義母との混浴
「……はぁ……なんで、こんな事になったんだ」
俺は浴室内で、溜息を吐く。まさか……こんな事になるなんてな。風呂位、一人で入れるし、背中だって一人で洗えなくもないのに……。義母——ソーニャは親睦を深めたいとか……言ってたような気がするが。
一足先に、服を脱いで浴室内に入った俺は悶々と考え事をしていた。
背中を流すって言っても……まさか、裸で入ってくるわけがないだろう。俺はそう考えていた。バスタオルくらい、巻いて入ってくる事だろう。けど、裸じゃないって言ってもな、服の上からでも義母——ソーニャの身体がナイスバディである事は容易に想像できた。
以下、俺の妄想である。
「……ま、まずいですよ……お義母さん」
「いいから、いいから気にしないで。これも新しいお母さんの務めなんだから!」
義母——ソーニャは俺の背中を洗う。あまりにたわわに実った果実が俺の背中に当たった。バスタオル越しでも感じる、そのあまりのボリュームに俺の心音がドキドキと高鳴るのであった。
「あっ……石鹸が」
ソーニャの手から石鹸が零れ落ちる。その零れ落ちた石鹸を取ろうと、ソーニャが前かがみになった。
ほにょん。
そう、ソーニャの豊かな乳房が俺の背中に押し当てられたのだ。俺の心臓の鼓動は高鳴り……興奮した俺の血液は一か所に集中していく。そう、下半身に血が集まり、ある一つのモノが隆起していくのだ。俺の意思とは無関係に。自制しようとしても、高ぶった息子は言う事を聞いてはくれなかったのだ。
「……あら?」
「こ……これは違うんです! お義母さん! これは別に、お義母さんに欲情したわけじゃ……」
痴態を見られた俺は、ソーニャに見苦しい言い訳をする。
「いいのよ……真治君。お母さんに任せて」
ソーニャが握ってくる。……何をとは言えない。R18描写に抵触する為だ。
「お義母さん……」
「真治君……」
俺達は見つめ合い……そして。
以下、妄想は終わる。
「なんてな……そんな事あるわけないか」
ガラガラガラ。
その時の事であった。浴室の戸が開かれた。ソーニャが入ってきたのである。
「お・ま・た・せ」
「ん?」
ぷるるん……。まず、目に飛び込んで来たのは弾む、たわわに実った膨らみだった。
「なっ!?」
ソーニャは恥ずかし気もなく、見事な裸体を俺の眼前に晒した。
「……? どうしたの? 真治君」
ソーニャが聞いてきた。面を食らっている俺と違って、何でもない様子だ。外国人だから文化が違うのか? ……その可能性はありえた。外国ではキスが挨拶みたいな国もあるとは噂で聞いた事がある。
そういう文化の違いかとも思った。だけど、そんなわけがないだろう。
これだけ流暢に日本語を話しているのだから、日本に来たのが最近というわけがないのだ。アリサは約二年前の頃には学園の中等部にいたのだ。そうなると母であるソーニャもその頃には最低でも日本にいたはずだ。
だから最低限、日本の文化や常識は理解しているであろう。
それを理解した上で、言葉通り、俺の事を本当の息子のように扱っているという事なのか?
いや……だけど、俺ももう14歳だ。今年の誕生日を迎えれば15歳になる。普通、この年では母親と入浴なんてしないはずだけどな……まあ、中には入る奴もいるんだろうけど、大抵はイジられたり、引かれたりするものだ。
「……さあ、背中流してあげるから」
「えっ……ああ、はい」
俺は仕方なしに前を向く。美しい裸体だった。性欲を満たしたいという気持ちもないわけではないが。まるで芸術品を見ているようで、いつまでも見ていたい気持ちになった。だから少し、名残惜しかったように感じる。
こうして俺はソーニャに背中を流される事になる。目で観ずとも何となく感じる。背後でゆさゆさと揺れる二つの確かな膨らみがある事を。
俺は自分の下半身を見下ろす。そしてほっと、胸を撫で下ろした。
良かった……。
一晩中、アリサの生着替えをオカズに自慰行為(オナニー)に耽っていた為か、俺の息子は何とか、平静を保っていた。
酷い話ではあるが……鬱積が溜まっていたらとても辛抱できていない事だろう。それだけの状況だった。
だが、この状況はまずい、とてもではないが、心の平静を保てそうになかった。何もしゃべらないのも気まずい俺は雑談をする事にした。
「ソーニャさん……って、すごいお若く見えるんですけど、おいくつなんですか?」
「ふふっ……もうすぐ30歳のおばさんよ。私は15の時にアリサを産んだの」
30歳のおばさん……。って事はまだギリギリ20代じゃないか。世間一般の感覚で言えば十分若い。中学生の子持ちだったら異様な程若すぎるくらいだ。それと30歳でおばさん扱いすると世間一般のアラサーの皆さんから異様な程のヘイトを買いそうな発言だった。
「へぇ……すごく若くて、始めてみた時はアリサさんのお姉さんにしか見えませんでした」
「もう……真治君ったら。おだてても何も出ないわよ」
何もでなくてもいいんです……この状況が既にご褒美みたいなもんですから。
「……ひとつ聞いてもいいですか?」
「なになに? 何でも聞いてちょうだい」
「どうして、父と再婚してくれたんですか?」
もっともな疑問だった。父に聞けば良かった事だろう。どうやってであったのか、なんで再婚するに至ったのか。そもそも引きこもり、父とのコミニケーションを断絶していた俺は、そんな事すら知らなかったのだ。
「……私の前の旦那様――アリサにとっては実の父親という事になるわね。彼は今から二年前、事故で亡くなったの」
「事故で……」
「ええ……海外の出張中、交通事故で返らぬ人になったの」
そうか……再婚するって事は当たり前だけど、大抵の場合、二つしかない。配偶者と離婚をしたか、死別をしたか。その二つだけだ。離婚にせよ、死別にせよ、それは大抵の場合は悲しい出来事であろう。
当然のように、ソーニャもアリサもそういう、辛く悲しい出来事を経験しているのだ。どれだけ彼女達が順風に見えたとしても、生きていていれば誰だって辛い事や悲しい事の一つや二つ、抱えて生きているのだ。
「それはもうショックだったわ……けど、どれだけ落ち込んでもあの人は返ってこないの……。それでも私は落ち込まずにはいられなかった。それから、私は行きつけのパブで酒に溺れる生活を送るようになったの」
酒か……。父も母を亡くした後、同じような生活をしていた。未成年故にわからないが、大人で酒に逃避する人は大勢いる。二人もそのタイプだったのだろう……。
「そこで私はあなたのお父さんの誠さんと出会ったの……彼も良くその店に通っていたから、すぐに顔見知りになったわ。彼も奥様を亡くしたばかりだったもので……私達はすぐに気があって、そこから二人だけで合うようになって、結婚する事になったの……あなたは私達の事をあまり聞かされてなかったけど、私はあなたの事を良く、聞かされていたのよ」
ソーニャはそう語る。
「へぇ……そんな事があったんですか」
「そうそう……そうして、私はあなたのお母さんになったの」
ついでに、あのアリサが義妹(いもうと)になった……ってわけか。
「何かすみません……皆、辛い事や悲しい事があって、それでも前向きに生きているのに、俺は引きこもって、自分の殻に閉じこもって……なんて情けない奴なんだ」
俺は自身の情けなさに、思わず涙が出てきた。ソーニャやアリサ……そして父にも悲しい事はあった。そして落ち込みもしただろう……酷く。だが、それでも立ち直り問題なく社会生活を送れているというのに。
それなのに俺一人がまともに社会生活を営めずに引きこもりをしている。そんな自分があまりに弱く、情けなく、恥ずかしく思え涙が溢れてきたのだ。
「いいのよ……真治君。あなたはあなたのペースで立ち直っていけばいいの……心の傷の深さも、その治りもまた、人によるんだから……」
ソーニャは泣いている俺を抱きしめてくれた。お互いに全裸の状態だ。柔らかな感触が直に伝わってくる。
普通に考えれば性的(セクシャル)な状況でしかないのだが、なぜかソーニャからは本物の母性を感じ、不思議とそういう気分にはならなかった。
こうしてソーニャとの印象的な入浴の時間が過ぎていくのであった。
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