はじめてのクラス

俺が転生を果たした次の日。俺はシエルさんと一緒にクラスの教壇の上に立っていた。こっちの教室は大学の講義室の小さいバージョンという感じだった。サイズは高校の教室のちょっと広いくらいだからちょうど雛壇みたいでクラス全員の顔がよく見えた。てか、みんな女の子じゃないか。俺はみんなからの好奇の目にさらされ照れてしまう。その視線の中にはもちろんフィルとアヴェルの視線もあった。自己紹介が終わった後、俺は質問攻めにあった。


「空から落ちて来たんだよね?一体どこからきたの?」


「フィルから聞いたんだけど調律者ってマジ?」


「ぶっちゃけこの中だと誰が好み?」


次々と来る質問。俺はあまりの勢いに押されながら答える。答えるべきか悩む質問は一番後ろの席に座っているアヴェルが俺にだけ見える角度で魔法のカンペを出してくれたので助かった。なんと有能。しかし、最後のカンペだけは見えないふりをした。ガキには興味ないねって言えるか。


俺は自己紹介の後、空いていたアヴェルの隣の席に座った。アヴェルは恨めしそうにこちらを見ている。おい、泣いてんのか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る