第10話 ちゅらしまうちな~は遅刻大臣 沖縄 東京 北海道 大阪 神奈川

「というわけで『美島・沖縄』と書いて『ちゅらしま・うちな』みんなよろしくなんサー」


 入学式が終わり、教室に戻ると小麦色の肌が印象的なやたらと小柄な少女は黒板に自らの名を書いて陽気な笑顔でクラスメイト達に自己紹介をした。

 東京と大阪があまりの遅刻ぶりに驚いているが彼女はまったく気にした様子は無い。


 入学式に遅刻してきた沖縄こと美(ちゅら)島(しま)沖(うち)縄(な)の後ろでは秋田、福島、鳥取、栃木の遅刻組みもいるが沖縄ほど陽気な顔はしていない。


「好きな食べ物はゴーヤチャンプルと沖縄ソバで趣味は――」

「ちょいタンマ、それよりもなんで入学式にこんな遅刻できるのかを聞かせてもらえる?」


 口を挟んだのは沖縄と差ほど変わらぬ背丈だが品のある美しさを持ったロングヘアーの綺麗な女子、神奈川である。

 続けて北海道も、


「同感だな……」


 と言って険しい顔をする。


「遅刻の理由? えーっと、まず部屋の掃除してそれからお洗濯してまだ三〇分しか遅刻してなかったから読みかけの小説読んで入学式始まって少し経ったくらいに寮を出たらあの時間についたんサー」

「「ふざけるな!!!」」


 北海道と神奈川が自分の机を殴った。


時間にルーズな県:一位 沖縄

 二位 秋田

 三位 福島

 四位 鳥取

 五位 栃木

時間に厳しい県: 一位 神奈川

         二位 北海道



 

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