第22話 天使のてんちゃん 鬼滅の刃にはまる

天使のてんちゃん、鬼滅の刃にはまる


最近天国でも鬼滅の刃ブームが巻き起こっているのだ。みんなで鬼滅の刃を読み、主人公

の炭次郎役が誰がやると毎日、鬼滅の刃ごっこをやる始末である。

女神様と神様が悩んでいた。

「神様、子供たちが、毎日遊びに鬼滅の刃遊びしているのですが問題です」

「うーん・・・。やばいですなあ・・。とくにてんちゃんが何か言いだしてくるかも」

しばらくして、やっぱり問題児のてんちゃんが神様のもとにやってきた。

「神様、てんちゃん本物の鬼退治したいでしゅ」

「え!」

「天国のみんなで鬼滅の刃やってるんでしゅけどあきましたでしゅ」

「いやー。それはできないわ」

「地獄には、沢山鬼がいるでしゅ」

ヤバい転回だ。

「てんちゃん、地獄へ一度鬼退治に行きたいでしゅ」

「てんちゃん、鬼さんたちは、悪いことした人間に罰を与えるわけであって、決して好き好んで、人間を苦しめているわけじゃないよ。ちゃんとしたお仕事です」

てんちゃんは鬼滅の刃ですっかり鬼は悪者と勘違いしているようだ。

「てんちゃん悪いことしてないでしょう」

「してないでしゅ」

「てんちゃんは天国にいてね。地獄は恐ろしい所なんだよ」

「そうでしゅか。」

「てんちゃん、鬼滅の刃の鬼。怖かったでしょう」

「怖いでしゅ。でも、主人公の炭次郎、カッコいいし優しいでしゅ」

女神様が一冊の絵本を渡した。それは地獄という絵本だった。

「これ読みなさい。てんちゃん」

てんちゃんはじっくり読んで、時々泣きそうになって恐怖におびえていた。

「てんちゃん。地獄に行きたくないでしゅ。でも、炭次郎のおもちゃの剣欲しいでしゅ」

女神様と神様は今年のクリスマスは、鬼滅の刃のおもちゃ大量に買わないとヤバいと思った。今年は、コロナで大変だったなー。天国もつくづく実感した。

 

                                  おわり

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