第9話 遅刻伝説 東京 大阪 北海道 沖縄

 校長の長い話がようやく終わると、突然体育館の扉が勢いよく開いて一人の女子が瞥ン急ぐ様子も無く歩いてくる。

「あっ、校長の話終わったとこ? いいタイミングにきたもんサー」

 当然彼女一人の行動で入学式が止まるわけもなく行事は進行するが生徒達の視線は明らかにその女子一人に向けられている。

 小学生と見間違わんばかりの小さな体に小麦色に日焼けした肌が印象的な彼女は一番後ろに立つ北海道と岩手の横を通って女子の列の前から二番目に並ぶ。

 入学式にこれだけ遅刻しても陽気な表情を浮かべる少女に、その隣に立つ東京と大阪は

ただただ呆れた。



沖縄:遅刻率日本一位、一時間や二時間遅れるのは当たり前、ビジネス系の大事な会議でも三〇分は遅れるらしい。



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