やっぱり助けて
授業の翌日、私は自習をしにまた塾へ行った。
また、呼び出されて聞かれるのではないか。
バレてしまうのではないか。
不安に押しつぶされそうで、すごく怖かった。
すると、友達が「いっそ、言っちゃったら。」と言ってくれた。
先生も、事情を知らないままどこを聞いていいのか分からないまま私と接するのも大変だと思うし、バレてしまう不安で押しつぶされるよりはもう言ってしまった方が良いのではないか。
そう言われた。
私の「絶対に言えない。」という気持ちは少し和らいでいた。
でも、「私からは言えない。」そう返していた。
すると、「じゃあ、私から言う。それだったら良いよね。」と言われた。
私はよく考えずに頷いていた。
思いついたらすぐ行動する友達。先生を見かけるとすぐに話しかけに行っていた。
友達が話しかけた時、先生は他の子の授業中だった。
授業後、私に話しかけてくれた。「面談室で少し話そうか。また呼び出しちゃってごめんね。」言われ、面談室に移動した。友達には「お借りします。」と断りをいれていた。
最初聞いた感想などを聞かせてくれた。
「話してくれてありがとう。昨日の状態から見て無理に話さなくてもいいと思っていたけれども、経由でも隠さずに話してくれて嬉しかった。昨日は話したくても話せない感じがしたから。ちらっと聞いただけだけど、辛かったんだろうなって思った。昨日左手を触った時に痛そうにしてたから、違和感を持ってた。」などと。
「怖かった?」と聞かれて、頷いた。ずっと顔は見れなかった。
「私はあなたの味方だし理解者でいたいと思っている。あなたの長所はいっぱいあるし、いてくれないと困る存在だよ。」
そう言われたけれども、私は頷けなかった。
口には出さないけれども、死にたい。死ぬべき存在なんだ。そう思っていたから。
先生は気づいていたんだと思う。
私が頷かないのを見て「いてね?」と念押しされた。
その後は、リストカットの詳細などを質問されて答えていた。
話し終わった後は自習室に戻った。
先生は友達に「ごめんね。呼び出しただけじゃなくてボコボコにしちゃった。」と言って笑い話にしてくれた。
その後、友達に本気で心配されて「大丈夫だから」と返した。
少しホッとした。
まだ生きていられる。そう思った。
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