1/21 そこで現代に戻る

 思うに、没個性化の大罪を犯したのは、小室哲哉進行もあるが、バンドであろう。スピッツは、彼らこそそれこそ輝いていたが、あの輝きは、コピーされてしまった。歌詞の個性は相当あったが、自分が彼らに見出したのはその軽快なメロディ。好きなのは『ロビンソン』。しかし嫌いな曲が多くなってくる。

 ミスチル、それを更に悪化させる。別に歌詞がいい訳でもない、フレーズの使い回し。たぶん、嫌いな人にしか気づかない。ステレオタイプにハマった人しか気づかないことだが。一番好きなのは『マシュマロデイ』。僕は普段、遅いのがいいとは言うが、ここの場合はくどい。もっと遅くなるとただの酔っぱらい。声が妙に若くて明るい。

 ゆず。戦犯。バンドのアイデンティティを打ち立てた。自分が嫌いな類の。あの声と、イントロと歌詞。雲のない。


 最初のギターいじりが嫌なのだろうか? かわり映えしない。適当にみんなでやった仲の良い平和な歌詞が嫌なのだろうか? なんだか、飽き飽きした平和感、善良さ。あれはグライダーだ(『思考の整理学』)。ガキの発想だ。


 そこに属性は増えた。爽やかさ、アイドル、ギャルゲー、イケボ。あれの何がイケボたるか。ただのくどくて上っ面の声だ。爽やかさがただの感情の呆け。

 Lo-Fi、chill。ただのテンプレの使い回し。快感のない半殺し。ただの退行に過ぎぬ。そこに寒気はあるか、覚醒はあるか。単なるかけっぱなし。それならただ、サブスクのモトを取っているというアピールだ。


 駄目ですね。今回は度が過ぎるでしょう。

 でも、僕のようなマイノリティがいることは忘れないでほしい。でも憐れみは欲しくないです。ただ、聞くに値する音楽が欲しい。新しい音楽が、そう新しい音楽が。


 では、オマケになります。

『unreasonable behavior』

OFFというゲームのBGMです。僕はこの曲のボスが中々好きです。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る