第44話 天使のてんちゃん 洋服を買う

天使のてんちゃん    洋服を買う


てんちゃんは、なぜかいつも、ブルドックの洋服を着ている。どうやら好みらしくて女神様に洋服をねだるときは、ブルドックの服がいいでしゅ。しまいには女神様に頼んでメルカリで、ブルドックのアップリケを頼み自分で針と糸で縫い付けて着てしまうほどだ。

なぜか、こだわりがあるようで、スティーブ・ジョブズは服を選ぶのがめんどうでいつも同じ服を何着も持っているという自伝を読み。「自分も同じにするでしゅ」と言ったので

流石にそれはやめようと女神様は止めてた。てんちゃんは本が大好きで本には多額に使い込むくせに、おしゃれではないらしい。

この間は読んでいた本は「夢をかなえるゾウ」を全巻読んでいて「てんちゃんの夢は何?」と聞いたらにこにこしながら「みんなに敬われる神様でしゅ」ときっぱり言い放ちやっぱり普通ではないと女神様は頭を抱えた。

「神様、もうそろそろ、てんちゃんに洋服を買ってあげましょう。てんちゃん本に埋もれていますが、やっぱり天使なのでいい服を着させてあげたいです」

「そうじゃな。いいじゃろう。買ってあげなさい」

と神様は言ってくれた。

女神様は神様からお金を頂き、てんちゃんを呼んだ。

「てんちゃん。お洋服を買いましょう。」

「えってんちゃん。ブルドックの服がいいでしゅ」

やっぱりそうくると思って女神様はちゃんとメルカリでアップリケを買っておいた。

「てんちゃんの大好きなブルドックを買っておいたよ」

「め、女神様。てんちゃんに大ヒットでしゅ。お洋服に付けたいでしゅ」

「うん、うん、じゃあヨーカドーに行こうか」

「待ってくだしゃい。確か今度の日曜日が20%割引の子供服だと思うでしゅ」

「えっ・・・」

そういうとてんちゃんはチラシを探し出し女神様に見せた。

「てんちゃん。定価で買うよりこっちの方が健全だと思うでしゅ。お金の使い方次第では人生が変わるでしゅ」

「女神様も服を買うときは直観ではなくちゃんと考えた方がいいでしゅよ」

女神様は返す言葉はなかった。着ない服も多くありいっぱいあるのについ買ってしまいそのまま放置してしまうタイプなのである。

「てんちゃんって経済的よね」

「今更気づいたでしゅか?」

女神様は何も返す言葉が見つからなかった・・・。

                                おわり

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る