第17話 北海道の同居人② 北海道 セタ イセポ

「ちょっと待て、俺が今日何をしたっていうんだ?」


 当然の質問に、姉のセタは怒って顔を赤くし、妹のイセポは恥ずかしそうに顔を赤くする。


「誤魔化したって駄目なんだから、あたし達見てたのよ、道雪があのデカ女に抱きついているのをね!」

「あれは岩手が倒れないよう支えてやってたんだが……」

「嘘言いなさい! そんな事言って本当はあの女の横乳堪能してたんでしょあーやらしー」


 その叱責に、妹のイセポがぴくっと反応する。


「……やっぱり、道雪くんも大っきいのがいいの?」


 嬉しそうに自分の立派なモノを見てから上目遣いに尋ねるイセポ、姉のセタは無表情で自身の胸をぺたぺたと触ってから、


「煩悩退散!」


 と言って道雪の頭に飛び蹴りを喰らわせた。


「と、とにかくあたし達は教育係りとして言わせてもらうけど、一八歳になるまであらゆる不純行動を禁じるからね!」

「じゃあお前らが俺の布団に入ってくるのはなんなんだ?」

「あたしらは人間じゃないからいいの! だいいちあんたなんてあたしらからしたら子供みたいなもんなんだから親が子供と一緒に寝るのは当然でしょ! あーもう今日はとことんお説教で拘束してやるんだから! イセポもいつまで動揺してんの!」

「あう、ご、ごめんなさいお姉ちゃん」


 それから二人のお説教タイムが始まるが、イスに座ってもなお二人よりも背が高い北海道は特になんの怯えも見せず、スッと両手を突き出し、不意に二人の頭を撫で始める。


「わわ、な、何すんのよこんなんで誤魔化そうなんて、って、イセポ何喜んでるのよ!」

「えへへー、ナデナデされちゃった」

(小動物……)

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