身の毛のよだつ短編ホラー集

笑い坊主

私の方が先だったのに…

自分の大親友が自分よりも先に彼氏とお付き合いをし、結婚に向けて楽しんでいる所を見ると素直に喜んで応援できますか?それとも、、、

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 私の名前は桃田沙織、20歳の大学2年生。そして私には彼氏がいてその人は5歳上のIT関連で働いてる大和くん。親友の美穂が合コンで私を誘ってくれて、そこで大和くんと意気投合し結婚を前提にお付き合いをすることになりました。そして私の親友の美穂も凄く喜んでくれていて、彼女が私の家に来るたびに彼氏の話をずっと美穂にしていました。ただ美穂は私以上に彼氏の事を知っていて、たまーに私はヤキモチを焼く日もありました。


 そんなある日、彼氏の大和くんと私と親友の美穂で北海道へスキー旅行をしに行きました。私はスキーが初めてで初心者コースで滑る事にしました。そして大和くんと美穂は昔からのスキー仲間で途中2人で上級者コースに行きました。しかし、1人で滑っているからなのか全然楽しくなく、途中カフェなど行って時間を潰していました。


 そんな中2人も休憩をしにカフェへ入ってきました。そして、私に気付かず私の後ろの席に座りました。席ごとに仕切りがあるため私の事は見えません。そして美穂が大和くんに信じられない言葉を口にします。


「私と沙織、どっちが一緒にいて楽しい?」


 私はそれを聞いた瞬間、心臓がキュッと締められました。すると大和くんが、


「やっぱ好きな人と一緒にいる方が楽しいかな」


 それを聞いた瞬間、私は少しホッとしました。そして美穂が、


「まぁ私のおかげで付き合えたんだからね!」


その時、なんだあれは冗談かと思っていました。そして宿に行きそこは3人部屋でした。すごくきれいな宿を大和くんが予約していて私たち2人ともはウキウキ状態でした。


 そして夜の8時に美穂と温泉に行ってきました。それも大和くんがわざわざ貸し切り風呂として用意してくれてたんです。どんだけ神なんだ。そして入浴中に大和くんの話になりました。


「大和くんって気遣いがよくて本当に完璧な人だよね、沙織が羨ましいよ」


「そう?家ではだらしないよ笑」


「そういや昨日、彼氏のパンツを匂って喜んでたみたいじゃん!!」


「え!?なんでそれを?」


「さっきスキー中に暴露してたよ笑」


「あいつ許さない!!笑、他に何か言ってた?」


「朝起きたら絶対沙織の口臭確認してくるとか、毎日おっぱいを見せてくるとか色々言ってたよ笑」


「あいつ本当に口が軽すぎー」


 そして翌日も3人で楽しく札幌を散策していました。しかしその日以降、美穂と連絡が取れなくなりました。


「ねぇ大和くん、美穂と最近連絡が付かないんだけどー」


「なんか心配だよなー、俺も連絡してみよかな」


「うん、お願いするね!!」


 そしてあの旅行中のとある会話を思い出した。


 「そういや大和くん、美穂に私のデリケートな事を美穂にいっぱい言ったでしょー」


「あーあいつ口を滑らしたか笑」


「こっちのセリフだよ!!笑」


「なんか口臭確認とかさ、やめてよ笑」


「悪い悪い笑」


「あと何?大和くんのパンツを匂って喜んでるとかさー」


「おい、なんだよそれ!!お前そんなことしてたんか笑、可愛い奴だな」


「えっ?大和くんが言ったって」


「そんな事言ってないし、俺も今知ったよ笑」


「…………」


「それじゃあ仕事行ってきます!!」


「行ってらっしゃい」


 私はあの言葉をに引っ掛かりました。確かに私は大和くんのパンツを洗濯機に入れる直前に匂う癖があります。けどそれは大和くんが入浴してる時だし、まさか!?


 私はとっさに洗面所に行きある物を探してたすると、、、。


「嘘でしょ、、、」


 洗面所の壁には小さな穴があり、そこには隠しカメラが仕込まれていました。しかしバッテリーは切れていた。すると先々週の美穂との会話を思い出しました。


「ねぇ、ちょっと化粧直ししてきていい?」


「あんたいつもここくると化粧直ししてるよね」


 まさかあの時に、、、。私は全てが分かり凍り付く。今は大和くんは仕事だし今こんな事言ったら邪魔になると思い、帰ってきてから全てを話そうと決めました。


 そして大和くんの帰りを待っていましたが、いつもの時間に帰ってきません。そしてラインを見ると大和くんから着信あったんです。それを見ると、


今さっき美穂ちゃんから連絡があった、引っ越しの準備に手間があったみたい。ちょっと1人で準備してて大変らしいから手伝ってくる


 そのメッセージを見た瞬間、私は即座に


美穂から離れて!!何をされるか分からない


 と返した。すると直ぐに電話が掛かってきた。


「もしもし、大和くん早く帰ってきて!!大和くんが危ない」


「いやどうしたんだよ笑」


「大和くーん、本当助かるよ!!」


「美穂の声?まさかもう家に?」


「沙織ーごめんね連絡返せなくて、もう大丈夫だから安心してね」


「という訳で切るから」


「ちょっと大和くん!!」


 電話が切れた。私は凄く嫌な予感がしたので即座に美穂の家へ車で直行しました。そしてオートロックなので下でインターホンを鳴らしました。すると美穂が出てきました。


「はーいどなた?」


「沙織!!」


「はーい」


 そして普段はエレベーターで4階の美穂の部屋に行ってましたが、この時は階段で4階までダッシュ。そして私はスマホで110番をあらかじめ入力して部屋の前にそしてドアを開けると目の前に美穂が立っていました。高校の時のジャージを着てすごく汗をかいてたので本当に引っ越しの準備で大変だったんだと思いました。しかし私は大和くんに会いたいのっていうと美穂の表情が急変し、私を美穂の寝室に誘導してきました。すると、


「ギャーーーー」


そこには血まみれで無残な姿で死んでいる大和くんがいました。すると美穂が


「私はあなたと大和くんを恨んだ。本当は私の方が先に大和くんと仲良くなって付き合えると思ったのに!!」


 そう言って私にナイフを見せてきました。


「やめて、私を殺さないで!!」


 すると美穂が


「私はあなたを殺さないよ、親友だもん。毎日カメラであなたたちの生活を観察してた。すごく羨ましかった。でもね、今大和くんと2人きりになる方法を見つけた。私が死んで天国で2人きりになってやる!!!」


 そう言って美穂は私を突き飛ばしベランダに出て飛び降りました。私はベランダを出て下を見ると美穂はうつ伏せの状態でピクリとも動きませんでした。そして私もその場に倒れました。


 そして後日、目を覚まし警察から事情聴取を受けました。大和くんと美穂はこの世からいなくなり、寂しい日が続いてました。

 

 ある日大和くんと付き合いたての頃に美穂から記念にお守りをもらった事を思い出しました。そしてそれを取ると異様に中が気になるので開くと、小さな紙が折りたたみ入っていました。そしてその紙を開くと血筋が凍りつきました。そこにはひらがなで信じられない事が書かれてました。





         「しね」

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身の毛のよだつ短編ホラー集 笑い坊主 @WARAIBOZU

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