第35話 天使のてんちゃん 柿とり
天使のてんちゃん 柿とり
天国ではすっかり秋になり、てんちゃんの住んでいる庭に柿木があり、今年は大量にとれそうだった。
「あー。柿おいしそうでしゅね。」
「てんちゃん。天使の羽があるから、頼むからとってもらえる?」
女神様は柿が大好物だった。
「いいでしゅよー」
てんちゃんはパタパタと羽を動かし、いい感じの柿をとっていく。
女神さまはてんちゃんの姿を見て、ミツバチや蝶々みたいだなーと思った。
「てんちゃんの姿見てるとなんとなく姿が・・。」
「サルではないでしゅよ。猿蟹合戦みたいな。サルだと思ったんでしゅか?」
「え?」
「てんちゃんはみんなに柿をあげるでしゅ。あんな絵本と同じにしないでほしいでしゅ」
「いや・・。そんなこと思ってないわよ」
「てんちゃんはいい子です」
「そうね。わかっているわよ。」
ミツバチと言おうと思ったが、言えることが言えなかった。
てんちゃんが、柿を取り終わり、1個そのままかじりついている姿をみて、でも時々てんちゃんておさるさんに見えることがあるなーと思った。
てんちゃん、今年も柿とってくれてありがとうね。と耳元で女神様が囁いたらてんちゃんは顔を真っ赤になって俯いた。ちょっと照れていた。
美味しい柿をありがとうてんちゃん・・・。
おわり
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