第3話 森でのご馳走狩り


 森の中に入ると、ジンは誰もいないことを確認して自分のステータスを確認してみる。


◇  ◇  ◇


前世:東郷 種族:人間 性別:♂ 年齢:5歳

レベル:7

HP :120

MP :120

STR:120

DEF:120

RES:120

AGI:120

INT:120


称号:風の勇者の守護者【最上位ハイエンド】 異世界転生者 剥ぎ取り小僧


コモンスキル

戦闘スキル

剣闘  (Lv10)

槍術  (Lv10)

体術  (Lv10)


魔法スキル

魔力視認(Lv1)


生活スキル

農作業 (Lv7)

料理  (Lv8)

掃除  (Lv9)

計算  (Lv10)

読み書き(Lv5)

裁縫  (Lv4)

話術  (Lv4)

礼儀作法(Lv5)

薬草知識(Lv4)

応急処置(Lv10)

念動力 (Lv10)


創作スキル

なし


固有スキル

異世界人補正

【船坂 弘】

最強への道(Lv1)

永久の戦場(Lv1)

【東郷 亮】

メニュー(Lv1)

守護心(Lv1)


ギフト

神の隠蔽

風神の祝福

精霊契約 (契約精霊)*****、*****、*****


◇  ◇  ◇


(やっぱり魔力があの光ってるモノか、魔力制御は体に纏うあの状態かな。それに精霊についてはネイロが俺の願いをかなえてくれたのかな。まだ見てないから、どうなってんのか分かんないけれど)


 見返してみると、やっぱり考えさせるものがある。追加で色々検証しないと、分かんないことだらけだ。


(でも、あんなチンピラを倒すだけで、レベルが上がったな。森でなんか狩っていくから、さらに上がりそうだなぁ)


 ちょっとだけ、ワクワクした様子でジンは森に入り、今日の目標を決める。


(今日は食料と野草の採取、それとレベル上げがメインになりそうかな。あと、魔力を操って何ができるのかの検証もしないといけないな)


 目標を決めて、森の奥へと進み獲物を探し始める。


*  *  *


(いた)


 ジンは標的を見つけた。相手はイノシシの姿をしていたが、前世の記憶にあった猪とは少し変わった姿をしていた。赤い目を持ち、体毛は黒色で、牙は大きく、樋爪は返しの様で、体長は2メートルの巨体だった。


(真正面からの戦闘だときついだろうな、気づかれない様に一撃で決めないといけない)


 そう決めて、ジンは魔力を纏い、武器を構えて、標的を見据える。そうして、隠れていた場所から飛び出し、気付かれる前に首を落として仕留める。


「ふぅ~」


 少し息を吐いて、呼吸を落ち着ける。落ち着いてくると、男から剥ぎ取ったナイフで、イノシシの素材の剥ぎ取りを始める。毛皮、肉、骨、牙に分けて、牙と肉を毛皮に包んで骨はその場に残しておく。数秒黙祷をささげて、その場を後にする。


(結局、身体強化以外の事をしなかったな。せっかくだしここで少し試してみるか)


 ジンは、特に何も思わず魔力を右の掌に集めてみる。そうやって集めた魔力を、浮かせてみたり、空中を動き回らせてみたりしてみる。そのまま数秒間動かし続け、木ぶつけてみる。


(何の反応もなしか。魔力自体に何かに干渉する力もないんだろうか?)


 ジンはそれから少し考えてみる。


(魔力に命令してみるのはどうだろうか?)


 ふと、そう思い。試しに風を起こすように命令を送ってみると……。


ビュゥゥゥゥゥ。


 いきなり目の前で、突風が起こり、目の前に木の葉が、激しく揺れた。


「おお~」


 興奮したように、目の前で起こった現象に声を漏らす。魔法のような現象、念力とはまた違う現象に、驚きと興奮を隠せず、年相応に顔に喜びを表す。だがすぐに表情を引き締めて、あたりを見回すが誰もいない。そのまま狩ったイノシシを担いで、森の中の探索を続ける。


* * *


 探索中には緑色の肌をした小人や、顔が豚の大男、鬼のような見た目の怪物、二股の蛇、体毛が紫の熊などと道中出くわしたが、全部剣で切り伏せて、仕留めていった。途中で野草を拾いながら、道中の食べられそうな動物については、担いでいったが、思い出したようにメニューにあった収納空間を使い始めて、かなり身軽な探索になった。かれこれ数時間探索して、行くと森の中にある泉が現れた。ジンは近づいてみる。


(水が確保できそうだが、あんまり綺麗じゃなさそうだ。飲んだら、おなか壊しそうだな)


 濁った水を見て顔を顰めた。改めて自分の顔を見てみると、髪と目の色は黒で、肌はカサカサ、ガリガリに痩せていたが、顔の造形はかなり整っていて、将来イケメンに育ちそうだった。その顔の特徴が日本人に近いものだと感じて、ビックリした。

 すると、水面がはねたかと思うと、いきなり何かが飛び出してきた。


「ジャァァァァァァ」


 ジンは間一髪でかわして、飛び出してきた敵を見つめる。見た目は巨大な蛇、青色の鱗や牙が鋭く怪しく光っていた。普通だったら恐怖で竦むところだが、ジンは敵を見つめて観察してみる。するとメニューが出てきて、大蛇の情報を映し出す。


◇   ◇   ◇


ゲビャビャ 種族:ベータポイズンスネーク 性別:♀ 年齢:27歳


レベル:47

HP :480

MP :470

STR:470

DEF:520

RES:470

AGI:470

INT:100


称号:森の泉の主


コモンスキル

戦闘スキル

噛み付き(Lv7)

縛り上げ(Lv6)

気配感知(Lv3)


魔法スキル

なし


生活スキル

潜水  (Lv4)


創作スキル

なし


固有スキル

猛毒噛み付き(Lv5)


◇   ◇   ◇


(名前を持ってる奴がいるとは驚いた、レベルや能力も他の奴とは桁が違う。称号通りにこの泉の主か)


 ジンは冷静に相手の事を見据えて、剣を構える。ベータポイズンスネークは取り逃した獲物を見据えて、躊躇もなく突っ込んで来る。ジンは一歩横に体を逸らし、その攻撃をかわし、その首元に向かって剣を振り下ろす。が、剣が硬い鱗に弾かれて、ベータポイズンスネークが体を震わせることによりジンは吹っ飛ばされる。


「ぐっ」


 痛みが全身に広がり、所々にかすり傷がつく。が、瞬く間に傷が回復して何事もなかったように、ジンが立ち上がる。


「ジャァァ、ジャァァァァ!」


 ベータポイズンスネークは驚いたようにジンを見つめるが、すぐに体を震わせて突撃を再開する。今度はさっきよりも早く、かなりの速度で突っ込んでくる。ジンは、魔力を体に纏わせてギリギリで躱す。十分に距離をとって手元に魔力を集中させて、さっきの突風よりも鋭く、細く、放出する。するとそのまま風が三日月状に放出され、ベータポイズンスネークの首元を捕らえてそのまま刈り取る。そのままベータポイズンスネークは頭と体が離れて沈黙した。


「今日一番の強敵だったな。取りあえず、血抜きと毒腺の除去をしよう」


 解体していくが、頭の使い道がなさそうだったので森の中に捨てて、体は収納空間にしまい持ち帰ることにする。


(狩猟の成果に関しては、十分だろう。これからの数にもよるが一週間くらい大丈夫そうだな)


 収納空間の中身を確認して、だいぶ日も傾いてるため、拠点に戻ることにする。


*  *  *


(確か、ここら辺のはずなんだが。………いた)


 あたりを見回してみると、すぐに身を寄せ合って集まっている孤児の集団を見つける。


「おい、生きてるか?」

「あっ!親分!!大丈夫だよ、みんなで街中駆け回って、言われた通りに布や木箱を集めてきたんだ!」


 カムが、ほめて欲しそうに横に積まれてる布や木箱を指さして言った。ジンは予想以上の成果に目を丸くしてみた。


「よくやったな。俺は獲物を狩ってきたから、みんなで食べよう。枯れ木と串もここに用意してるから肉を焼いて食べるぞ」

「焼くったて、ここには火なんかないがどうやって焼くんだ?」


 カムは不思議そうに首を傾げ、ジンを見る。ジンは落ち着いた様子で、袋から石板と枯れ木、イノシシもどきの肉、野草を出す。石板の下に拳位の石を、バランスを取っておいて、石の間に枯れ木を差し込む。石板の砂を払って、掌に魔力を集中させて火を生み出すように命令して、枯れ木に着火する。


「うおっ!!」

「すげぇ!」

「なにこれぇ!」


 孤児達は目を輝かせて、今の現象を見る。ジンはその様子を気にした様子もなく、調理を続けていく。用意していた肉を、ナイフを使って切り分けていき、動物の骨を削って作った串に刺して、熱した石板に乗せる。


ジュウワァァァ


 肉の焼ける香があたりに広がる。そこの市場にあった店で買った塩をつまんで、熱いのを我慢しながら塩を塗り込んでいく、早く食べたそうにする孤児を抑え込み数分したらひっくり返して裏面を焼いておく。そうして、出来上がった肉串を一人一人に手渡していく。


「うめぇ、うめぇ!」

「うまい!!」

「親分、すげぇ!!」


 一噛みする度に肉汁が出てきて、肉の味を引き立たせるように最低限の塩を使った香ばしい味が口の中に広がる。肉串の完成度に賞賛を送りながら、齧り付くように食べていく。孤児たちは、お代わり欲しそうにジンを見るが、それを予感していたように、焼いていた肉串を手渡していく。また、歓声をあげながら、肉串をほおばり始める。それを黙って眺めていた、ジンだが、孤児の一人が声をかけてきた。


「親分、これ、朝のおっさんが持っていたの。どうする?」


 手渡されてきた物は、一枚のカードだった。材質はプラスチックのようなもので、色は真っ黒で、文字のようなものが書かれているがジンには読めなかった。


「わからん、捨てる」


 そう言って、指で折って、真っ二つにして火にくべてやった。

 お腹が膨れた孤児達は、久しぶりに落ち着いた睡眠をとることができた。

 ジンはその様子を見て、収納空間——インベントリから少し短い廃材を手にして、ナイフで削っていく。そうして数分廃材を加工していくと、短いながらも木剣ができていた。そうして、人数分作っていき、きりの良いとこで切り上げて、身を寄せ合って就寝することにした。


【あとがき】

参考までにジンの今日の成長を載せておきます

◇   ◇   ◇


ジン (前世:東郷(とうごう) 亮(りょう))種族:人間 性別:男 年齢:5歳

レベル:17

HP :220

MP :220

STR:220

DEF:220

RES:220

AGI:220

INT:220


称号:風の勇者の守護者【最上位ハイエンド】 異世界転生者 追いはぎ小僧 討伐者


コモンスキル


戦闘スキル

剣闘  (Lv10)

槍術  (Lv10)

体闘  (Lv10)

射撃  (Lv10)

狙撃  (Lv10)

軍団指揮(Lv10)

作戦立案(Lv10)


魔法スキル

風魔法 (Lv1)

魔力操作(Lv2)

魔力視認(Lv2)


生活スキル

農作業 (Lv7)

料理  (Lv8)

掃除  (Lv9)

計算  (Lv10)

読み書き(Lv5)

裁縫  (Lv4)

話術  (Lv4)

礼儀作法(Lv5)

薬草知識(Lv4)

応急処置(Lv10)

念動力 (Lv10)


創作スキル

木工  (Lv10)


固有スキル

異世界人補正    

【船坂 弘】    

最強への道(Lv2)

永久の戦場(Lv3)

【東郷 亮】    

メニュー(Lv4)

守護心(Lv1)


ギフト    

神の隠蔽

風神の祝福

精霊契約 (契約精霊)*****、*****、*****


装備

武器 :黒鉄の剣

防具 :黒革の上鎧

装飾品:なし


◇  ◇  ◇

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