同じ苗字の個別塾

私が、中学受験を決めて最初に入塾したのは個別塾だった。

私は最初から志望校が決まっていた。

と言っても、親に言われたところをそのまま志望校にしていて、文化祭を見て楽しそうな学校だなくらいに思っていた学校だった。


その個別塾は、たまたま私の苗字と同じ名前の塾だった。

大きくはないが、小さくもない。

そんな塾で、文系と理系で受ける先生が違った。

体験では、塾長の先生がとても明るくて印象が良かった。

説明を受けた後、その場で入塾を希望した。


理系の先生は、とても明るいおじいちゃん先生だった。

たまに、雑談もしてくれて良い先生だな。そう思った。

しかし、文系の先生は私に合わなかった。

文系の先生は、女の先生で50代くらいの先生。

悪い先生というわけでもない。

ただ、私の性に合わない。

理由は分からないけれども、無理。

そんなイメージが抜けなかった。


なんか嫌。

そのイメージは、塾へ行くごとに降り積もっていった。

やがて、私は塾へ行くことを拒否するようになっていった。

文系の先生が、悪いわけではない。

ただ、私の性に合わない。それだけ。

形容し難く、浅い理由だけで両親が納得するわけもなく、怒られる毎日が続いた。

私は、塾へ行くのも受験をするのも諦めた。


親には、受験をするのが嫌だから、先生が嫌い、役に立つ気がしない。とありったけの理由をぶつけて、辞めさせてくれるよう頼み込んだ。

最終的に、親の前で私が塾の先生に電話して、そこで辞めることを伝えて塾は辞めることになった。


でも、親は私が受験しないことを認めてくれなかった。

別の集団塾に入ることになった。

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