第40話 天使のてんちゃん ハロウィン

天使のてんちゃん     ハロウィン


天国でも秋になりハロウィンがやってきた。子供たちはどんな仮装をするのか、お菓子を大量にもらいたいと話していた。もちろん、てんちゃんも話を聞いて焦っていた。

「女神様、てんちゃん、とても良い子だし、天使だしハロウィンには参加できないでしゅか。お菓子もらいたいでしゅ」

「うーん・・。てんちゃんも仮装しよう」

「えっ・・いいでしゅか?」

女神様は子供服を探して、てんちゃんにあうサイズのタキシードを見つけて早速、メイク道具をカバンから取り出した。

「てんちゃん。何になるでしゅか?」

「出来たらの。お楽しみよ。ふふふ・・。」

女神様は気合を入れてメイクをてんちゃんにほどこした。やたらに凝ってしまった。

「やばいわ・・・。私って凄い」

完全に遊ばれているような気がしてならなかった。

「できたわ!」

「てんちゃん。何になったでしゅか?」

「ドラキュラよ」

気がつけばドラキュラというより宝ジェンヌになっているのだが、てんちゃんは知らないので鏡を見て、「美しすぎましゅ」と呟いている。

「てんちゃん!ドラキュラかっこいいでしゅ。みんなとお菓子をもらいに家をたずねに行くでしゅ」

「いってらっしゃい。」

女神様はしばらくして、やりすぎちゃったかな・・・。と思ったがてんちゃんが意外にも大量のお菓子をもらってきた。と同時に携帯でいろんな方に撮られたみたいだった。

「てんちゃん。大量にお菓子もらったでしゅ・・・。」

「それはよかったね。」

「ただ、宝ジェンヌみたいと言われてしまったでしゅ」

「あー・・・。ドラキュラなのにね」

「そうでしゅ!」

ちょっと目頭が赤くなっていた。

「でも、お菓子は誰よりもいただいたでしゅ。結果オーライでしゅ」

今日はてんちゃんはドラキュラではなく宝ジェンヌの日になってしまった。

                                おわり

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