1/20 楽曲の背景の変遷

 (現代の社会不安を繰り返し聞かせるのは何かのハラスメントでしょうから割愛します。)……ということで現代は、強い抑うつ感に苛まれています。


 自分は、80s〜今までの音楽しか聞かないので、それまでの歌詞と、現代の歌詞を比較しましょうか。この曲が時代を代表する、というのはちょっと問題があるかもしれませんが、それは諦めを。


始めはオフコースの『僕の贈り物』1973年。まだ売れてない頃です。

人の癪に障るような歌詞です。


ー春が来ても恋がめばえなかったあなたにはこの曲を贈るよー


余計なお世話です、と言うことですね。この頃はまず非リアに人権が無かったです。というか当分ありません。なんというか、当時ブルジョア革命を若者は起こしたんです。プロレタリアートたる若者はそこにはいませんでしょう。全共闘だか自由の戦いを繰り広げましたが、結局その大志を果たそうと海外に出奔したのは選びぬかれた、の頂、東大、京大生です。所詮ブルジョア革命です。何が平等ですか、自己矛盾を起こして。


『時には娼婦のように』柏原芳恵 1978年

 題名しか知りませんが、この曲の登場には激震が走ったんだとか。まあ、題名そのものです。この時でもまだお硬い雰囲気はあったのです。しかし、この曲の登場が遂に自由恋愛を完全に認めさせた、という。ググッたら、題名だけのせいでアダルト音楽と表記されていました。


『異邦人』久米小百合 1979年

 遠い昔1964年、初めてオリンピックにコンゴなどアフリカ諸国が出場しました。

 日本はこの当時(たぶん)、まずは知らぬより知る、と海外の特集を繰り返しました。より興味を持ってもらえるように、国それぞれにステレオタイプを付けました。その結果がこの曲です。イントロ、砂漠、キャラバン、これは三点セットで想起されます。自分には良いのか悪いのか分かりません。あと、ステレオタイプといえばSTREET FIGHTERですね。このゲームかなり良曲が多いです。とくにⅡX。世代じゃないし、プレステも持ってないのでやったことはありませんが、まあ、偏見で成り立っています。ジャパニーズキャッスルと言ったように。

 前に英語の試験でやったものに、アメリカ人が日本人との映画デートは楽でいいと語るやつがありました。アメリカ人同士だと、感想を言い合わないといけないので辛い、ということだそうです。あと、日本人は一人飲み、ヒトカラなど一人に優しい国だと時折ネットニュースが言います。以外にお国柄に縛られる姿を今自分は知ってるんですよね。


ユーミン 78年〜

 自分はよく聞きます。あ、でも耳慣れし過ぎたので最近はあまり聞いていません。ユーミンの凄さは、強い女性観です。『No Side』の中のなんかの曲や、『ふってあげる』など、中々高圧的な女性の姿があります。また、車の中でコトに及ぶ曲もあるんだとか…たぶん調べねば分からんでしょうが。

 とても、自由な女性像を歌っています。時に男を尻にしくような……


村下孝蔵 80年〜

 たぶん昭和最後のフォークシンガーです。そして僕が唯一聞くフォークシンガーです。高校受験のとき、僕は彼に背中を押してもらいました。この当時は悲撃のヒロイン症候群をこじらせていたので、彼の世界観は自分のナルシズムにいい影響を与えました。(つまり聞くことでもっと倒錯した)特に『春雨』『ゆうこ』『ロマンスカー』『90ページの日記帳』。自分の中で、もっとも丁度いい渋さです。これ以上行くと、聞いていて羞恥心を持ち始めます。

 この人の特殊なのは、女装曲があること(『春雨』)と、『この国に生まれてよかった』の二点です。今の時代は悲しきかな、例え冗談でも御国を賛美しようとなどできないのです。あ、それは言いすぎですかね。自衛隊の伝説とか、読んでると胸がスッキリしますよ。でもネトウヨに引っかからないようには気をつけましょうね。


レベッカ 82年〜

 最近です。初のガールズバンドです。ただし、紅一点というイメージで自分を囲む男たちを弄んだマリリン・モンローのような雰囲気なので、実質的な初のガールズバンドは、女性メンバーだけのプリプリ(PRINCESS PRINCESS)になりましょう。

 グレた女子を演出するのはレベッカは上手かったですね。『moon』『フレンズ』『ポイズンマインド』『olive』『cheap hippies』などなど。僕的良曲です。『Never』のような極端なスケバンよりも、こっちの方がむしろ相応しい、と思うのです。いよいよ恋愛による反逆がピークを迎えます。しかし後継者は現れませんでした、そう自分は思います。


小室哲哉、misato(渡辺美里)

 この辺から歌詞が濃さを失っていきます。景気のいいテクノと歌詞。『悲しいね』『虹を見たかい』等、好きな曲はそこそこあるのですが。

 小室哲哉は少し罪深いところがあると思うのですよね。プロデュースするglobeの全シングルをミリオンにしようなどと言って宣伝を打ちまくってそして王道進行(コード進行のうちの一つ)の曲ばかり作りました。たぶん人によってはこの人の曲も、全部似てるように聞こえる、と答えるでしょう。そして、自分はglobeの代表的ヒット、『Departure』と『can't stop fall in love』の見分けは付いてなかったですね。


モー娘。『ラブマシーン』1997?

 ここで時代が終わりました。物凄い否定的な見方をすれば。曲名自体がもうほぼ下ネタに近い。言えば「大人のおもちゃ」。この世は不景気。メシアがこのような形で現れてしまった。歌詞を見ればよく分かります。「オミクロンに負けるな!」のような。


宇多田ヒカル 1998〜

 レコード会社の最後の光でした。彼女の音楽は、とても良くて、売れましたが、しかしここがバブル崩壊でした。これ以降、少なくともレコード会社はもうオワコンになってしまいました。CDも時代が終わり、データの時代になってしまったため、プロデュースして独占的に利益を得るレコード会社はAKB商法を始めました。

 きっかけはアメリカ帰りの15の少女でした。親を超えた二世でした。彼女の世界観は、もしかしたら閉鎖した世界の中での独り占め、これが似合うのかもしれません。コミュニケーションの集中力的に、一人としか会話が滑らかにできない僕はまあとても好きですが。『In my room』『for you』『prismer of love』『addicted』など。

 性別不明発言など、先進的な行動をする彼女は今も素敵です。『time』など。


(なんか色々無視したのは分かっていますが、やる気の問題的に次を最後にします。)


Ado『うっせえわ』

 米津さんという、前例はいましたが、それでも衝撃が大きかったのはAdoさんで間違いないと思います。ボカロ世界の現実世界への回帰の例として。

「ちっちゃな頃から優等生」の反逆は米津さんが始めましたが、Adoさんが見事に火を点けてくれました。

 今ではもう、「盗んだバイクで走り出」しません。そしてハロウィンで問題起こす若者など全体から見れば全くいません。それは誰も見ないことですが、これが「トーキョーダモイ」でなければ、プロレタリアートの革命の嚆矢となることでしょう。

 ちなみに、うちの姉は、ヒット前から『金木犀』を聞いていて、ちょっと鼻が高いそうです。全く雰囲気が違いますがね。

 あと、もちろん結果論にすれば『うっせえわ』はある種の炎上商法です。中々かっこいい曲を歌えるんですよ。『ギラギラ』


 あと、最近の曲に共通する新傾向なのが、反恋愛主義、そしてアイデンティティ、コンプレックスへの悩みです。

 最初に僕が『僕の贈り物』が癪に障ると言ったのは、これの伏線です。ぶりっ子はもはや放送禁止用語で、「あざとかわいい」に言い換えられています。たぶん聞いていて歌詞を見ればなんとなく分かるでしょう。まず、その歌詞に何らかの癒やしはもらっていることでしょうね。『ギラギラ』も、明らかに自分のコンプレックスについてです。神は私を見捨てたもうた、と。


 今回、僕は始め己の出願ラッシュでいらついてましたが、なかなか沢山の曲を紹介できたと思います。


ではでは。

 

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