幽霊のように消えた私
光星くんの背中が小さくなる。
これで光星くんと生きる人生は終わりを迎える。
少しずつ透き通る体。
どうやらタイムリミットのようだ。
これで光星くんと二度と逢うことはできない。
「悲しいなぁ……」
けれど、もう後悔はない。
光星くんが前を向いて生きてくれる。
それだけで私は満足だ。
だから、さようなら光星くん。
幽霊のように消えてしまった私。
私自身は君に届くことはなかった。
けれど、想いは君に届けることができた。
だから、だから……
「今までありがとう光星くん」
■
永遠に鳴き続けるように感じる蝉の声。
青空と大きな入道雲。
地面を焼き尽くすような日差し。
幽霊のように消えた彼女。
想いを受け取った彼。
微かに吹く風が花束を揺らしていた。
新しい夏が始まる。
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