第3話恐怖の地下迷路

封筒の中の手紙を見た侑と健太郎、そこに書かれていたのは謎が書かれていた。

「なあ、このハック○○ンってなんだ?」

「うーん、これは言葉を合わせるということだね・・・。」

「じゃあサイを足して、ハックサインということ・・・?何だこれ?」

「うーん・・・あっ!!」

侑はここで閃いた。

「これって、○○に入る言葉とサイを足すということだよ!!」

「あー、なるほど!つまりショが入るから、ショサイということか。でもショサイって部屋、あるのか?」

「あるよ、ついてきて。」

侑は健太郎を書斎へと案内した、書斎は重雄の部屋となっていて侑は普段入らない部屋である。

侑と健太郎は、書斎にある引き出しを全て開けた。するとまたもや、Uのマークがついた封筒を見つけた。

そしてその封筒を開けると鍵が入っていた。

「これ、なんの鍵だ?」

『鍵を手に入れしものよ、扉を開けよ』

突然、低い声が聞こえてきた。

「な・・・なんだこれ?」

『鍵を手に入れしものよ、扉を開けよ』

突然聞こえてきた気味悪い声に、侑と健太郎は震え上がった。

「なあ、侑。扉ってなんのことだよ?」

「そういえば、屋敷の一番奥にある扉があって、恐ろしい場所に通じているって・・」

「恐ろしい場所・・・。侑、おれたちで行ってみたくないか?」

侑は健太郎の顔を見た、冒険家のようなワクワクした顔をしている。

「えっ!?でも、父さんがその扉を開けてはダメだって言っていたから・・・」

「なんだよ、別にいいだろ?扉の先に何があるのか、気にならないか?」

健太郎の質問に侑は戸惑った、恐ろしい場所だけど行ってみたいという好奇心もある。

もしこの誘いを断ったら、せっかくの友達を失ってしまう・・・。

そう思った侑は、健太郎の誘いに乗る選択をした。

「わかった、案内するよ。」

「そう来なくちゃ、それじゃあレッツゴー!」

侑は勇敢そうに歩く健太郎を連れて、あの扉へと向かった。

「それじゃあ、開けるよ。」

侑は健太郎に告げると、鍵穴に鍵を差し込んだ。

そしてガチャと鳴って、扉が開いた。

侑と健太郎が扉の先に入っていくと、そこは先が暗い地下迷路になっていた。

どこまでも暗く、灯りなどは全くない。そして飲み込まれそうな闇が広がっている。

「不気味だな・・・」

「どこまで続いているんだろう・・・?」

懐中電灯を持っていない二人は、怯えるようにただ先へと進んでいく。

進んでいく途中で曲がり道を進むが、果たしてどこに行き着くのか見当がつかない。

「ねえ、そろそろ来た道を戻ろうよ・・。」

侑が健太郎に言った時だった、今まで横にいたはずの健太郎が、突然いなくなった。

「健太郎くん・・、健太郎くん!」

侑は健太郎を呼んだが、返事はない。侑の声が地下迷路に反響するだけだ。

侑は怖さと罪悪感で涙が出た・・・、自分がもっと強く健太郎を引き止めていればこんなことにはならなかった・・・。

しかもいつの間にか侑も帰り道がわからなくなってしまった、このままではずっと地下迷路の中で暮らすことになる。

侑はグスッ、グスッと泣き出した。すると謎の声が聞こえた。

『少年よ、私の出す問題を解いてみせよ。』

侑は声に気が付いて辺りを見回した、しかし誰もいない。

「だれ・・・、だれなの?」

しかし謎の声の正体は解からず、代わりに侑の目の前に一枚の紙が落ちていた。

そこにはこんな文章があった。

『健太郎くんはどの列に並ぶ?

         ①あり、さいころ、たからばこ

         ②エクレア、センザンコウ、テクノロジー

         ③おりがみ、そうじき、トンボ

                       正解の番号の道を進め』

この文章は一体何だろう・・・?

何の関係もない言葉が三つならんでいる、この言葉にはどんな意味があるんだろう?

侑は考えながら先を進んで行く、すると三つの分かれ道にたどり着いた。

そこには①・②・③の立て札がそれぞれ立っていた。

「もしかして、この三つのうちの一つを選んで進めということ・・・?」

侑は考えた・・・、あり、さいころ、たからばこ・・・・。

「ん?あ、さ、た?もしかして!!」

侑は何かひらめいた、そして②の立て札の道を選んで歩きだした。

侑は直感で選んだ道を、不安に押しつぶされそうになりながら、一歩一歩進んで行った。

そして侑は扉に行きついた、その扉はこれまでのものとは明らかに違っている。

侑はおそるおそる扉に手をかけて、扉を開けた。

「ここは・・・?」

そこは広い部屋になっていて、大きな本棚にたくさんの本が置かれている図書室のような部屋だった。

『侑・・・、よく来たな。』

侑の前に現れたのは、帽子を深くかぶっていて顔が良く見えない、スーツ姿の男だった。

「あの、あなたは誰ですか?」

『私の名前は明かせない、仮にUとでも呼んでくれ。』

「U・・・、ここはどこなの?」

『ここは地下迷路の中心地だ、私はここで暮らしている。』

「それで、健太郎くんはどこなの?」

『ああ、君と一緒にいた子どもだね。彼なら大丈夫だよ、でもただで返さないよ。」

「えっ、それはどういうこと?」

『私の出す謎に答えられたら、健太郎くんを返してあげるよ。』

侑はUの言うことに絶句し、言葉が出なかった。



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