第11話 天使のてんちゃん 母の日

天使のてんちゃん 母の日


てんちゃんと子供たちは、母の日にちなんでお母さんの似顔絵を描くことになった。それぞれの事情もあり、記憶にはない子が多いでも、お母さんがいなければ自分は誕生していないので、とりあえず教育の目的で、お母さんの代わりに女神様をモデルに似顔絵を描くことになった。

てんちゃんはあいからず、抜群の上手の絵を描き上げた。

みんなが凄いと喜んでくれた。

「てんちゃん、カーネーション買ってきたいでしゅ」

「えっそうなの?」

「いいでしゅか?。てんちゃんお小遣いで買ってきましゅ」

「いってらっしゃい」

他の子供たちは、似顔絵を描き終わったら自由に遊んでいた。女神様はてんちゃんが少々きになったが、そのまま部屋を片付けていた。

てんちゃんは一輪のカーネーションをもって女神様にプレゼントしようと戻ってきた。

「てんちゃんのカーネーションもらってください」

「えーいいの?女神様嬉しくなっちゃう」

日頃感謝しているのかしらと思ったらてんちゃんが一言言った。

「てんちゃん。深くは追及しないでしゅが、女神様がてんちゃんのお母さんでしゅよね」

「えっ・・・」

「わかっていましゅ。それくらい。てんちゃん隠し子でしょう」

てんちゃんはウインクをして子供たちの中へ入っていった。

「誰がじゃ!」

女神様はプルプル震え出した。こんな、母の日に怒りを覚えたのは初めてだった。こんな計画を立てた神様を恨んでも、他に仕方がないが、誰がそんなことを吹き込んだか見つけ出してぶっ飛ばすと誓った女神様だった。

                                  おわり

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