感情がわからない
私はある時から自分の感情がわからなくなっていた。
元々感情移入が出来なかったのは確かだが、小学生の頃は嬉しい時や悲しい時、自分が何を望んでいるのかは、理解できていた。
別に、普段は自分が何を感じているのかわからなくても困らなかった。
自分の感情がわからなくなっていることすら、わからなかった。
でも、それでこれからも困らないはずない。
ついに、私が困った事態が起こった。
受験校を決めるとき、私の偏差値に合った学校がなく、上か下かしかなかった。
この時すでに、2つの高校に合格していて行く高校があった私は、上の学校をチャレンジするという選択肢があった。
どうしても決められなかった私は、塾長に相談した。
塾長は、親身に私の相談にのってくれた。
上の学校は、最初の志望校でもあったので調べていたのだが下の学校とすでに受かっている学校は、ほとんど調べていなかったので、塾長は様々な面をピックアップして教えてくれた。
ずっと情報提供してもらって黙って聞いていると、「後は何に悩んでるの。他の懸念要素は何?」と聞かれた。
私は、答えられなかった。
私はどうしたいんだろう。何に迷っているんだろう。どれが正しい選択なんだろう。
結局、「もう少し考えてみます。ありがとうございました。長い時間すみませんでした。」とはぐらかして、終わった。
翌日、担当の先生にも相談した。
「自分で考えて。後悔しないように。」
そう言われて、また迷った。
どちらの選択を選んでも、後悔する気がした。
結局、最初の選択肢である、上の学校を選んだ。
もう、どうでも良くなってしまった。
期限ギリギリで、そのままでいいです。と言った。
もう、自分が何なのか。それも分からなかった。
心の奥の奥 美央菜 @music-miyu
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