第12話 天使のてんちゃん 父の日

天使のてんちゃん 父の日


6月に父の日があるが、似顔絵を描くことになって、子供たちに描かせる父親のモデルを検討していた。

神様が照れ臭そうに手をあげた。

「女神様が母の日なら、どうじゃろう。わしなんかいいじゃないんじゃなかろうか」

「却下」

女神様が机をたたいて言った。

「父の日なのに敬老の日になるじゃないですか!」

他の神様と違う地区の女神、神様たちが頭をかかえた。

「福山雅治、のそして父になるという映画がよかったので、みんなのイメージにぴったりじゃないですか?」

「子供たちに、福山雅治の似顔絵描かせちゃ、みんな勘違いしますよ」

「ではどうでしょう。自分の理想の父親を描かせるんです」

「えっ・・・」

「自分のお父さんはこういう人がいいという人物を描くスポーツ選手。芸能人、小説家、宇宙飛行士。」

「理想の父親です。いいですね」!

会議の結果そうなった。事前に子供たちに絵のモデルにしたい有名人の写真を用意してみんなで書いた結果。

「うーん・・・。これは、果たして父の日といえるのだろうか・・・・」

みんなばらばらの芸能人で埋め尽くされた。羽生結弦、佐藤健、菅田将暉、星野源、サンドイッチマン、とにかくこの芸能人の子供に生まれ変わりたい人物になっていた。

「うーん・・・。なんか子供たちの想像力凄いなー」

もはや、父の日ではなかった・・・。ただの似顔絵大会だった。

                                 

                                   おわり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る