エピローグ

 朝、目が覚めると灰色のネズミがいなかった。書き置きはない。

「いるの?」

 その問いかけに返事もない。

 彼の気配だけがある部屋で、私は板チョコを一人で食べる。

「終わりだけれど終わらない。続くのに続かない」

 仕方ないなぁ、と灰色のネズミが笑った気がした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

オレンジ日和2022 葉原あきよ @oakiyo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ