第41話 天使のてんちゃん 焼き鳥

天使のてんちゃん     焼き鳥


てんちゃんは、みんなが通う保育園で飼っているインコが最近元気がなくて心配だった。

昔はインコが脱走して、神様の頭に乗り一斉に網で捕まえたこともあった。

「神様、インコちゃん。元気ないでしゅ」

「そうじゃな。最近飛ばないし・・。」

そうなのだ、かごから出て歩く程度で飛ぶと床に転んでしまうのだ。

インコは「ダイジョウブデシ」と呟く、てんちゃんが育てて言葉を教えてあげたのだ。

「インコちゃん。死んだらどうなるでしゅか?」

「そうじゃのう。人間界に落ちて、もう一度生まれ変わるのじゃ」

「えっ・・・。そうなんでしゅか?」

てんちゃんはしばらく考えて一言言った。

「焼き鳥にして・・・。食べる?」

「それは、アカン」

それを聞いたインコは慌てて外に飛び出し逃げて行った。

「意外と元気だったんでしゅねー。インコちゃん」

いや、食われるのが恐怖だったのではないかと神様は思った。

                                 

                               おわり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る