第20話 天使のてんちゃん 宝くじの夢をみる

天使のてんちゃん。宝くじの夢を見る。


てんちゃんが夢を見ていた。なんと、7億も当たってしまう宝くじの夢を見てしまった。てんちゃんは朝早く起きてこのことを誰かに伝えないといけないと思った。

「神様。大変でしゅ。てんちゃん。7億も当たってしまう。夢見たでしゅ」

「あー。夢なら当たらんよ」

「ど、どうしたらいいでしゅかね」

「今、4時だから。もう一度寝なさい」

「そんな大きなお金もったら詐欺にあってしまうでしゅ」

天国にはそもそも人間界のように宝くじ売っているような場所もないのに、てんちゃんはいつも人間界を観察しているので、そのような夢を見たんだなーと思った。

「てんちゃん。7億あたったら毎日高価な100円アイス食べるでしゅ。」

「腹、毎日食べたら壊すよ」

「じゃあ、金曜日。食べるでしゅ。仕事の疲れをいやすでしゅ」

「そうしなさい」

てんちゃんは毎週のごとくアイスを金曜日に食べているのに、毎日あと何日でしゅと作業広告書にもカウントダウン書いている。それをみるたび、微笑ましく思っていた。

「じゃあ、寝るでしゅ」

「そうしなさい」

てんちゃんはそう言って、無理やり神様を起こしたくせに、自分の部屋でもう一度、寝てしまった。神様も変な時間に起こされたのでかえって眠れなくなった。

朝食の時にはてんちゃんは宝くじの夢はすっかり忘れてた。

神様は寝不足で、うとうとしてたら、てんちゃんはビシと言った。

「神様、うとうとしてたら、みんなの見本にならないでしゅよ。もっとしっかりしてくだしゃい」

お前が起こしたせいだろうが、と言いたいけれども我慢した。そういえば今日は金曜日だから、神様も久しぶりにアイス食べようと思った。

7億円当たってもなくてもお金の使い道あんまり関係ないか。まあ、そもそも宝くじの夢は夢であり現実には毎日働かなきゃいけないなーと思った。

                                  おわり

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