第5話
じいちゃんは、豪快ないびきを持っていた。
私は豪快な寝相を持っていた。毎夜、寝床は、せめぎあいであった。じいちゃんはとっておきの作戦で、安眠できる方法を、発見した。私を胸辺りに横たわらせて、足で体を優しく包んで、眠ることで、いびきが、なるべく私に聞こえないようにして、寝相を足でブロックしたのだ。
なんとも妙案。
お通夜のお経を聞きながら、そんなことを思い出している。
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