第7話 サプライズ

あのイブ以来、遠哉の言葉が気になりつつも、私達の関係は相変わらずであり、4人の関係も相変わらずで仲良くしていた。


だけど、私の中で遠哉の存在が変わりつつあった。


だけど、まだ何処か微妙で他の人に告白され、友達から付き合ってみるけど、すぐ別れての繰り返しだった。





ある日の学校帰り、私は一人ゲーセンにいた。


そして夢中になり、いざ帰ろうとした時―――――






「うわっ!雨っ!?どしゃ降りじゃん!……最悪……」




私は一時期の雨だろうと思い、待ってみる事にした。


しかし、一向に止みそうにない雨に悩まされつつも、ある人物にメールしてみた。





♪〜

【遠哉、何してる?】


【私、今、ゲーセンにいるんだけど、雨止まなくてブルー入ってます…】


【既に、My sweet HOME?】




♪♪〜

【ゲーセン!?俺はとっくに、My sweet HOME だけど?迎えに行こうか?】




♪〜

【い、良いっ!そういうつもりでメールしたわけじゃないから!】




♪♪〜

【そう?】



♪〜

【そう!その変わり話し相手になって♪】




♪♪〜

【やだ!】



♪〜

【ケチ!じゃあ良い!】



♪♪〜

【悪いな。俺、忙しいんで!じゃあ!】

【ちなみに、何処のゲーセン?】




♪〜

【○○の近くのゲーセン】

【それじゃ、ごめんね!忙しいのに。またメールする】





「大人しく帰るか…雨…一人は憂鬱だな…」



その時だ。



「彼女、一人?」

「えっ?」




振り向く視線の先には、男の人達がいた。



「今から帰るの?」

「ちょっと家に来なよ。後で送ってあげるから」



「い、いいえ!大丈夫です!すぐに迎えに来るから」

「それまで時間潰しに付き合ってあげるよ」

「結構ですっ!失礼します!」




私は雨の中を足早に去った。





「最悪だよ…」



私は、先程から、そう離れていない、ショッピングモールに向かった。



「くしゅん…」



雨に濡れたのもあり、肌寒く感じる。




♪♪〜

【今、何処にいる?】



メッセージが届く。



「えっ…!?遠哉?」



♪〜

【今、ゲーセンから近くのショッピングモールに移動したよ】


【ナンパみたいな事されたから急いで逃げて来た所】






次の瞬間―――――




フワリと背後から抱きしめられた。





ビクッ





「えっ…?」


「見〜〜っつけた!」





ドキッ


私の視界に入って来たのは見覚えある顔だった。




「と、遠哉ぁっ!?な、何でいんのぉっ!?」

「迎えに来た」

「えっ…?嘘……。だって…忙しいって……」

「うん。それは嘘じゃないけど、後からでも出来るから。そんな事よりも瑞生が心配だったから」




抱きしめられた体を離し、向き合う私達。




「しばらく雨は止まない。つーか、ずっと雨らしいし外泊だな」

「えっ!?」

「だから、そうなる前に迎えに来た。つー事で帰ろうぜ!」


「…遠哉は…本当…ヒーローだね…」

「えっ…?」

「いつもタイミング良過ぎるよ」

「瑞生…?」

「ありがとう!帰ろう!」

「おう!」




私達は帰る事にした。












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る