第16話 天使のてんちゃん 天使準2級の資格を取る
天使のてんちゃん 天使準2級の資格を取る
朝からてんちゃんが、郵便屋さんをまだか、まだかとポストの前で、何回も行き来している。
神様がてんちゃんは、何を待っているのだろうかと気になった。
「てんちゃんは、何をそんなにまっているんじゃ?」
女神様は微笑んで、そっと教えてくれた。
「天使準2級の資格の通知を気にしてるんですよ」
「えええー。てんちゃんが天使準2級の資格。マジでそうなの」
「はい!嬉しいですよね。一生懸命コツコツ図書館で勉強していたんですよ。てんちゃんの受験会場まで連れて行ってあげたんですよ。」
「ほーう。でも、子供には難しすぎるじゃろう。無理無理」
神様はひらひらと、手を振った。
「いえ、何しろ。てんちゃんは本気出すと凄いんですよ。それに神様応援してたじゃないですか」
「えっ・・・」
神様はいつ応援したかさっぱり忘れているようだった。もう、と言って女神様は自分の頭のリングに手をやると映像が映し出された。
神様が美味しくお酒を飲んでごろねしてるところに、てんちゃんがやってきた。
「てんちゃん。もっと上の天使になるため受験するでしゅ」
「ほーう。それはいいことじゃなあ・・・。何級?」
「天使準2級の資格」
「はははははは、大人でも5年もかかる。資格じゃな。無理無理」
「じゃあてんちゃんが受かったら、ご褒美くだしゃい」
「土地でも家でもなんでも買ったるー」
神様はぶっとオナラをこいて大笑いしていた。その映像見たとたん神様は青ざめた。
「ど、ど、ど、どうしよう。女神様」
「てんちゃんは何でもできる子です」
しばらくして郵便物が届いた。早速てんちゃんがうけとると、封筒をやぶいた。
「てんちゃん。ついに天使準2級の資格とったでしゅー。」
女神様は、パチパチと手を叩いた。てんちゃんはニコニコして神様のもとへやってきた。
「てんちゃん、天使準2級の資格とりました。神様覚えていましゅか」
「うあああ・・・・。この年で30年ローンを組まなくてはならないのか」
「何を言っていましゅか。神様はお金なくていつも、おろおろ神社のお賽銭見ているのが日課じゃないでしゅか。」
「てんちゃんは、あれが欲しいでしゅ」
お供え物の大福だった。
「あら?てんちゃん。それでいいの。」
「神様がいつも美味しそうに食べているので食べたいでしゅ、それにてんちゃんは、心暖かい慈悲の心を持つ天使になりたいでしゅ」
「てんちゃん。ありがとう」
神様は、しっかりとてんちゃんに土下座した。
「うふふふ・・・。よかったね。てんちゃん」
女神様はにこにこしていた。実はあの映像の後、てんちゃんは、オナラをした神様を怒り
とったら土下座でいいでしゅと言ったのであった。
てんちゃんは、優越感に浸るのが心地よいようだ。
おわり
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