第15話 天使のてんちゃんの貯金箱

天使のてんちゃん貯金箱


今日のてんちゃんは機嫌がよかった。何しろ一か月に一度のお小遣い日だ。

日頃、図書館で本を借りて読んでいるが、自分のお小遣いで好きな本を買うのはしあわせである。もうそろそろ貯金箱が重くなっているのでやっと買える。としていた。ところが

貯金箱を持った途端青ざめた。

「てんちゃんの貯金箱めちゃくちゃ軽い。なんででしゅか?えっじゃらじゃして重く無い」

女神さまもびっくりして貯金箱を持った。

「えっどういうこと、誰かにとられたの。てんちゃんのお金」

てんちゃんは泣き出した。自分の大切なお金がないのだ。周りの子もおろおろしていた。すると神様がやってきた。

「どうしたんじゃ、てんちゃん」

「てんちゃんの貯金箱が音がならない。なくなったでしゅ。ショックでしゅ」

「ああ、それには問題ないよ。てんちゃん」

「え?」

神様はてんちゃんの貯金箱をあけた。すると2000円、硬貨ではなくお札が入っていた。

「なんで、お札なんでしゅか?」

「神様、小銭欲しくて、てんちゃんの貯金箱の100円玉を両替してもらったのじゃよ。いわなくてごめんのー」

ぷるぷると震えだした。そして一言言った。

「くそじじい。お前の神様の資格なんていらんわーボケー」

女神さまはびっくりしたが、神様のしたことは許せない。

神様は一週間みんなに無視され、神様はひとりでぽつんと過ごした。てんちゃんに何回も詫びてやっとみんなと話せるようになった。いつのまにやら神様より信頼されている。

てんちゃんだった。  


                                   おわり

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