第3話 恋の架け橋

それから数か月が過ぎ。



「ねえ、瑞生」

「ん?何?」

「瑞生ってさ、遠哉の事…どう…思う?」

「えっ!?ど、どう思うって…別に、ただの友達だよ」


「そう?」

「うん。どうして?」


「…私…遠哉の事、ちょっと良いかな〜?って…何かカップルになったら楽しそうっていうか…一緒にいたら飽きなさそうだな〜って」


「そうなんだね。良いんじゃない?確かに楽しませてくれそうだよね?普段のあの調子なら。告白してみたら?」


「えっ!?無理無理!そんな勇気ないし!」


「タイミングだよ!タ・イ・ミ・ン・グ!ゆっくりでも良いんじゃない?」


「…そう…かな…?」


「だって伝えない限り分からないし、結果はどうであれ想い伝えた分、気が楽だし、更に仲良くなって、相手が好きになる事もあるわけじゃん?」


「…そう…だよね?私、頑張ってみる!」


「うん!」





とは言ったものの、遠哉は告白されて失敗してる。


でも、世利南だから大丈夫だよね!


私は、世利南を信じて告白を勧めた。


間違ってる?


世利南に遠哉の恋愛の過去を話すべき?


だけど、それは私の口から言うべきではないと思ったから。


私が言った所で


“ どうして、瑞生が知ってるの? ”



そんな疑問が私にくるから。


過去の恋愛は隠したい。


話すべきタイミングがあるような気がするから。






その後、世利南は告白をしたみたいで、その件に関して二人からメールが入って来たんだけど…




♪〜♪〜


【瑞生、駄目だったよ〜…タイミング悪かったかな?】



世利南からだ。





♪♪〜


【瑞生、世利南から告白されたんだけど】



遠哉からだ。



【確かに彼女は悪くないんだけど断った】





まさか二人からのメールに苦戦する羽目になるとは…サンドイッチ状態だ。




♪〜♪〜


【何て言われたの?良かったら教えて】


世利南に返信する。




♪♪〜


【断ったの?世利南、良い子だよ】


遠哉に返信する。





♪〜♪〜


【世利南は、悪くないけど、友達以上は進展しないって…】


世利南からだ。



【ゆっくりでも良いから付き合ってくれれば良かったのにね】



私は世利南に返信する。







♪♪〜


【悪い子じゃないって分かってる】

【瑞生の友達だし】

【でも、俺的には、一緒にいて落ち着く子。ノリが良くて話しやすい子が良いっていうか…】



遠哉の女の子のタイプ。


正直、私のタイプと同じな事に気付く。


それに付け加えるなら、何でも話し合える関係を望んでいた。



正直私の元彼は、そういう感じだった。


俺のタイプって言われて付き合った。


まあ、結果は最悪だったけど…



【ゆっくり付き合ってもらう事、出来ないかな?】



私は駄目元で、遠哉に返信した。






♪〜♪〜


【うん…まあ、気持ち伝えてスッキリした感じ】

【ありがとう!瑞生】

【ウジウジ悩む位なら、スッキリして仲良くなるのもありかな?って思えた】



世利南からだ。



【そっか…】


世利南に返信しようと思った矢先



【それじゃ、またね】



世利南からメールが届いた。


【うん…またね】






♪♪〜


【ゆっくり付き合って好きになる自信ない】

【だけど、過去が過去だし抵抗あるのかもしれない】



遠哉からだ。



【そうか…そうだよね】

【ごめん…】


私は返信する。



♪♪〜


【何で瑞生が謝るの?】

【俺の気持ちの問題なんだし、瑞生が謝る必要ない】



♪〜


【そうだけど…何か世利南に勧めたから申し訳ないっていうか…】




そして、しばらくして―――――



♪〜♪〜


【瑞生、今、遠哉から連絡きて、ゆっくり付き合おうって言われた!】



世利南からだ。





「えっ!?」



まさかの出来事に驚く。



【そうか!良かったね!】





♪♪〜


【ゆっくり付き合ってみる】

【その変わり、何かあったら相談のって欲しい】



遠哉からだ。



【分かった。私で良ければ】

【ありがとう。遠哉。考え直してくれたんだね】



私は遠哉に返信する。



♪♪〜


【瑞生の友達だから悪い子じゃないって思って】

【とにかく、そういう事だから】




そして、二人の交際が始まったんだけど――――













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る