弾む切り出し方 #人間関係 #会話

「やっほー、読者様のプラスになる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『初対面でも会話が弾む切り出し方』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は初対面の相手と何を話していいか困った経験はありませんか? 私は当然……あります。あるに決まってます」


「相手も何を話していいかわからないですから、気まずい沈黙が流れてしまうのです。いやはや、参ったものです」


「ですが、安心してください。今回のお話を聞けば、読者様もたちまち会話上手になれます。出だしで躓くことはなくなるでしょう」


「え? 『会話なんて適当に始めればいい』ですか。中身のない会話をしていると相手の印象に残りません。新たな人脈を築くためにも、相手に最低限の印象は残したくないですか?」


「え? 『別に新しい人脈を築きたくない』ですか。手強い読者様ですね。わかりました、お手上げです」


「私の完敗です。……はて、私は誰と戦っているのでしょうか? ごほん、ともかく、『人脈は別にどうでもいいよー』という人は今回のお話はスルーしていただいて構いません」


「必要な人に届くのが一番ですから」


「さて、気を取り直して話を戻します。初対面の人とどのような話をしたら、盛り上がるか調べた研究があります」


「2016年、国際的な支援団体のメルシー・コープスが男女300人を集めて3分間の会話実験を行いました」


「この実験では参加者は無作為にペアを組んでもらい、会話の出だしの質問を採点してもらいました」


「具体的な手順はですね、研究者は7種類の出だしの質問を用意して、ペアに3分間話してもらいました。その後、会話が盛り上がったかどうかを採点してもいました」


「7種類の質問は、

 ①『あなたのことを聞かせてください?』。

 ②『調子はどうですか?』。

 ③『今日は何かいいことがありましたか?』。

 ④『ご職業は何ですか?』。

 ⑤『ワクワクするイベントはありましたか?』。

 ⑥『今日はどうしてこのイベントに参加したのですか?』。

 ⑦『あなたが熱心に取り組んでいる活動はありますか?』。

 以上の7種類です」


「読者様はどの切り出し方が会話を盛り上げたか、わかりますか? 自分はどの質問を使用しているかも合わせて考えてみてください」


「…………」


「答えは出たでしょうか?」


「それでは、下位から発表したいと思います。つまらない、もしくは退屈だと思われた会話からですね」


「第7位は『調子はどうですか?』です」


「納得ですね。この質問をされても、『いいです』か『まあまあです』くらいしか返しが思い浮かびません」


「読者様もつい使っていませんか? ちなみに、私は使ったことがあります。もちろん、会話は弾みませんでした」


「第6位は、『ご職業は何ですか?』です」


「職業を聞いても先程と同じような結果になりますね。相手が特殊な職業に就いていなければ、この切り出しはご法度です」


「普通の職業ですが何か、ってなりますね」


「第5位は、『今日はどうしてこのイベントに参加したのですか?』です」


「参加する理由は様々ですけど、ちょっと答えにくいですよね。『暇だったから』『友達に誘われたから』『興味があったから』などが考えられますが、この後に会話が発展する未来が想像できません」


「話しやすいですが、はってんせいはありません」


「第4位は『あなたのことを聞かせてください?』です」


「このあたりから、使っていくべきですね。会話が盛り上がります」


「ただ、気をつけて欲しいのは、相手に踏み込みすぎている点です。初対面の相手からプライベートな質問をされて、抵抗がある人もいます。使い所は慎重に選びましょう」


「自分の話を聞いてもらって、嫌な気分になる人はいません。相手が話し出したら、興味を持って聞いてあげましょう」


「続いては表彰台に登れる第3位、『ワクワクするイベントはありましたか?』です」


「自分の価値観を話せるのは嬉しいですから、この質問は好評です。最近見た映画やドラマ、もしくは面白かった本について質問しましょう。質問の内容はイベントに限りません」


「楽しかったことを聞いてください相手は快く話し出してくれます」


「楽しい出来事を話すと、その時に体験した楽しい思い出も蘇ります。自然と笑顔になることでしょう」


「積極的に使っていきたい第2位は、『あなたが熱心に取り組んでいる活動はありますか?』です」


「スポーツか趣味、仕事、勉強、何かしら熱心に取り組んでいる活動を話すと自分の価値観や感情を話すことになります」


「プライベートな話をすればするほど、相手との間に信頼関係が築かれます。相手がハマっていることやマイブームについて聞きましょう」


「ハマった理由やどのような工夫をしているのか、聞いてあげるとグッドです」


「読者様にもハマってることの一つや二つあるでしょう。そのことについて語りたいと思ったことはありませんか?」


「ちなみに私が今ハマっていることは、読者様が知らない知識を提供することです!」


「読者様から、『こんな話聞けてよかった』『タメになった』などの感想がありますと、とても嬉しく思います。もしくは『こんな話をして欲しい』などのリクエストも待ってます」


「さて、それでは、会話が盛り上がる質問も残すところ、あと一つです。読者様は最後の一つを覚えていますか?」


「金メダルの栄光を手にした、堂々の第1位は、『今日は何かいいことがありましたか?』です」


「『え、こんな質問が第1位?』と思われた読者様も多いかと思います。しかし、実験では第2位と第3位に大差をつけて、第1位を獲得しました」


「やはりプライベートに踏み込みすぎる第2位や第3位は初対面だとハードルが高すぎたようです。親しくない相手に話したくない、もしくは最近何かあったか思い出せない場合もあります」


「その点、今日のことなら簡単に思い出せます。また、『いいこと』を聞いているのでポジティブな話題になりやすいです」


「相手に踏み込みすぎず、気楽に答えやすい。いい案配な質問が『今日は何かいいことがありましたか?』なんです。このテクニックは本当に使えます」


「私が先の質問をされたら、『今日ですか? 散歩をしていたら、猫が横切ったのですが、視線の先では猫の集会が開かれていました。朝から癒しを提供してもらいました』と答えます」


「いやー、朝からいいものを見ました。ルンルンです」


「私たちは初対面の人に『調子はどうですか?』『ご職業は何ですか?』とよく質問しますが、退屈だと思われます。今後はしないようにしましょう」


「え? 『いきなり言われても、すぐには難しい』ですか。ならば言い換えるようにしましょう」


「たとえば、『ご職業は何ですか?』は『最近、面白い企画をしましたか?』に変換です。他には『調子はどうですか?』は第1位の『今日は何かいいことがありましたか?』に変換可能です」


「聞き方を変えるだけで、相手からの印象は一変します。退屈だと思われないように、ポジティブな話題を引き出すような質問を投げかけましょう」


「すると、相手から好印象を抱かれます。もしかしたら恋に発展することもあるでしょう。頑張ってください」


「それでは初対面でも盛り上がる質問のまとめです。

 第7位は、『調子はどうですか?』。

 第6位は、『ご職業は何ですか?』。

 第5位は、『今日はどうしてこのイベントに参加したのですか?』。

 第4位は、『あなたのことを聞かせてください?』。

 第3位は、『ワクワクするイベントはありましたか?』。

 第2位は、『あなたが熱心に取り組んでいる活動はありますか?』。

 第1位は、『今日は何かいいことがありましたか?』。

 と、なります」


「これを知っていたら、初対面の相手でも怖くないですよね。Let's make a good first impression」


「ということで、今回は『初対面でも会話が弾む切り出し方』のお話でした。読者様の参考になれば、私はとても嬉しいです」


「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。高評価や応援コメントはどんどんお願いします。待ってまーす」


「それでは、次回の『散歩のメリットを解説します』で、またお会いしましょう。バイバーイ」



参考文献

『CAPTIVATE 最強の人間関係術』ヴァネッサ・ヴァン・エドワーズ著(ダイヤモンド社 2018年)

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