第5話 4人の関係

それから、数か月過ぎ――――


ある日の休日の事だった。




「あれ…?世利南と彰人?えっ!?」




《声かけるべき?》

《いやいや…友達だし普通にありだよ》

《それに偶々、街で会ったとも考えられるし》

《声掛けるの辞めておこう》




私は色々と考える中、見て見ぬふりをした。





その日の夜。



♪〜

【彰人、今日は一日何してたの?】



私は彰人にメールする。





♪♪〜


【男友達と遊んでた】




♪〜

【そうなんだ】



♪♪〜

【瑞生は何してた?】




♪〜

【街ブラついてた】



♪♪〜

【そっか。あっ!友達から電話。またメールする。悪い】




「男友達…世利南といて?しかも、友達から連絡って…本当かも分からないし!」



私は、不信感を彰人に抱いた。


うまく言って逃げる口実なのでは?


私は、そう思うしか出来ず携帯を、投げ付けようとした。





次の瞬間―――――



私の携帯にメールの着信音が鳴り響く。




ビクッ


驚く中、画面には



意外な相手、遠哉からだった。




ドキン


まさかの相手に驚くのと、胸の奥が小さくノックした。




「遠哉…」






タイミング悪過ぎ?


違う…


むしろ


タイミングが良いのかもしれない。






【瑞生、遠哉君で〜す】

【今、何してる?】



絵文字含めたメッセージが届く。





♪〜

【今、何もしてないよ】


最後にブルー入ってます的な絵文字を入れてみた。




♪♪〜

【何?何?ブルー入ってます絵文字?タイミング悪かった?それとも何かあった的な感じ?】



♪〜

【どっちかな?気にしなくて大丈夫だよ】



イタズラっぽい顔の絵文字と笑顔の絵文字を入れて平気なフリして返信する。




♪♪〜

【気にするから!】

【お前とは隠し事なしで話がしたいの!】





ドキン…

意外な言葉に胸が大きく跳ねる。




♪〜

【彼女じゃないのに?】

【駄目だよ〜。そんな事言ったら】




♪♪〜

【彼女という固定観念、俺には関係ない!】

【俺は、違う意味で気になるから。瑞生の事】





ドキン…


胸が大きく跳ねる。





特別じゃない。


分かってるけど


遠哉の言葉は


私の胸にスッと入ってくる。




♪〜

【そう?世利南が聞いたら妬くよ】



♪♪〜

【言わないから問題ない】

【もちろん瑞生も言わないのは分かってるから】



♪〜

【そんなの分からないじゃん!】



♪♪〜

【いや。お前なら大丈夫!】

【信頼してるから】

【で?何かあった?】





遠哉の自信は


何処からくるの?


過去に色々あったはずなのに


どうして…?






♪〜

【遠哉、何処から、そんな自信がくるの?】



♪♪〜

【そんなの決まってんじゃん!】

【去年のクリスマスイブに、瑞生と出逢ってから運命は決まってんだよ】



♪〜

【運命って…】

【自分で言って恥ずかしくない?】



♪♪〜

【初対面で自分の弱みを見せれる奴、いなくね?】

【正直、俺は、ありのままの自分でいられるけど。瑞生なら】






ドキン…


意外な言葉に胸が大きく跳ねる。



そして再びメッセージが入ってくる。




♪♪〜

【特別な感情なくても、瑞生には何処か惹かれるものがあるから】





私は遠哉に話す事にした。





♪〜

【遠哉は、彼女に、もし友達と出掛けるってなったら言う?男女問わず彼女に報告とかする?】



♪♪〜

【する。彼女がいるなら、尚更、男友達と出掛けるとか、女友達と出掛けるって、きちんと報告する】


【何なら証拠写真までつけちゃうかも】


【誤解されたくないし】


【だけど、彼女がいるなら女友達と出掛ける事はしない】


【どうしてもというなら彼女も連れて行くかも】




♪〜

【じゃあ、もし一人でいる時に女友達と遭遇したら?】




♪♪〜

【俺は、二人きりでは会わない】


【どうしてもというなら彼女に報告する】


【不安になるかもしれないけど、何もないって信じてくれないとなれば、ハッキリ言って欲しいし、彼女の対応次第では、その後、俺の対応も変わる】




♪〜

【そっか…】



♪♪〜

【そんな事、聞くって事は彰人の事で何かあった感じ?】



♪〜

【…うん…】



♪♪〜

【話してみな】





世利南が絡んでいるのに言って良いもの?



♪〜

【…さっき彰人に今日何してた?ってメールしたら男友達と遊んでたって返信がきたんだけど】

【でも、街で見かけた時、女の子といて…】



♪♪〜

【女の子?偶々、会ったとか?】



♪〜

【そう思える相手じゃなかったから】



♪♪〜

【誰?】



♪〜

【いや…話しにくい…】



♪♪〜

【いや、言えよ!】



♪〜

【……世利南】



♪♪〜

【世利南?】

【世利南なら彰人と出掛けるって聞いてたけど】

【だから全然気にしなくても大丈夫】



♪〜

【本当?】



♪♪〜

【うん】



♪〜

【そっか】



♪♪〜

【だけど嘘はよくねーな!】

【俺が変わりに叱っておく!】



♪〜

【うん、じゃあ、お願いして良い?】




♪♪〜

【了解!】




私達は、話題を変えメールのやり取りをしていた。





次の日。



「ねえ、世利南」

「何?」

「昨日、偶々、偶然なんだけど彰人といる所、見掛けたんだけど…」


「えっ?」


「遠哉とはうまくいってるんだよね?」

「うん。大丈夫だよ。彰人とは偶々、街で会って」

「そうなんだ。信じて良いよね?」

「うん」


「彰人に聞いたら、男友達といたって言われたんだけど、じゃあ、いつから世利南は彰人の中で男の子になってたんだろうね?」


「そ、そうだね」


「世利南、実は男の子だったの?」


「いや、違うから。ていうか疑ってる?」

「何が?」

「私達の事」

「ううん。大丈夫!むしろ、彰人の方だから。だけど、世利南が私に嘘ついてるとなれば話は別かな?」


「私は、遠哉だけだから。…でも…最近は距離おいてるんだ」


「えっ…?」


「勿論、出掛ける事あるけど…。あ、ごめん…誤解受けるような発言してるよね…」


「いや…別に」





○一方



〜 遠哉 Side 〜



俺は彰人を屋上に連れ出した。



「なあ、彰人」

「ん?」

「ちょっと、ある情報が入ってんだけどさ。お前、昨日、何してた?」


「昨日?友達と遊んでたけど?」

「男?女?」

「えっ…?男だけど?」



「………………」



「えっ?何?疑ってる?」



グイッと彰人の胸倉を掴む。



「な、何?遠哉、怒ってる?」

「…女なんだろっ!?俺にまで嘘つくなよ!」

「遠哉?」



掴んだ胸倉を離す。




「世利南って話じゃん!」

「えっ?つーか…何処から?」

「聞かなくても分かるだろう?」



「……世利南?」


「は?お前、馬鹿?瑞生に決まってんだろう?」

「えっ?瑞生?ちょっと待っ…だってアイツ何も」

「街で見掛けた…それ言ったら分かるだろう?」


「…つまり…俺、世利南といる所、目撃されてた?」


「男友達といたなんて嘘つく位なら、アイツと別れろ!世利南に気があるなら、それはそれで構わねーけどキッチリしろよ!」


「…悪い…」


「謝るのは俺じゃなくて瑞生にじゃねーの?」


「だったら、お前に話がある!世利南の事、考えてやれよ!アイツの事、好きになる事ないならハッキリ言って欲しい」


「…世利南、お前に相談してる感じか…」


「アイツ、結構悩んでる感じだけど?このままで良いのかな?って…」


「世利南は俺が好きだけど、俺の気持ち伝わって来ないってやつか…これでも努力してんだけど…つーか、俺の事よりも、お前の事だろう?このままだったら瑞生を傷付けるだけだ!もし、まだ付き合っていくならアイツには嘘つくのは辞めろ!」


「…分かったよ…」


「後…世利南の事、頼むわ…。世利南には正直に話す。このまま…変わらない気するし…」


「えっ…?」


「その変わり、これだけは約束して欲しい。今後、嘘つくのだけは辞めな。瑞生の件もキッチリしな」


「…分かった…」






その日の夜。


♪♪〜

【瑞生ちゃ〜ん、へこんでない?】

【遠哉だよ〜】



♪〜

【ヘコヘコだよ〜。なんて】



♪♪〜

【胸貸そうか?】



♪〜

【大丈夫だよ。世利南のものだから】



♪♪〜

【その世利南の事なんだけど、電話していい?】



♪〜

【良いよ】




そして、電話の着信が鳴る。




「もしもし?」

「もしも〜し」



私達は軽く話をする。




「えっ!?知らなかったの?」

「知らない。彰人と会うとか聞いてねーし」

「どうして?」

「意地かな?プライドっつーか…」

「そんなの…聞いてないって正直に言ってくれれば…」


「瑞生が安心するように嘘ついた」

「そんな嘘いらないから!」

「今後は正直に話す」

「そうして!」



私達は、話題を変え話をしていた。、









































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