第7話 心の家具
晩冬の冷たい風が冷たい僕の心をさらに冷たくさせるように吹き付ける。今日の道頓堀はあまり人はいなく、閑散としていた。数人の芸人たちが看板を持ち客引きをしていたが、彼らの明るい声も、このご時世ではあまり意味をなさない。
私は宗右衛門町にある韓日館という韓国料理店を訪れた。韓国の田舎をモチーフした店内には数人の客が来ていた。ランチバイキングをしているらしい。バイキングは韓国の家庭料理でどれもこれも絶品だった。特に骨付きカルビとビビンバが良かった。ビビンバは丼に自分でよそい、作る形式だった。店の入口には韓流スターのサインと写真が飾ってあった。防弾少年団の写真もあった。また来ようと思った。
その後、道頓堀のスターバックスに入った。このスタバはトイレがパスワードでロックされており、いかにもこの地域の治安の悪さを象徴しているようだった。しかし店内はとてもモダンでオシャレだった。客層も若く活気があった。私の地元の最近できたスタバなんかは近所の農家が作業服に泥をつけてコーヒーを買いに来るとか。でも田舎でもまだスタバがあるだけましだろう。私の地元はコメダ珈琲ができただけで大騒ぎしたぐらいだ。私の町も進化しているということか。
私の心は最近落ち着くようになった。まるで心の部屋に暖房が入ったような感じだ。私の心の部屋はいっぱいものが置いてあってあまり掃除もされてもいない。だから私はよく心の部屋で大切なものをなくす。大切なものとは人に対する感謝とか恩、親切心を指す。そのたびに心の部屋のタンスをぶちまけるように開けては閉めるを繰り返す。私は大切なものたちを手元に置いておきたいのだ。そして私の心の部屋は善良で綺麗な家具を揃えていたい。でも今は、家具たちは乱雑に置かれており整理整頓されていない。家具たちは掃除をしてあげないと汚れてしまう。家具たちが汚れると私の言動も汚くなる。だから私は本を読むことで心の部屋の家具たちを掃除する。
冬の心の部屋には常に暖房をつけていないといけない。心を温めることは、自分の成長につながるだろう。成長して今まで世話になった人に、私は立派になったと思われたい。
私の生きる意味は新しい自分に生まれ変わり、幸せになることだ。
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