第20話ミックスアップ


 俺達はスケール3の最下層で何日か過ごした。余りの身体の負荷で俺が動けず、みんな付き合ってくれたのだ。いないと思ったニーナもいつの間にか赤月さんの横に立っていた。


 彼女とはあまり話せていない。赤月さんにはこれからも世話になりたいと思ってる。ニーナとも仲良くなれれば良いな。


 身体が動くようになり、学校が始まるのも近かかったので、舞ちゃんのネメアにみんなで掴まり、急いでダンジョンを駆け上がった。お陰で始業式に飛び込みセーフ出来たのはよかった。


「ダンジョンはきっちり売っておくからね。入った金で遊ぶか何か自分のためになるアイテムを買うと良い」


 赤月さんとの契約はダンジョンを出た時点で終わっていたが、売却の手続きまで終わらせてくれるという。またお願いしたいのでと、連絡先を交換させてもらった。放浪の旅でも連絡手段は確保しているようだ。


 俺達は学校が終わると早々に解散した。身体が限界だった。みんな家に帰って寝たいと解散になった。


__


 家に帰ると両親にかなりどやされた。事前に時間はかかると言っておいたのに、思った以上に時間がかかった為に、怒っていたようだ。中途半端に返事をして、部屋に入ると、泥のように眠った。


 夜中に目が覚めた。昼間っから寝っぱなしだったのだ。不思議じゃないが、思った以上に体力の回復が早くなったように感じる。


「ステータス」


名前:目許研

種族:人間

Lv:40/100

HP:295/295

MP:295/295

攻撃力:205

防御力:205

俊敏:400

器用:205

運:40


SP:10


ギフト一覧 

剣聖:Lv1 ⭐︎⭐︎⭐︎

梟の目:Lv1 ⭐︎⭐︎⭐︎

予感:Lv1 ⭐︎⭐︎

攻撃力強化:Lv1 ⭐︎

俊敏強化:Lv10 ⭐︎

器用強化:Lv1 ⭐︎


 ついにレベル40到達かぁ。他のみんなはどうだったろうか。みんな戦闘に間違いなく参加していた。なら経験値は等分で配布されている筈だ。


名前:目許研

種族:人間

Lv:40/100

HP:295/295

MP:295/295

攻撃力:205

防御力:205

俊敏:400

器用:205

運:40


SP:10


ギフト一覧 

剣聖:Lv1 ⭐︎⭐︎⭐︎

梟の目:Lv1 ⭐︎⭐︎⭐︎

予知:Lv1 ⭐︎⭐︎⭐︎

攻撃力強化:Lv1 ⭐︎

俊敏強化:Lv10 ⭐︎

器用強化:Lv1 ⭐︎


 良々、遺伝と固有はこれでMAXだ。俺は後は【剣帝】に邁進するのみ。攻撃力に振っても良いかもな。今回は攻撃力に助けられたし。悩みどこだ。


 そのとき突然俺の前に文字の映像が浮かぶ。


《貴方の遺伝能力ゲノムギフト固有能力スペシャルギフトの相性が80%を超えています。融合ミックスアップが可能です。実行しますか?》


 ミックスアップ? 初めて聞いた。ネットで検索してみると、オーバースペックの人間に稀に起こる現象らしい。自分にとって良い能力となるかは賭けとのこと。


 でも上げられる星のレベルは1つ上がることは確定らしい。星4の能力ギフトになるわけか。


「ミックスアップする。やってくれ」


《承知しました》


 身体が熱くなる。身体の中の能力が溶け合っているようだ。


「ステータス」


名前:目許研

種族:人間

Lv:40/100

HP:295/295

MP:295/295

攻撃力:205

防御力:205

俊敏:400

器用:205

運:40


SP:10


ギフト一覧 

剣聖:Lv1 ⭐︎⭐︎⭐︎

予測予知:Lv1 ⭐︎⭐︎⭐︎

攻撃力強化:Lv1 ⭐︎

俊敏強化:Lv10 ⭐︎

器用強化:Lv1 ⭐︎


 これは、成功かな? 今までの能力ギフトの力は内包してるはず。頼りにしてるぞ。これで成功なら俺かなりラッキーだよな。でもやっぱりまだまだだ。魔人に勝てたのも、みんなの力があってこそ。奇跡ばかりは起こらない。気を引き締めなくちゃ。


 俺は頬を叩くと、またベットに入り、あっという間に眠りについた。


__


「え? 20億!?」

「ああ、今朝口座確認したら入金されてた」

「私も」


 舞ちゃんを見ると、俺と同じくびっくりのようだ。口座の管理もパパの息がかかっているのかもしれない。


「こんだけの額なら、何か一つくらい。一級品を買えねぇかな」


 迅君が尋ねてくる。


 確かにそのくらいあれば可能かもしれないけど、新品は無理だと思う。もっと金がかかる。


「中古品なら行けるかも。中古品って言っても一流の人達が使って他に良いものがあったから売った品だ。性能は良いはずだ」


 迅君は新品が欲しそうだが、そろそろ強力な何かが欲しいのは我慢出来そうにない。


「中古品の店で良い店あるか?」

「昔姉ちゃんに連れて行ってもらった店なら知ってる。姉ちゃんは今でもたまにそこに掘り出し物を見に行くって言ってたよ。舞ちゃん達もどう?」


 舞ちゃんと一ノ瀬さんも誘う。


「行く!」


 元気に答える舞ちゃん。


「私も」


 控えめに答える一ノ瀬さん。


「良し。じゃあ今回の成功の祝い品を買いにいこう!」


 舞ちゃんははしゃいでいて。他の2人は早速スマホで魔道具のことを検索していた。さらさらにどんどん上へ。果てしない道を進む。

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