第6話

「あの、私佐藤菜のことが好きです!」

「あ、うん。ありがとう」

「いや、違くて、いや、違くもないけど。恋愛です」




「え?…」




このとき僕は思考が停止した感覚になった。

「初めはナノのファンだった。でも、出会ってから、ファンの好きが恋の好きになっちゃったの。所々見せる笑顔に初めはやっぱりいいなーって思ってたんだけど時間重ねるごとに推しのドキドキが付き合いたいドキドキになってて、私も初めは戸惑ったけど、なんか、変わっちゃって」

「そ、そっか、いや、あの、嬉しいんだけど、」

「いきなりだもん、返事は今はしなくていい」

「わかった。今までファンでいてくれた子がプロデューサーさんになって、したら気づいたら彼女って ふふっ」

「え?」

「いいよ、付き合おう」

僕にはどこかで恋ちゃんを許した感じになっていた。

「え?…」

「これからよろしくねプロデューサー彼女、」

「う、うん!」




そして、配信の日

「どうも~佐藤ちゃんでーす」

「恋です。」


え?恋ちゃん?

二人で配信することにしたの?

2人とも彼氏いるの?


「えっと、実は佐藤ちゃんは男です」


え?

どういうこと?

女の子じゃん!


「私、恋は佐藤ちゃんのプロデューサー彼女です」


え?!

まじ?!

え?!ファンじゃないの?!


「現在継続中のファンですが、プロデューサー彼女です」


いやー、まじか

へー、恋ちゃんかー、

いいカップル!

佐藤ちゃんが男性っていうことのほうが驚いてる


「と、言うことで、これからよろしくおねがいしまーす!」

「よろしくおねがいしまーす!」


そして、数時間の配信が終わった。





「楽しかったー」

「うん、楽しかった!」

「どうしよう。イイヤツラのほう」

「もう、やめちゃったら?で、たまに遊びに行ったら?」

「いいね、そうしよう。でも、イイヤツラの方で僕を推してくれてた人に申し訳ないな」

「私が彼女名乗ってみようか?したら、興味ある人は来てくれるんじゃない?」

「あー、そうしよう!」




そして、メールをした。

「ごめんみんな、僕、イイヤツラやめる」

「え?」

「どういうこと?」

「やめてよ!みんながいるからイイヤツラなんだよ?」

「わかってる。だから頻繁に遊びに行く」

「でも、それはさ、」

「なんでいなくなるの?」

「アンチとか?」

「アンチとかでね、辛くてさ、それで最近新しいチャンネル初めて、そこでは女の子(仮)みたいな感じでやってるの」

「なんのチャンネル?」

「なんて名前?」

「教えて!」

「佐藤ちゃん、ねる」

「見る」

そして、数分がたった。

「彼女いたんだ、」

「びっくりだわ」

「だから、ごめんねイイヤツラのファンの方にはみんなから伝えておいて、佐藤ちゃん、ねるのことは言わないでね」

「わかった。」


そして、僕はイイヤツラをやめた。

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