第129話 三姉妹同盟
夜も更け、ルナ、サーヤが寝静まった頃。
暗闇の一室で、テーブルの上に立てられた一本の蝋燭を三人の者が囲み席に座っていた。
「これより第一回黎明会議を初めます」
「何ですか? 黎明会議って? 夜明け?」
「ううん⋯⋯何となくカッコいいから」
「わけのわからないことを⋯⋯それに変な服と覆面を着させていったい何をしたいのですか?」
この場にいる三人は黒い服と顔が隠れる覆面を着けており、覆面の額には何か文字が書かれていた。
「これは何かの遊びなの? ミリ⋯⋯」
「ストッップ! ここではこの額に書かれた文字が呼び名だから」
「え~と⋯⋯ロリは正義さん?」
「そうだよ。純粋は時には罪になる」
「何だかトア⋯⋯じゃなくて私の名前は言いにくそうだね」
2人のやり取りを見て残りの1人はやれやれとため息をつく。
「それで、私の額にはなんて記載してあるのですか?」
「う~んとセレ⋯⋯じゃなくてむっつり
「誰がむっつりですか!」
むっつり騎士は自分の呼び名に対して憤慨し、怒りを露にしている。
「いいじゃん別に。遊びだよ遊び」
「まさかミリ⋯⋯ロリは正義は私のことをいつもそう思っているの?」
「⋯⋯⋯⋯ソンナコトナイヨ」
「何ですかその間は! もうこんな遊びに付き合ってられません!」
むっつり騎士は立ち上がりかぶっていた覆面を取ろうと右手を伸ばす。
「ちょっと待って! これからパパのことについて重大な会議を始めるけどむっつり騎士は出席しなくていいの?」
「パパに取って重要な⋯⋯仕方ありませんね。夜も遅いから早くしてください」
「さっすがセレ⋯⋯むっつり騎士。話がわかるね」
そしてむっつり騎士は再び椅子に座り、ロリは正義の言葉を待つ。
「さて諸君、我々は今、未曾有の危機に晒されているのに気づいているか」
「何ですかそのしゃべり方は」
「ロリは正義さん何か変だよ」
普段と違うロリは正義の言葉に二人はおもわず指摘してしまう。
「いいの! こういうのは雰囲気が大事だから!」
「明日も剣の稽古があるから早くして下さい」
「もう⋯⋯二人ともせっかちだなあ。けどこれを聞いてそんな態度を取れるかな」
ロリは正義は意味深な笑いを浮かべゆっくりと言葉を放つ。
「先日魔法養成学校でパパの授業があったんだけど⋯⋯」
「騎士養成学校でもありましたね」
「授業が終わった後にパパは生徒に囲まれて⋯⋯純粋に魔法についての話だったら良かったんだけど個人レッスンしてほしいだのパパと付き合いたいだの終いには結婚するために両親を紹介しようとした子もいたんだよ!」
「そのような人は私の学校でもいました」
「神聖教会養成学校は何でパパが講師をしてくれないのってたくさんの人に言われたよ」
その言葉を聞いてむっつり騎士とロリは正義が溜め息をつき言葉を発する。
「「パパ⋯⋯モテすぎ」」
「ん? どういうこと?」
2人の言葉に純粋は時には罪になるが首を傾げる。
「パパをめぐる新たなライバルが3人も現れたのにボクは頭が痛いよ」
「3人? 1人じゃないのですか?」
「シルルお姉ちゃんのことかな?」
ロリは正義は、むっつり騎士と純粋は時には罪になるの言葉に再度溜め息をつく。
「ルーナンとサーヤンもそうだよ」
「何を言っているのですか? あの2人はまだ子供ですよ」
「12歳と10歳だよね」
2人の様子を見てロリは正義は本日3度目の溜め息をつく。
「むっつり騎士と純粋は時には罪になるはさ⋯⋯パパに恋したのはいつ?」
「そ、それは⋯⋯」
「気がついたら好きになってたよ」
「ボクが見るに、少なくともルーナンやサーヤンの年より幼い時だよね? だからあの2人が今パパを好きになっても全くおかしいことじゃないよ」
ロリは正義はない胸を反り、両手を腰におきドヤ顔を決める。
「た、確かに⋯⋯」
「ロリは正義さんの言うとおりかも」
「でしょ。だからこれ以上パパに変な人が近寄らないようにするため、3人で同盟を組もうと思って」
そしてロリは正義は右手を机の上に差し出す。
「トア⋯⋯じゃなくて純粋は時には罪になるもロリは正義さんに協力するよ」
純粋は時には罪になるはロリは正義の手の上に自分の手を重ねる。
「むっつり騎士はどうする?」
「むっつり騎士さんはどうするの?」
「むっつり騎士むっつり騎士うるさいです! ですがロリは正義の言うことも一理あります。ここは私も協力致しましょう」
そしてむっつり騎士もロリは正義と純粋は時には罪になるの手の上に自分の手に重ねる。
こうして帝国歴731年4月、稀有な称号を持つ3人の手によって父親を魔の手から救うため三姉妹同盟が結ばれるのであった。
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この度ラブコメ、【姉と妹に血が繋がっていないことを知られてはいけない】の投稿を始めました。内容はタイトルどうりの作品になっていますので読んで頂けると幸いです。
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