第47話Uの謎(8)地下迷路のその先へ

天使の像がある美術館の後ろにある、廃墟となった灯台にて宝石箱を見つけた侑。

帰宅した侑は早速その宝石箱を開けた、するとそこにはルビー・エメラルド・サファイア・パール・ダイヤモンド・アメシスト・タンザナイトの七つの宝石が入っていた。

これが地下迷路の奥にある扉を開ける鍵になるというのだが、侑は紙に書いてあったことが頭に引っかかっていた。

「ある順番・・・、それがなんなのかがよく解らない。とにかくこの宝石に何か関係があるということに間違いない・・・。」

「侑様。そんなに難しい顔をなさらずに、落ち着いて考えればきっと答えはわかります。」

上条が思い悩む侑に、お茶を持ってきて言った。

「ありがとう、ところで上条さん。あなたならこの宝石たちを、どのような順番で並べますか?」

「私ですか?」

侑に言われて、上条は七つの宝石を適当に並べだした。

「とりあえず、頭文字の五十音順に並べてみました。」

「なるほど、確かにこの並べ方はありだね。でもこれで扉が開くのかは、解らないんだよね・・・」

結局、有は半日頭を絞って考えたが、答えは見つからなかった・・・。







その日の夜、侑は久しぶりにUからの封筒を受け取った。

「そうか、ぼくが謎を解き明かしてきたから、ぼくを呼んでいるんだ。」

侑は封筒から鍵を取り出すとあの宝石箱を持って、地下迷路への扉を開けて歩いていく。そして慣れた道のりを進み、Uの待つ部屋へと到着した。

『よく来たね、侑。生前の私が残した謎を解き明かし、よくぞここまできたことをほめてやる。さあ、いよいよ私が用意した最大の謎に挑戦する覚悟はあるか?』

「うん、覚悟はできている。謎を解くための宝石も持ってきたよ。」

侑は宝石箱の蓋を開けてみせた。

『うむ、それじゃあこの地下迷路の隠された通路へと案内しよう。ついてくるがいい。』

侑はUに案内されて、出口へ続く道とは別の道へと歩いていく。

そして扉へと到着した、扉には七つの枠があって、宝石と同じ形をしている。

『さあ、侑よ。この七つの枠に決められた順番通りに、宝石を当てはめるのだ。』

侑は宝石を手にとって順番に宝石を並べだした、まずは上条に言われたとおりに宝石を当てはめた。

しかし扉は開かない。

「あれ?この順番じゃないのか?」

『違うね、さあもう一度宝石を並べるのだ。ちなみに、この道は三回全て間違えると、この通路から出られなくなるぞ。』

「えっ!?それを早く言ってよ!!」

『ハハハ、言うわけないだろ?このまま謎が解けなければ、ここから出られなくなるぞ!さあ侑よ、謎に苦しむがいい〜!』

久しぶりに侑の嘲笑が聞こえた、侑は他にどんな順番があるか考えるんだ。』

侑は頭を絞って考えた。

「七つの宝石・・・、宝石・・・、宝石は鉱物・・、石・・・。」

『そんな石ばかり考えていても、答えにはたどり着けないぞ。』

石ばかりじゃだめ・・・、それじゃあ並べる順番にヒントがあるというのか・・・?

「五十音順じゃない順番・・・、一年、十二ヶ月・・・あっ!?」

侑は思い出した、確か誕生石というものがあり、誕生日の月ごとに石を持っておくと幸運のお守りになるという。

「もしかして、この順番か!」

侑は七つの枠に、アメシスト・エメラルド・ダイヤモンド・パール・ルビー・サファイア・タンザナイトの順番にはめていった。

するとガチャという音が聞こえた。

「これって、もしかして・・・」

「ああ、正解だ。君はこの扉の先に進むことができるぞ。さあ、どうする?」

侑の心はすでに決まっていた、侑は扉の奥へと足を踏み入れるのだった。






扉の奥は地下迷路の通路とほとんど変わらない様子だが、地下迷路よりも不気味な印象になっている。

「うぅ・・・、心なしか寒気がしてきた。」

そして侑は何かを踏んだ、侑が足元を見るとそれは骸骨だった・・・。

「ウワーッ!なんだこれ!?」

侑は腰が抜けてしまった、そして辺りを見回すとそこら辺に骸骨が散乱している。

「この人たちは一体なんだろう・・・?」

侑は更に先へと進んで行く、すると道が二手に分かれていた。

そして分かれ道には、問題が書かれ立て札があった。

「白を選んで進め。鳩・カラス」

そして文章の下には囲碁の碁石が白と黒で一つずつ描かれていて、矢印も交互についていた。

「これはどういうことだろう・・・?白を選んで進め・・・、つまり白のイメージに合うものを選べということか。」

つまりこの場合は鳩ということになるが、そう簡単な答えなのか?

「それよりも、この碁石が気になるんだよな・・・。この碁石には、必ず意味があるはずなんだよね・・・」

白と黒の碁石・・・、白と黒・・・、もしかして・・・!

「これって、白が黒で黒が白ということか?」

この考えに当てはめて考えると、この問題の場合は黒のカラスが正解だ。

「よし、正解はカラスだ。」

侑は右方向へと歩いていった、途中で侑は何か襲ってこないか、罠にはまらないか慎重になりながら、歩いていった。

そして侑は次の立て札の所へ到着した。

「黒を選んで進め。布・紙」

やはりこの立て札の問題は、あの二つの碁石のヒントに法則があると、侑は確信した。

そして侑は再び右の道を進んでいくのだった。













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