第53話 天使のてんちゃん 爆買い
天使のてんちゃん 爆買い
てんちゃんはセブンイレブンの商品が大好きだった。美味しいお菓子や食べ物がある。
一度でいいから爆買いをしてしまいたかった。
倹約家のてんちゃんにとってはこれはただの夢物語だった。
しかし、どうしてもやってみたかった。 すると、偶然にクロスワードの懸賞が当たり10万円だった。
ふと・・・。食べてみたいものが多くて実行してしまいたかった。
「てんちゃんの夢を叶えてもいいでしゅ。ずっとやってしまいたかったでしゅ」
嬉しい気持ちでお金を手にしてセブンイレブンで爆買いをした。
持ちきれない袋を二袋してしまった。
「なんて良い気分でしゅかね」
しめしめと家に帰ると女神様に見つかってしまったのである。
「てんちゃんなんてことしているの」
「て、てんちゃんの夢だったんでしゅ。全部食べたかったでしゅ」
「没収です」
「そ、そんな!てんちゃんの食べ物」
「駄目に決まっているでしょう。みんなに分けてこそ天使でしょう」
「わーん」
てんちゃんの夢は、はかなく消えてしまったのであった。
そんな気分で落ち込んで公園のベンチでブランコを漕いでいた。すると一人のお姉さんがてんちゃんが寂しくしている姿を見て声をかけた。
「どうしたの」
「セブンイレブンで爆買いして全部とられたでしゅ・・」
「一人で食べたかったの」
「夢でしゅ」
そうかと言ってお姉さんはパピコを出して半分に分けてくれた。
「おいしいでしゅ」
てんちゃんの心はどんどん晴れていくパピコだけ買えばよかった。
「いつか大人になったら爆買いしていいのよ。自分の稼いだお金だからね。君はまだ働いてないからお金をもらう大切さがわからないのよ。それに天使でしょう」
「そうでしゅ」
「みんなに幸せにするのが天使だから独り占めは良くないよ」
「そ、そうでしゅか?」
「パピコだけでも幸せになったでしょう」
こくっと頷いた。
「いい天使になってね」
と言ってお姉さんは帰ってしまった。
人から半分のパピコをもらっててんちゃんは幸せを感じた。うーん・・・。
でもセブンイレブンは楽しい店であった。
何故だろう。こころがほっこりである・・・。
おわり
天使のてんちゃん 星乃秋穂(ほしのあきほ) @HAUHAUTOUKYOU
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