002_【ラノベでOK】読書をすると意外なあの能力が上がる! #読書

「やっほー、読者様のプラスになる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『読書をすると意外なあの能力が上がる!』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者の皆様、朗報でございます。小説を読むことに素晴らしいメリットがあることがわかりました」


「え? 『どうせ、ノンフィクションのお堅い物語や文学作品だろ』ですって? ノンノンノン、今回ご紹介するのはフィクションを読むことで特定の能力が伸びることが証明された研究です」


「しかもですね、『語彙が増える』『文章が磨かれる』『想像力が豊かになる』『ストレス解消』なんて、巷で囁かれているような薄っぺらい情報とは違います」


「その能力とは、ずばり、言語能力です!」


「実験の内容について説明したいと思います。2021年、コンコルディア大学のサンドラ・マーティンチャン博士はヨーク大学の学生を200人集めて、読書記録と言語能力を調べました」


「読書記録を取る際にはPoLRという独自のスケールを利用したようです。PoLRスケールでは読書の動機、読書を邪魔する障害、読書に望む姿勢、本の興味について記録を取りました」


「言語能力のテストにはSAT……アメリカの大学進学適正試験を用いました。これはアメリカの大学入学の際に考慮される要素の一つです。日本のセンター試験や共通試験をイメージしてもらえればわかりやすいと思います」


「このことから、言語能力については、かなり厳密に調べられていると言えるでしょう」


「サンドラ・マーティンチャン博士は、学生の休日に読書量を増やせないかと思い、この研究を行いました」


「読書をする若い人も減っていますからね。この研究で少しでも読書する人が増えることを私も願います」


「話が逸れました、閑話休題」


「これまでの研究では主にノンフィクション作品の影響を調べられていました。ノンフィクション作品ではコミュニケーション能力が高まったり、他人の心を読むのが上手くなることがわかっていました」


「しかし、フィクション作品では、コミュニケーション能力や他人の心を読む能力の向上は認められませんでした。エンタメも好きな私としても、とても残念な結果です」


「ですが、心配ありません。フィクション作品は言語能力が向上することは先にも述べた通りです」


「研究チームが学生200人の読書記録を解析した結果、フィクション作品をよく読む学生ほど言語能力が高いことが判明したのです」


「なんとですね! 文学作品だけでなく、エンタメ小説でも効果は確認されています。そう、この小説を読むだけで、読者様の言語能力は上がっているのです!」


「なんと素晴らしい研究なんでしょうか! ああ、サンドラ・マーティンチャン博士、ありがとうございます!」


「少し興奮してしまいました。気を取り直します」


「サンドラ・マーティンチャン博士はですね、『フィクション作品を読みたい気持ちやキャラクターと作者の繋がりを感じることが言語能力を高める』と述べています」


「え? 『言語能力が上がることは重々承知した。言語能力と言われても、具体的にどんな能力かわからない』ですか?」


「わかりました、説明します」


「言語能力はですね、相手が話している内容を理解したり、書いている言葉を理解する能力です。また、問題を解決するための推論や推理の思考力でもあります」


「まとめると、言葉をスラスラ操る能力であり、コミュニケーション能力の基本です」


「たまにいますよね、何を言っているのかわからない、伝えたいことが理解できない人。これらは典型的な言語能力が低い人です」


「コミュニケーションが不得意な人はコミュニケーションのハウツー本を読むより、ライトノベルを読んだ方がいいかもしれませんね」


「逆にわかりやすい説明をしてくれる人は言語能力が高いです」


「言語能力が高いと仕事のプレゼンはスラスラ喋れるようになり、説得力が増します。他にも好きな人に告白する時に自分の気持ちをちゃんと伝えることができます」


「どんなに好きでも、相手に伝わらなければ意味はありません。好きな気持ちを向けられて嫌な気分になることはありません。話があっちこっちに散らかってしまえば、大好きな気持ちは全然伝わりません」


「実る恋も実りません。……うーん、つらい」


「相手も同じくらい好意を持っていても、好きな気持ちが伝わらなければ、好きじゃないと誤解されます。コミュニケーションを過不足なく行うために、読者様は本をたくさん読みましょう。特にフィクション作品、エンタメ小説を!」


「読者様の皆様、結論をまとめますと。フィクション作品を読むと言語能力が上がる。作品はエンタメ小説でも問題なし。言語能力はコミュニケーションの基本です。フィクションを読んで鍛えましょう」


「これで私からのお話は以上となります」


「ということで、今回は『読書をすると意外なあの能力が上がる!』のお話でした。読者様の参考になれば私はとても嬉しいです」


「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます」


「それでは、次回の『社会で成功する要素と知識の関連性』で、またお会いしましょう。バイバーイ」



参考文献

What’s your pleasure? exploring the predictors of leisure reading for fiction and nonfiction


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