幕間2 狩りへ行こうよ!
出来上がって来た装備は、わたし的には中々にカッコ可愛いくて、テンションがダダ上がる代物だった。
アンダーのベストタイプのコルセット、肘まであるグローブ、膝上まであるロングブーツ、肩当ても着け、その上からケープを羽織る感じ。
そしてスカートは黒いレザーのタイトなミニ!
腰回りには、ウルフの毛皮で出来た尻革を巻いて垂らしてる。これはアレだね、JKが腰に上着を巻いてる感じだよね!
コルセットも、丈が短く前の下部が逆V字に開いているので、お臍がコッソリ覗いてる。
ロングブーツから伸びるサイハイソックスと、スカート間の絶対領域と合わせて、とっても眩しいんじゃないのかしら?ないかしら?!!
革製のグローブやブーツは、何層にも革を重ねられていて、手甲や脛当てとしての機能も果たしてる。
やはり幾重にも革を重ねたコルセットも、最早補正具では無く立派な防具だ。
沢山付いているベルトを締める事で、細かなサイズ調節も可能なのだ。
育ち盛りの身としては、嬉しい機能ですよね!
コルセットの下に着ているキャミも、胸元にギャザーがタップリ入っていて可愛い!後サイズが2つ位大きくも入りそうな程だ。
べ、別に!今の中身が小さいと言っている訳では無いのですからね!!
届いた装備をお家で身に着けて
もう気分はアゲアゲだったので、二つ返事でオッケーした!
まあ、そうは言っても子供達だけで森の中へ狩に入るには、色々と許可やら手続きが必要になるんだけれど……、そんな色々な手配やら手続きは、ハワードパパがやってくれたので、二日後に早速狩りに行くことが決まってしまった。
急な話だったのに、いつもの女子8人全員が参加だ。
そして狩り当日は、壱の詰所前で待ち合わせ。
初めての狩りで、皆に装備のお披露目なのだ!
ンで、ま、分ってたけどね……。
こうなるってのはある程度、予測はしてた訳よウン。
やっぱりって言うか、予想通りって言うか、案の定って言うか……捏ね繰り回されたわけですよ!お姉様方にね!!
またまた目ン玉グルッグルですわよ!
そりゃね、ミニスカで生脚出したのは初めてだと思うけど!
カーラぁ!う、内腿さすっちゃダメだからぁ!
ジェ、ジェシカはクンカクンカしにゃいでぇ!
お、押し付けてるコレはコリンの?!アリシアの?
うにぃぁぅンん!ダーナ!掴むの無しぃぃ!ほら!詰所の団員の方達がビックリしてるから!!あ!ミア!アンタお家で見てたじゃにゃい!なんでまた抱き付いて……ン!にゃぁっん!!ソコは!……て、手を、入れちゃ……っ!ンにゃあぁぁんぁっっ!!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
つ、疲れた……。疲れましたわよ!
狩りに出る前から呼吸が乱されるとか何よコレ?!
今、詰所前に置いてあるベンチで脱力して、ヘタリ込んじゃってますわよ!
きっと今のわたしの眼は、光彩の無いレ〇プ目ってヤツになっているに違いない!!
でも、ま何時もの事っちゃ事なんだけどね!
しかし、今日のは何時にも増して、激しかった様な気がするのは気のせいか?
ミニか?!ミニスカのせいなのか?!!
何はともあれ、皆一通り撫で回し終わって満足した様で、今は落ち着いていらっしゃいますが……。
ホントわたしの立ち位置って一体何なの?!やっぱり愛玩的なナニかなのかっ?!!
で、ベンチに座って一息つきながら、皆の装いを改めて見回しているわたしであった。
皆の狩り装備を拝見するのも、これが初見だしね。
カーラの装いは、前に手合せした時と同じ黒い忍び装束(?)だ。
只、やはり装甲付きのグローブとブーツを着けている。
それと胴回りにコルセットも。
コルセットなんだけど、和風っぽい衣装なので帯にも見えるんだよね!
アリシアは案の定、手足の装備の装甲がゴツイ。
手足が一回り大きい金属製になってるみたいだ。
肘膝にも凶悪そうな金属製の棘が付いてる。
これで殴られたら、かなり相当痛そうだ。
ダーナはアオザイをベースに、やっぱりコルセットに肩当てとグローブ、ブーツ。
うん、思うんだけど、これは基本セットなのかな?
後衛の子達も、コルセット、グローブ、ブーツは一緒なんだよね。
サイズや形の違いこそあれ、これって基本装備なのかしらん?と思って聞いてみたら……。
このコルセットのシリーズって、今の流行なんだって!!
だから、胸当てとか装備してる人も居るし、騎士系の人ならフルプレートのセットだし。
び、び、ビキニアーマーとかもあるって話!!
何と云う事でしょう!わ、わたしは着ないけどね!でも見たいけどねっ!!!
後衛は皆、ドレスっぽい衣装で合わせてる。
フリルが幾重にも重なったティアードスカートだったり、後ろが長いバッスルスカートだったりと。
うん、でもやっぱりドレスセンスは19世紀って感じだね!
ビビなんかは髪を纏め上げた所に、ポーラーハットを乗せてるし。
コリンの頭にも、小さいシルクハットが乗ってる。
ドレスアーマーってトコなのかな?
それにしても一際目に付くのはミアの格好だ。
わたしと同じアンダーコルセットだから、胴回りが絞られ、胸元が依り迫り出ている!
全く持って、ナンってけしからん堕肉であろうかっ!
白いブラウスをコレでもかと突っ張らせ、コルセットから零れ落ちそうに、タップンタップンさせておる!
オノれー!後で思う存分揉みしだき捲くってやるっ!
もうそれこそグニグニムニュムニューッと!!グヒッ!
えー、因みにー、後衛の子達は皆杖は持っていない。
その代り、利き手のグローブに『
コレが、魔力発動時の媒体となる。
つまり杖代りだ。
普通に杖を持っている人も居るらしいけど、やはりこの手ぶらで魔法を使うスタイルが、今の流行なのだそうだ!
でも、これから森の中に狩りに行くのに、こんなスカートとかで良いのか?とも思うんだけど……。
なんでも、このスカートの生地にはミスリルを使った銀糸が使われていて、裏地にも魔法印が細かく刺繍されているのだそうだ!
それに依って、装備内で魔力の循環率を上げて、魔法威力を上げたり魔力回復を助ける効果が上がる。
だから後衛職の女性にとって、この襞のタップリあるスカートは必須装備だったりするんだって!
でも男性はどうするの?と聞くと……。
男性はローブやコート、ケープやマントで、同じ様に魔力循環を上げる処理を施しているそうだ。
女性の場合は、実用性と見た目重視でドレスタイプを選ぶ人が多いと言う事なんだって!
女子はやっぱり女子なのねーって感じだね!
ま、ドレスっぽい言うても、森の中へ入る訳なので、そこまでズルズルとした物では無いんだけどね。
ティアードスカートのビビとミアも丈は膝上だし、バッスルスカートのコリンとジェシカは眩しい太腿が顔を覗かせてる。
コレあれだね!19世紀頃の衣装に、革鎧のセットって何かで見たような気がしてたけど、あれだよアレ!『スチームパンク』な世界観のファッションだ!
内燃機関どころか蒸気機関も無い世界で、『スチームパンク』ってのも可笑しな話なんだけどさ!
『スチームパンク』って内燃機関の代りに、蒸気機関が発達したIFの世界観のことでしょ?
だからこの内燃機関が無く、魔法技術が発達してるこの世界は『マジックパンク』って事で良いのかな?
いや、エーテル理論と技術が発達しているから、『エーテルパンク』か?
ンで、そんな『エーテルパンク』な装備に身を包んだわたし達は、森の中のセーフゾーンへと入って行ったのだ。
子供達の狩りは、基本、森のセーフゾーンでする事になっている。
セーフゾーンと言っても、危険が全く無い訳ではない。
普通に森で生息する獣は居るし、比較的弱い魔獣も湧く。
尤も、こんな浅い層で湧く魔獣は、正規の団員なら片手間で草を刈るように狩れるし、子供達でも十分対応出来る。
なので、子供達にとってセーフゾーンでの狩りは、実戦経験を積む場として十分に役立てられているのだ。
皆の狩りは、基本的に前衛と後衛がペアになり行う。
今回の場合は、ペア四組で行動するという形だ。
前衛はカーラ、アリシア、ダーナ。
後衛、魔法ディフェンスがジェシカ、コリン、ビビ。
そして魔法オフェンスのミアだ。
カーラとジェシカ。ダーナとコリン。アリシアとビビ。
そしてわたしとミアがそれぞれのペアだ。
わたしたち以外の三組は、其々ペアで三角形の布陣を取り、その頂点を先頭にして、三方を警戒しながら森の中を探索して行く。
いざ戦闘が始まれば、後衛は自分の相方のダメージコントロールにのみ集中するので、経験の少ない子供でも、大きく魔力のロスをする事が少なくて済むそうだ。
わたしとミアは、その三角形の中心に位置取りしている。
魔法攻撃職のミアは遊撃手的な位置付けで、前衛の戦闘状況に応じて魔法を打ち込んで行くのだ。
わたしはその護衛みたいな立場だね。
森での探索は、本来ならまず斥候役のカーラが活躍する所なんだけど……。
このパーティには、ビビのアルジャーノンが居る。
アルジャーノンは、広範囲の小動物達と感覚が共有出来ると言う能力を持っている。
この能力を使って、レーダーの様に周りに存在している物を察知する事が出来るのだそうだ。
それをビビが、アルジャーノンとチャンネルを合わせる事で感覚を共有し、その情報を皆に伝えるのだ。
その精度はわたしから見てもかなりな物だった。
そんな訳で、カーラが口を尖らせて、つまらなそうにブーブー言っていた。
そんな中、最初に出くわしたのは『スタージラット』と呼ばれる魔獣だった。
蝙蝠とムササビの合いの子の様な姿で、木の上から滑空して来た。
大きさは猫ほどで、体毛が殆ど無く、鋭い爪と牙を持つ吸血種だ。
それが5体、次々と襲ってきた。
真っ先に反応したのはカーラだ。
索敵で活躍出来なかった憂さを晴らす様に、向かって来た一匹目に素早く何かを投げ付けた。
トトトン!と投げ付けた刃物が3つ、スタージラットに刺さりそのまま射落とした。
投げ付けたのは
ま、分ってたけどね。忍びの人だものね!
次に仕留めに掛ったのはダーナだ。
得物が長いからね。
槍の端を片手で持ち、狙いすまして伸び上がり、スタージラットを貫いた。
槍を突き上げて跳び上がる様は、まるで小型のミサイルみたいだったよ!
更にアリシアが跳び上がった。
木の幹を次々と蹴り、三角跳びの様に上空に上がっていった。
スタージラットは地上3~4メートル程の所を飛んでいる。
その空中に居る獲物を、更に上から蹴り落としたのだ。
もう、完全に空中殺法!黒と黄色のマスク着けて良いんじゃないの?
残りの2体はミアがアッサリ落した。
《ブランチ・スピア》
木々の枝が何本も槍の様に伸び上がり、敵を貫く植物を操る攻撃魔法だ。
ミアは土と水の属性持ちだ。
この2つを融合させて、植物に影響を与える魔法が得意なのだそうだ。
「茨を扱うのが一番好きなんだー」と仰りながら、ミアさんが眼が細めてコチラを見た。
な、なんだろ?その目を見られると、背筋にゾクリと走る物があったよ?!
それから『ボーンスパイダー』と言う、骨で出来た蜘蛛みたいな低級のアンデットが出た。
コイツは頭蓋骨みたいな蜘蛛のお尻部分を砕くと簡単に倒せた。
動きが、ホントに蜘蛛みたいでメッチャきもかった!
アンデッドって、アムカムの森の中でも、湧いて出るポイントみたいのが幾つかあるらしく、ここから西の方にもあるってジェシカが教えてくれた。
ゾンビとかスケルトンとか、あんまり強くないって話で、カーラに今度行って見るか?と聞かれたけど……。なんかこのボーンスパイダーもそうだけど、ゾンビとか骨とかってさ、やっぱきしょくね?
なので、遠慮すると言っておいた。アリシアも「そーだよねー」て笑ってた。
その後も『ソイルキャップ』と言う昆虫の様な顔と爪を持つ、毛の無いオラウータンの様な魔獣。
これはチョット強敵だったらしく、皆で連携して立ち回った。
アリシアがタンカーになって攻撃を引き受け、ダーナとカーラでダメージを与えて倒した。
こんな風に、中々順調に森の中の魔獣を狩り取って行ったのだ。
この人数で、この位の強さの魔獣なら、安定して狩れているそうだ。
でも、わたし的には魔獣の強さは全部真っ青に感じているので、どれがどれ程度強いのか弱いのか、今いち良く分かん無いんだよねー。
正直言って、折角ハワードパパからショートソードを二本お借りして来たけど、使う機会が無いので手持無沙汰ではあるのだけれど……。
それでも、ま!皆が安全マージンで狩り出来てるから、全然良いんですけどね!
でも、そいつは突然やって来た。
そいつが現れた時、皆の緊張が一瞬で張り詰めた。
今までの物より、幾分強い相手なのだろうと云う事が判る。
それは体長2メートル程の大サソリだ。
タゲると『レッドデスストーカー』と認識出来た。
何だか、しつこそうでヤな感じの名前!
見る間にアリシアが吹き飛ばされた!
どうやら思った以上にパワーが有る様だ。
ダーナの槍も弾いた。
カーラの動きにも合わせて攻撃を繰り出している。動きも速いのか。
ミアの魔法も殆んど効いてる感じが無い。
カーラが切迫感が募る、覚悟を決めた様な顔になった。
あれ?コレやばい奴?カーラのそんな顔見たく無いよ!!
大サソリの、毒針を持つ尾節がカーラに迫る。
あ、これ躱しきれない?不味い!!
直ぐ様飛び出し、右の剣を斬り上げてその尾を叩き斬った。
そのまま左の剣も抜き放ち、胴体を頭から縦に真っ二つに斬り開く。
そいつを屠ると同時に、周りに居た他の個体も集まって来た。
仲間がやられた事を察知してるのかな?更に4体のサソリが視界に入って来た。
カーラ達の顔が強張っている。
やっぱりコイツらはカーラ達には手に余るのか……。
最初から居るのは分ってたけど、この辺に出てくるMobなら問題無いのだろうと高を括ってた。
これは反省案件だ。
全部真っ青だから強さの区別がつかない……。とか言ってる場合じゃない!
もっとシッカリ、相手の実力を測る様にしないとダメだ!
気配の大きさ、内包する魔力の強さとか、もっと細かく探って強さの違いをキッチリ把握出来る様にしないといけない。
こんな失敗、この後も幾らでもやらかしかねない!
そんな事を考えながら、残りの4体を素早く処理をした。
処理をしたのだけれど!!!
最後の一体ぶった斬ったトコロでっ……!
剣が折れたぁぁぁぁぁぁーーーーっっ!!!
うぎゃーーーン!ハ、ハワードパパからお借りした物なのにぃぃぃぃ!!折角お借りしたのにぃぃぃぃーーーっっ!!!
二本ともポッキリとぉぉぉぉぉ!!!
『氣』を籠め過ぎてしまったのだ!
ついキャパを大幅に超えて、籠めてしまったから、剣そのものが高密度の『氣』の圧力に耐えられなかったのだ!
うぎゃぎゃぎゃ~~~~~っっ!と叫び、その場でペタリと座り込み、折れた剣を拾い上げエグエグと泣き出してしまった。
アウアウしていると、ジェシカが傍に寄って来て。
「だ、大丈夫スー?怪我したの?どっか痛いトコロあるの?」
「あぅ、ジェシカぁ・・・剣が、折れちゃった・・・のぉ」
「え?剣?えっと……痛いとこは?」
「無いのぉ・・・剣がぁ、お借り、したのにぃ・・・あぅ」
「あ……そう、そうなのね?怪我は無いの……ね」
「レッドデスストーカー相手だもん、剣も折れるよ」
と、ダーナが言って来た。
「で、でも、わたしの、せい・・・なのぉ!」
「こいつ等の外骨格は鉱物だモノね、しょうがないよ」とカーラもダーナと一緒に、サソリの殻をコンコンと叩きながら言っていた。
「普通は斬れないよね……」なんて事も呟いてたけど。
「えーと……、とりあえず皆無事なら詰所まで戻りましょ?レッドデスストーカーが出た事も、報告しないといけないし……」
そうコリンが皆を見回しながら提案した。
ジェシカも「そうね、それが良いわね」と同意する。
吹き飛ばされたアリシアも、既にダメージから回復して立ち上がっている。
そんなワケで、そのまま詰所まで戻り、大サソリ討伐を報告をする事になった。
詰所で報告を済ませると、チョットした騒ぎになった。
サソリの遺骸を確認した団員の人達から、詳しい事情を求められ、それを回収する為に村役場からも人手が集められた。
暫くするとハワードパパもやって来た。
「ハ、ハワードさん、ごめんなさい」
「どうしたスージィ?何を謝るのだね?」
「折角、お借りした、剣を、折って、しまいました・・・ごめんなさいぃ」
「スージィ、謝る必要は無い。君はやるべき事をやっただけだ」
「でも、でも、わたしの、せいで・・・」
「謝らなくてはならないのはワシだよスージィ……。君の力に伴わない剣を与えてしまった。存分に力も振るえなかったろうに、……済まなかった」
「そ、そんなハワードさん!ハワードさんが、謝られる、事では、無いです!わたしの、不注意・・・です!」
「いや、これはスージィに相応しい剣を与えなかった、ワシの落ち度だ。スージィが気に病む事では無い」
そんな風に二人で「ワシが」「わたしが!」と水掛け論の様に繰り返していると、助け舟を出してくれる人が居た。
「この機会に、スージィさんに相応しい剣を鍛えては如何ですか?」
オーガスト・ダレス村長だった。
オーガストさんはサソリの回収に来た、アムカム・ハウスの職員と一緒に、詰所まで様子を見に来てくれたのだ。
「この『レッドデスストーカー』の外骨格は、精錬を行えば十分に強い剣の素材足りえます。コレを使いスージィさんの新しい剣を打って、ハワードさんからプレゼントされるのは如何ですか?」
「うむ!それはいい!それは素晴らしいアイデアだ!流石だ!流石オーガスト!!」
ハワードさんはオーガストさんの肩をバンバンと何度も叩いて、嬉しそうに顔を綻ばせ笑い声を上げている。
あ、オーガストさんの大柄なお身体が、ハワードさんが叩く度、凄い揺れているよ?
気のせいか笑顔が少し引き攣っている?
「わたしの、剣・・・ですか?」
「そうだ!スージィ!君の剣だ!その装備に似合った剣にしよう!どうだね?」
「そんな、
「遠慮などはしないでおくれよ?スージィが強い武器を持つ事は村の為でもある。何より、ワシが君に送りたいのだ。受け取ってくれるね?」
「あ・・・はい、はい!ありがとう、ございます!嬉しい・・・です!」
ハワードさんは「そうか!ウム!ウムウム!」と嬉しそうに何度も、何度も頷いておられた。
「ご、御頭首?」
「目尻が下がってる……だと?」
「この緩まれた顔……マジか?」
なんか団員の方達が、信じられない物を見る様な目で一、二歩後ずさった。
「これが……、話に聞いてた親バカモードのクラウドさん?ヤバいよ!」
カーラが変な事を呟いた。
「でも、スーちゃんのお家だと何時も見られるから、そんな珍しくないわよ?ね?ビビちゃん?」
「しっ!ミア!声が大きいわ!」
え?ナニ?どゆことベア子?
何だか妙な空気感なんですけど?あれ?
でも……ま、良っか。今日は誰も怪我して無いし。
ハワードさんは凄く嬉しそうだ!わたしはハワードパパが喜ばれるならそれで良いのだ!
何やかやとあったけれど、楽しい一日だった。
初めての装備で皆と狩も出来たし、最後は新しい剣を打ってもらう約束までした!!
剣が出来てきて、この装備とセットで身に付けてお見せしたら、ハワードパパは喜んでくれるかな?
ウン!きっと喜んでくれるに違いない!!
何だか今からとっても楽しみなのだ!
――――――――――――――――――――
次回「収穫祭へ行こうよ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます